ニュース

【令和7年 年頭所感】オーエスジー/アマダ/コマツ/日立建機

「『Beyond the Limit 2027』持続的な成長を目指して」
■オーエスジー
代表取締役社長兼COO 大沢伸朗

 2025年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 2024年度は日本の自動車産業の認証不正問題に始まり、航空機産業においても米ボーイング社で主力機の品質検査の不正が報告されるなど、製造業の根幹である「品質」が問われた年でした。自動車産業に関しては、これまでのEV化の流れに一服感が見受けられるようになりましたが、中国のBYDをはじめとした中国メーカーの攻勢により日系、欧米系メーカーがシェアを大きく落としました。さらに中国内需の長期低迷に伴い供給過多の状況がデフレ輸出によって東南アジアなど周辺国での競争の変化をもたらし、サプライチェーンに大きく負の影響を及ぼしています。

 このような経営環境の中、25年度から27年度の3ヶ年における中期経営計画ステージ2の「Beyond the Limit 2027」がスタートします。ステージ1から取り組んでいる収益・事業効率の改善やタップグローバル40などは継続し、その中でもステージ2では微細精密加工向けの成長産業の開拓にさらに力を入れてまいります。7月にはレンズ業界に広い販路をもつContour Fine Tooling BV社がM&AでOSGグループに加わりました。眼鏡レンズ、コンタクトレンズ、眼内レンズ、光学レンズなど、これまで全く持っていなかった販路を新たに獲得しました。そこにOSGの超硬製品を合わせることで総合力を高めて微細精密加工分野における売上の拡大を目指します。

 新製品では11月に開催された日本国際工作機械見本市(JIMTOF2024)に合わせて、環境配慮型製品「GREEN TAP」の発売を開始しました。昨今、製造工程におけるCO2排出量の削減の取組みが重視される時代のなかで、性能・品質プラスアルファの付加価値をお客様に提供していくことで、OSGとしてカーボンニュートラルの社会の実現に貢献してまいります。

 中期経営計画にはAブランド、微細精密、タップグローバル40、収益改善に加えて圧造、コーティング、ダイヤモンド工具など多岐に渡るワーキンググループがありますが、どの活動においても中計の達成には社員全員の参加が不可欠です。昨日までの自分と違った取り組みで ”はじめの一歩”からスタートする意識を持ち「脱マンネリズム」を図ります。

 そして25年度からは執行体制が大きく変わります。部門を超えて更に変革を進めていくステージ2です。外部環境にとらわれず素晴らしい25年度となるよう社員一丸となって努力してまいります。

 最後になりますが、モノづくり産業の益々の発展と皆様のご健勝を祈念いたしまして年初のご挨拶とさせていただきます。

「グローバル全社員のエンジニアリング力を強化」
■アマダ
代表取締役社長執行役員 山梨貴昭

 2025年の年頭にあたり、謹んで新年のご挨拶を申し上げます。

 昨年を振り返りますと、欧米での金利の高止まりやウクライナ問題の長期化、中東情勢の緊迫化による地政学リスクの高まりから、依然として先行きが不透明な状態が継続しております。そのような中、高水準の受注残高の消化が進んだことで売上収益は、第2四半期の3カ月として過去最高を更新、上期としても前年同期に次ぐ2番目の水準となりました。

 中期経営計画の最終年度となる本年は、計画達成の具体的アクションと長期的な成長に向けた取り組みを推進してまいります。具体的なアクションとしては、グローバルにシームレスでの提案を進め、シェア拡大による利益率向上にむけた活動をより一層強化してまいります。第2四半期より、新商品の投入による販売価格の改善が利益面へプラスに寄与してきています。昨年開催された国内外の展示会では、各事業が一体となった提案を行い新たなニーズを開拓しました。さらに、昨年発表したDXを活用した製造改革により、フレキシブルなグローバル生産体制を構築するとともに、各地域の市場ニーズに合わせた商品の投入を進めていきます。

 中長期の活動としては既存事業の拡大のみならず、成長産業である医療、半導体、e-Mobilityといった市場へ、他社との提携やM&Aなどを視野に入れながら拡大いたします。グローバルに目を向けると、アマダグループの連結売上における海外比率は63%に達しています。グローバル化のさらなる推進も重要な活動の一つと考えています。

 これらの取り組みを推進するためには「人材」の育成が欠かせません。昨年11月にオープンした「アマダ・テクニカルエデュケーションセンター」は、お客さま工場の未来に貢献する次世代型エンジニア育成の場です。お客さまと社会の課題解決に向けて、セールス・サービスエンジニアの教育にとどまらず、グローバル全社員のエンジニアリング力を強化します。

 今年の干支は乙巳(きのとみ)です。乙(きのと)は成長し広がりを見せ、殻を突き破り芽が出る状態を意味します。「まだないモノを、アマダとつくる。」をスローガンに、お客さまとともにさらなる伸長につながる一年にしたいと考えています。

 本年も皆さまの一層のご指導、ご支援を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。

「挑戦する」「やり抜く」「共に創る」「誠実に取り組む」
■コマツ
代表取締役社長(兼)CEO 小川啓之

 謹んで新年のご挨拶を申しあげます。
 昨年は、令和6年能登半島地震に始まり、大型の台風や豪雨など、数々の自然災害に見舞われました。亡くなられた方々に心からご冥福をお祈り申し上げるとともに、被災されたすべての方々にお見舞いを申し上げ、一日も早い復旧・復興を心より祈念いたします。

 2022年度にスタートした3カ年の中期経営計画「DANTOTSU Value - Together, to “The Next” for sustainable growth」は本年3月で締め括りとなります。本中期経営計画では、安全で生産性の高いスマートでクリーンな未来の現場をお客さまと共に実現するため、新たな顧客価値の創造を通じ、収益向上とESG課題解決との好循環を生み出し、持続的な成長を目指しています。

 安全性・生産性の向上や環境負荷低減などのお客さまの現場の課題解決に貢献するため、デジタル技術を活用した施工管理やフリート管理のソリューションを生み出し、それらと親和性が高く、安全性や環境性に優れた高効率な製品を提供することで、お客さまとともに未来の現場を実現する挑戦を続けています。

 一般建機では、昨年12月に土木分野のフラッグシップである機械質量20トンクラスの油圧ショベルをフルモデルチェンジし、3D施工機能を標準装備した新世代油圧ショベル「PC200i-12」を日本で発売しました。施工の見える化・最適化を図るデジタルソリューションのスマートコンストラクション®と組み合わせることで、お客さまのICT施工導入を容易にし、建設現場の生産性向上により一層、貢献していきます。本年からは同機種を順次、欧米や豪州でも展開していきます。

 鉱山機械では、露天掘り鉱山で使用される無人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数が790台(2024年10月末時点)となり、本年度の目標である790台を前倒しで達成いたしました。

 昨年7月には独鉱山機械メーカーGHH Group GmbHがグループに加わり、坑内掘りハードロック分野の主力商品であるロードホールダンプやマイニングトラックの商品ラインアップが充実しました。同分野における当社のプレゼンスを一層、拡大させていきます。
本中期経営計画において、2050年にカーボンニュートラルを実現することをチャレンジ目標として掲げました。

 コマツは建設・鉱山機械のフルラインメーカーとして、お客さまの多様な環境対応ニーズを踏まえ、あらゆる選択肢を提供するため、内燃機関の更なる高効率化、ハイブリッドから、カーボンニュートラル燃料やバッテリー、水素活用に至るまで、全方位での研究・開発を進めています。一般建機では、すでに7機種の電動機を市場導入しており、今後もラインアップを拡大していきます。鉱山機械では、資源大手顧客11社とのGHGアライアンスを通じ、あらゆる動力源に対応するパワーアグノスティック・ダンプトラックの開発に取り組んでいます。一昨年に買収した米バッテリーメーカーAmerican Battery Solutionsの活用や、米General Motorsとの超大型ダンプトラック向け水素燃料電池モジュールの共同開発などの取り組みも、加速させていきたいと考えています。

 また、本年1月に、私たちの価値観を行動様式で表現した「コマツウェイ」の改訂を予定しています。

 コマツウェイは、2006年に明文化され、2019年3月以来、 今回で4回目の改訂となります。コマツの連結社員数は6.5万人を超え、その約7割が海外で我々のビジネスに携わっています。コマツがさらにグローバルに発展し、強い企業として成長するために、文化や習慣の異なる全世界の社員がコマツウェイを理解することが不可欠です。

 「挑戦する」「やり抜く」「共に創る」「誠実に取り組む」 という私たちの価値観をグローバルに共有し、顧客視点による新たな価値創造に向けて、全社員が総力を結集して取り組む姿勢を強調しています。

 本年4月には新たな中期経営計画がスタートします。外部環境の不確実性が高まる中で、さまざまなリスクを想定した備えを着実に実行していきます。また、これまでの活動の成果を活かしつつ、未来の現場の実現に向けたロードマップの歩みをさらに前進させ、コマツがお客さまのパートナーとして選ばれ続けるように、コマツならではの顧客価値を創造する活動に挑戦していきます。

 コマツは今後も、「品質と信頼性の追求」と、「ものづくりと技術の革新」を通じ、新たな価値を創り、人、社会、地球が共に栄える未来を切り拓くことを目指してまいります。

 最後になりましたが、皆さまにとって素晴らしい1年になりますように、心より祈念いたします。

「最前線にすべての企業活動の源泉がある」
■日立建機
執行役社長兼COO 矢崎正文

 あけましておめでとうございます。年頭にあたり、ご挨拶を申し上げます。

 「最前線にすべての企業活動の源泉がある」という信念のもと、私は昨年も建設機械の稼働現場を訪問し、世界中に足を運び、Kenkijinの皆さんをはじめ、お客さまや販売代理店と対話してきました。そして7月に私たちは、あらゆるステークホルダーに革新的なソリューションを提供したい日立建機グループの想いを象徴するニューコンセプト「LANDCROS」を掲げました。私たちの先進的な製品とともに、お客さまに革新的なソリューションを提供し課題を解決するという方向性、そして、社外のパートナーと連携してオープンに進めるスタイルについて、LANDCROSと共に、ステークホルダーの皆さんに賛同いただいていると実感できた事は大きな成果です。

 昨年は日本で元旦に能登半島地震が発生し、今も被災地では復旧・復興に向けた支援が進められています。世界ではロシア・ウクライナ情勢は厳しい局面が続き、イスラエル・パレスチナの問題も緊迫した状態です。また、インドネシアやインド、日本、そしてアメリカ合衆国など多くの国々での選挙、さらに欧米での金利の高止まりなどが、建設機械の需要にも影響を及ぼした一年でした。

 しかし、そのような状況下でも、私たち日立建機は、お客さまに革新的なソリューションを提供する真のソリューションプロバイダーとなるべく、第2の創業期の歩みを着実に進め、中長期的な成長に向けた体制強化に注力してきました。業績の面では、新車需要が減少する中でも、部品・サービス事業などのバリューチェーン事業が事業全体を下支えできており、私たちが推進する中期経営計画が正しい方向に向かっている実感を得ることができつつあります。これは、Kenkijinの皆さんの努力のたまものであり、心より感謝と敬意を表したいと思います。

 さて、2023年4月から始まった中期経営計画「BUILDING THE FUTURE 2025」も折り返し地点を迎えました。4つの経営戦略「顧客に寄り添う革新的ソリューションの提供」「バリューチェーン事業の拡充」「米州事業の拡大」、「人・企業力の強化」を軸に、それぞれのビジネスユニット、地域、コーポレート部門で掲げた施策の進捗を確認し、必要な追加施策を実施していきましょう。

 2025年の年頭にあたり、皆さんには日立建機グループのビジョン「豊かな大地、豊かな街を未来へ 安全で持続可能な社会の実現に貢献します」にもう一度立ち返ってもらいたいと思います。私たちの企業活動はまさにこのビジョンを体現しており、皆さんの日々の活動が安全で持続可能な社会の実現に貢献していることに思いを馳せてください。

 最後になりましたが、世界で活躍する日立建機グループのKenkijinとそのご家族のご健康とご多幸を祈念し、新年の挨拶とさせていただきます。「LANDCROS」を実現するのは皆さん一人ひとりです。一緒に今年2025年を最高の一年にしましょう。
 

日本金型工業会 「第51回金型の日」記念式典を開く

 

あいさつする山中会長

 日本金型工業会(会長=山中雅仁 ヤマナカゴーキン社長)が11月25日、「第51回金型の日」記念式典を開いた。

 2024年6月の総会で第11代会長に就任した山中会長があいさつをした。この中で山中会長は、「今年の記録的な猛暑の影響なのか、全国各地で季節外れの花が開花する現象が見られ、日本の四季に異変が起きている。また政府より2020年代に最低賃金の全国平均を時給1,500円に引き上げる目標が示され、人への積極投資の実現には、生産性向上や高付加価値向上、適正な取引環境の維持など覚悟して取り組まなければならない。さて、本日の金型の日は金型工業の認知度の向上と今後のさらなる発展を期して設立されたものだが、金型産業業界は厳しい環境下にあってもわくわくする魅力ある業種と確信している。産業界においては社会課題を解決できるツールを提供できる存在として金型技術は必要不可欠であり、さらにはAI、IOT、ビッグデータがつくるイノベーションの潮流は、金型産業の成長には追い風になると考えている。これからの技術革新は、金型作りを大きく変える可能性があることは言うに及ばず、今後、金型工業業界が考える社会的使命を果たし魅力ある社会集団であり続けるには、何よりも日本金型工業会の経営者の皆さま、業界の宝である本日のご参加の従業員一人一人の力の結集があってのことだと思っている。」と述べた。

 永年勤続優良従業員表彰式のあと、国家褒章者への記念贈呈が行われた。

祝辞を述べる経済産業省 星野 素形材産業室長

 来賓を代表して経済産業省製造産業局素形材産業室の星野昌志 室長があいさつをした。この中で星野室長は、「政府としてのこの金型の普及、さらなる発展に向けた取り組みもしっかり進めていく。10年ぶりに政府の素形材の国家戦略、経済理論の見直しを行っている。この10年の変化というのは、本当に著しいものがあった、特に私が感じているのはデジタル化である。30年前の私がまだ学生時代はデジタル通信できるのは文字が精いっぱいで1行送るのに何秒もかかっていた。30年が経ち、今や5Gの時代、映像が簡単に送れるようになった。30年で1億倍の通信速度になったそうだ。この変革の時代に、ものづくりのさらなる進化を目指して、皆さま自身、それから後進の育成を進めて、さらなる金型、素形材の発展にお力添えをいただけたら嬉しい。」と声援を送った。

 横田悦二郎 日本金型工業会学術顧問を招き「経済安保の基は金型にあり! ~国民の生命を維持する必需品生産金型は国内自給せよ~」をテーマに基調講演が行われた。

 場所を移して懇親会が開かれ、宴もたけなわのころ散会した。

 

天田財団 2024年度(令和6年度)助成式典を開く

あいさつする伊藤代表理事理事長

 去る11月30日、天田財団(代表理事理事長=伊藤克英氏)が「2024年度(令和6年度)天田財団助成式典」をAMADA FORAM(神奈川県伊勢原市)で開催した。

 伊藤理事長はあいさつのなかで、「金属加工というものづくりを通じて、継続して世界の人々の豊かな未来を実現することが、アマダグループの責任と考えている。その思いから、天田財団は、金属加工に関する研究・開発への助成により、産業・経済の発展に寄与することを目的として、1987年企業財団として設立され、今年で37年目を迎える。本年度の助成は108件、総額2億9,211万円となった。設立から1,200名を超える研究者の皆さまへ助成させていただき、累計助成金額はついに40億円を超え、42億8,018万円、累計助成件数は2,342件となった。」と説明したあと、「資源のないわが国にとって、私はいつの時代も科学技術のイノベーションこそが、課題を解決して次の時代を切り開く原動力ではないかと考えている。昨年、自然科学分野における日本の地盤沈下ということが顕著だとの指摘もあり、大学院の博士号取得者が減少傾向にあるとも言われている。文部科学省によると、大学院博士課程の入学者数は2023年度に1万5,014人となり、ピークだった03年から2割、特に修士から博士に進学した学生は4割減ったそうだ。日本の博士号の取得者数は21年度に126人で、イギリスの342名、ドイツの338名、韓国の317名と比べ、4割以下に沈んでいる。天田財団が目指しているには、1つに若手研究者を育成することであり、2つ目は研究成果を産業界へ普及啓発し、社会実装につなげることである。公益事業の使命は、より多くの人々の利益に資することである。日本が持続的に発展し、これからも世界で主導的な役割を果たすためには、絶えず科学技術のイノベーションを起こすことが必要になる。 私が現役時代から常に発信していた言葉があります。2番じゃ駄目なんです。2番を目指しちゃ駄目なんです。常に1番を目指してください。天田財団は常に1番を目標にする研究者に助成を行いたいと思っている。」と声援を送った。

祝辞を述べるアマダ 山梨社長

 続いてアマダの山梨貴昭社長が祝辞を述べた。この中で山梨社長は、「私たちを取り巻く環境は、環境問題に対して技術力でいかに解決していくか、不足する人手をDX、AIなどでどこまで補えるかなど、世界のものづくりの環境は大きく変動し、世界中でさまざまな社会課題やニーズに対して解決策を模索する技術競争が起きていると考える。われわれ、社会で最も身近にある自動車のEV化、DX、AIに欠かせない半導体などは、最たる例だが、その地域を占めていたEVは、一服感があり、ハイブリッド技術が再び着目を浴び、再生燃料や水素の利用も研究が進んでいる。半導体はより高性能で、製造もより効率を追求するために、さまざまな技術が模索され、どのような技術がブレークスルーとして効果を発揮するか、どの国の技術がイニシアチブを取るか、まさに国家、産業、研究機関が関わるグローバルコンペティションが起きている。その一方で、技術を追求する中でも、環境への配慮、労働不足を補う自動化技術やDX、AIをフルに活用することも考慮に入れなければならない。しかし、こういう技術だけでは社会課題を解決するには不十分です。われわれものづくりに携わる関係者が必要としているのは、さまざまな課題を解決するブレークスルーを起こす圧倒的な技術である。これにより、より良い技術で自然環境と共生をしながら、持続可能的な社会活動を構築することへ貢献することが、われわれものづくり企業やさまざまな研究開発に携わる方の使命であり、目的とするところではないか。」と祝辞を述べた。

 続いて文部科学省 産学連携・地域振興課 産業連携推進室の迫田健吉 室長から祝辞が述べられたあと、「イノベーションの現状と今後について」をテーマに講演が行われた。

 招待講演会として、渡邊一弘 創価大学名誉教授 天田財団評議員が総評を述べ、贈呈式が行われたあと、久保木 孝 電気通信大学 機械知能システム学専攻 教授、寺川 光洋 慶應義塾大学 理工学部 教授がそれぞれ講演した。

 場所を移して交流会が開かれ、宴もたけなわのころ散会した。
 

日本工作機械販売協会 東部地区が忘年懇親会

 

あいさつをする髙田会長

去る12月10日、日本工作機械販売協会 東部地区(会長=髙田研至 井高社長、東部地区委員長=豊田直樹 兼松KGK取締役)が、KKRホテル東京(東京都千代田区大手町)で忘年懇親会を開いた。第一部の講演会では講師に元吉本興業専務取締役の竹中 功氏を招き、「よしもと式ビジネスの見つけ方、育て方」をテーマに講演会が開かれた。

 第二部の懇親会で、あいさつに立った髙田会長は日頃の感謝の意を表したあと、「時代の流れをしっかり掴み、スピード感をもって対応していきたい。11月はJIMTOFが開催され、非常に活況だった。多くのお客様にご来場頂き、技術的な革新、また工程集約、複合加工機など豊富な展示がなされ、皆様興味深くご覧になられたようだ。日本の製造業は世界の中でも遅れているように感じているが。JIMTOFを契機に改めて日本の製造業を様々な方向に導いていくことが必要ではないかと感じている。」と述べた。

豊田東部地区委員長

 乾杯の発声は豊田東部地区委員長が行った。この中で、豊田東部地区委員長は、「わたしが東部地区委員長に就いてから3年が経過した。その前はコロナ禍で活動ができなかった時期もあったが、会員、賛助会員の皆様のご支援の賜で2年前から活動ができるようになった。日工販にかかわる皆様にとって様々な情報交換や勉強会などを実行させていただいている。2025年2月には工場見学会も企画しているので、盛り上げていきたい。」とあいさつをした。

 参会者は懇親を深め、宴もたけなわのころ散会した。
 

芝浦機械 米国スタートアップ企業AM Batteries Inc. へ出資

 芝浦機械(社長=坂元繁友氏)がこのほど、低コスト・低環境負荷を特徴とする新たな 電極製造プロセスの開発を手掛ける 米国スタートアップ 企業 AM Batteries Inc. (以下 AMB )への出資を行ったと発表した。 同社では、スマートフォンやノートPCなど小型の民生品向けから、 PHEV(プラグインハイブリッド車)・BEV(電気自動車)などの車載用向け、住宅用電源装置や基地局向けの大型電源装置向けなど、リチウムイオン電池市場は今後も様々な分野 において、世界規模で拡大していくことが見込まれることから、市場の拡大を背景に、電池の製造設備についても活発な投資が続くと見られるなか、製造工程におけるコストやエネルギー消費量の削減、有機溶剤の使用や CO2排出などの 環境負荷の 低 減 に対する要請も高まりつつあることを見込んでいる。 一方、AMBは、静電スプレー方式を用いた独自の粉体塗装技術により、有機溶剤を使用せずに電極を製造する事が可能な「ドライ電極製法」の開発に取り組む米国のスタートアップ企業であり、2024年には米国TIME誌のAmerica's Top Greentech Companies 2024やThe Best Inventions of 2024にも選ばれるなど注目を集めている。「ドライ電極製法」は、従来の湿式による製法と比較して、製造工程の簡略化やCO2排出量の削減に繋がるだけでなく、電池そのもののコストダウンに貢献することが可能となる。同社はこれまでも、リチウムイオン電池向けセパレータフィルム製造装置の製造・販売を通じ、国内外の電池製造装置市場において重要な役割を果たしてきたが、将来需要が拡大すると想定されるドライ電極市場への参入や、更にその技術を活用した全固体電池への展開も見据え、今回の出資を決定した。 AMBのLie Shi CEOは、「ドライ電極技術のリーダーとして、AM Batteries Inc.は電池製造方法の変革に取り組んでいる。芝浦機械による出資と両社の協業は貴重な専門知識とリソースをもたらし、当社の規模拡大と世界中の電池メーカーに向けたターンキー・ソリューションの提供を加速することでしょう。私たちは共に、蓄電池産業における新たなスタンダードの確立を目指していく。」とコメントしている。 

ヤマザキマザック 加工能力を強化し複雑な多面形状部品の高効率加工を実現する複合加工機「INTEGREX j-200 NEO」シリーズを新たに開発


 

 ヤマザキマザックは、このほど加工能力を強化し、複雑な多面形状部品の高効率加工を実現した複合加工機「INTEGREX j-200 NEO」シリーズを開発、販売を開始した。

 同社は複合加工機のエントリーモデルとして2010 年に「INTEGREX j-200」を発表、長年に渡り多くの顧客より高い評価を博しているが、今回開発した「INTEGREX j-200 NEO」(テールストック仕様)と「INTEGREX j-200S NEO」(第二主軸仕様)は、従来機から各仕様を強化することで、生産性や複雑な多面形状の加工ワークへの対応力を向上させた高能率な複合加工機だ。

 INTEGREX j-200 NEO シリーズは、旋削主軸の出力・トルクを向上させたことにより、高い生産性を実現している。また、標準仕様よりもさらに性能を強化したハイパフォーマンス仕様では、従来機から大幅に出力・トルクを向上させつつ、全長を短縮したコンパクトミル主軸を採用している。標準仕様・ハイパフォーマンス仕様とも、ミル主軸のB 軸割出し範囲を従来機よりも拡大、さらに割出し角度も標準仕様で1°単位、ハイパフォーマンス仕様では0.0001°単位で可能としている。外径・端面・斜め加工など多面加工により、さまざまな形状の加工ワークに対応することがでる。

 環境性能では、CNC装置に搭載された「エナジーセーバー」により、機械稼働中の消費電力を見える化する。また、省エネ機器を採用したことで消費電力の削減にも貢献する。

INTEGREX j-200 NEO の特長
 

(1)旋削主軸、ミル主軸の能力向上による高生産性
<標準仕様>
 旋削主軸の出力・トルクが向上し、優れた加工能力を発揮する。

<ハイパフォーマンス仕様>
 旋削主軸は標準仕様を上回る出力・トルクを備え、ミル主軸も性能を強化した。加工時間を短縮し、高い生産性を実現する。

旋削主軸、ミル主軸の比較

(2)B軸割出し範囲の拡大と、最小割出し角度の仕様アップにより多面加工へ対応
 B軸の割出し範囲を従来機より拡大、最小割出し角度も標準仕様のミル主軸で1°単位と
従来機より向上している。ハイパフォーマンス仕様では全長を短縮したコンパクトなミル主軸を採用し、さらに0.0001°単位の高精度割出しが可能としており、複雑な多面形状の部品加工に対しての対応力を向上させている。

B軸割出し範囲と最小割出し角度の仕様比較

(3)環境性能
・稼働中の消費電力を見える化する「エナジーセーバー」
 機械稼働中の消費電力をCNC 装置のモニター上にグラフィカルに表示する。
・省エネ機器採用による消費電力の削減
 インバータ式油圧ユニットやチラーユニット(冷却装置)の採用により、消費電力を削減する。
 

日本初のブザンソン天文台のクロノメーター取得機「TAKANOシャトーヌーベル・クロノメーター」スイスの国際時計博物館(MIH)に収蔵

 

 東京時計精密(社長=浅岡 肇氏)が手掛ける日本初のブザンソン天文台のクロノメーター取得機「TAKANOシャトーヌーベル・クロノメーター」(ホワイト文字盤)が、このほどスイスの国際時計博物館(MIH)に収蔵される。この時計は新生新生TAKANOの1stモデルであり、日本で初めてブザンソン天文台の厳格なクロノメーター検定に合格した時計。

 シャトーヌーベル・クロノメーターは世界的にも有名な独立時計師の浅岡氏のデザインと、ザラツ研磨を両立していることが特長だ。ムーブメントは東京時計精密にて調整を施し、ブザンソン天文台のクロノメーターを取得している。文字盤には21世紀の国産時計としては初めてとなるChronometerの表記が刻まれている。

 ディテールにおいて、針は浅岡氏のマニュファクチュールウォッチにも見られるスカイスクレーパー針を採用。針先のカーブは、ボンベ文字盤および風防のカーブと呼応している。またケースはザラツ研磨を施している。「近年ではケースにおけるザラツ研磨は鏡面仕上げの面とサテン仕上げの面を組み合わせることが多いが、本作は鏡面仕上げの面同士を組み合わせている。」と同社。

 ブザンソン天文台のクロノメーターの検定は、ムーブメント単体を対象にしたスイスの天文台における検定と異なり、ケーシングした状態で行われるため基準がより厳格である。シャトーヌーベル・クロノメーターはブザンソン天文台のクロノメーター検定に合格した時計をクロノメーター証書とともに販売している。

〈スペック〉
・ケース径:37mm
・ステンレススチールケース(ザラツ研磨)
・クロコダイルストラップ
・自動巻 90T(24石、毎時28,800振動、パワーリザーブ約40時間)
・ブザンソン天文台クロノメーター証書付属

■国際時計博物館(MIH)について
 国際時計博物館(MIH)は5000点の収蔵品を有する世界最大の時計博物館。ラ・ショー=ド=フォンにある現在の建物は、チューリッヒの建築家ピエール・ゾエリーと地元の建築家ジョージ・J・ヘーフェリの共同作業によるもの。1974年に完成したこの半地下の建物は、時計製造の伝統を安全に収容しながら、博物館の公園とシームレスに融合するように設計された。コンクリートとレンガを組み合わせた建築は、ブルータリズムとテラテクチャーを融合し、訪問者にユニークな洞窟体験を提供する。MIHは建築の質の高さで国際的に認められ、1977年にベトン賞、1978年にサンビューロー賞を受賞し、1978年にはヨーロッパの博物館に選ばれている。
 
 

日本機械工具工業会 2024年11月分 会員統計生産額まとまる 

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2024年11月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。■生産額 切削工具 365.5億円(101%)、耐摩耗工具 31.2億円(93%)、総合計 404.8億円(101%)。■ドリル生産額 特殊鋼工具 11億円(75%)、超硬工具 37.2億円(100%)、ダイヤ・CBN 1.1億円(107%)、総合計 49.3億円(93%)。■エンドミル生産額 特殊鋼工具 4.7億円(121%)、超硬工具 39.8億円(110%)、ダイヤ・CBN 1.5億円(98%)、総合計 46億円(111%)。■カッタ生産額 特殊鋼工具 1.3億円(180%)、超硬工具 5.3億円(97%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(84%)、総合計 7.1億円(105%)。■ギヤカッタ生産額 総合計 5.6億円(83%)。■ブローチ生産額 総合計 7.9億円(110%)。■ねじ加工工具生産額 特殊鋼工具 30.2億円(87%)、超硬工具 3.6億円(115%)、総合計 33.8億円(89%)。■バイト生産額 特殊鋼工具 0.1億円(101%)、超硬工具 8.3億円(92%)、総合計 8.4億円(92%)。■リーマ生産額 特殊鋼工具 1.2億円(97%)、超硬工具 2.2億円(106%)、総合計 3.4億円(103%)。■鋸刃カッタ生産額 特殊鋼工具 1.2億円(95%)、超硬工具 0.5億円(96%)、総合計 1.7億円(95%)。■インサート生産額 超硬工具 150億円(106%)、ダイヤ・CBN 21.4億円(98%)、総合計 171.4億円(104%)。■ボディ関係生産額 総合計 17億円(103%)。■超硬合金生産額 切削用 128.2億円(108%)、耐摩耐触用 14.5億円(96%)、総合計 144.6億円(107%)。  

三菱マテリアル 岐阜製作所のココが凄い! 製造工程を徹底取材!

 

 三菱マテリアル岐阜製作所(岐阜県安八郡神戸町)は、大垣市の北約8キロに位置し、豊かな自然に囲まれた環境の中にある。同社は、世界最高水準の技術を駆使し、材料と工具形状の開発・製造を行い、クルマや飛行機、現代文明を支える金属材料をはじめとした多種多様な加工に用いられる超硬工具、金物工具を製造している。


三菱マテリアルの強み

超硬合金丸棒素材の粉末プレス成形

 

 岐阜製作所の主力製品はドリル。中径から小径の穴をあけるソリッドドリル、ろう付けドリルと比較的大きな穴をあける刃先交換式ドリルと、大きく分けて3種類がある。旋削加工用の超高圧工具には、CBN製品とPCDの2種類があり、また標準形状の金物工具も製造している。なお、特殊形状の金物工具についてはエムエムシーツーリング社をはじめとした協力工場で製造している。

 製品別の販売比率だが、ドリル40%、標準形状の金物工具25%、超高圧工具20%、その他特殊形状の工具、インサートが15%であり、岐阜製作所は様々な製品を製造しているのが特長だ。

 三菱マテリアルは、独自に開発した技術を用いて、超微粒で均一な粉末原料を製造・使用することにより、高品質な超硬切削工具を製造している。その素材となる原料は、100%子会社である日本新金属から購入しているため、製品開発時に原料の段階から開発ができるという強みがある。

 独自の配合技術によって製造された粉末原料を、粉末プレス機にセットされた金型内に自動充填し、丸棒素材およびインサート素材が成型される。素材のプレス、パレットへの整列、搬送は、自動化が進んでおり、この段階では、チョーク程度の硬さしかない成型体を丁寧に運搬するために、各設備の構造やモーターの制御方法に工夫を施している。

 ドリル素材の製造には、粘性を持たせた原料をシリンダーに充填し押し出す、押し出しプレスという手法が用いられる。プレスの際に特殊な金型を使用することにより、ドリル素材を押し出しプレスするのと同時に、クーラントホールを形成することが可能だ。押し出しプレスをしたドリル素材は、低温で予備焼結をした後、切断加工が施される。また直径10ミリを超える径の大きいドリルの場合には、先端加工を経て、溝加工が施され、成形されたドリル素材は画像検査機にて、穴径、穴ピッチ、芯ずれを、全数、CCDカメラにて計測し、合否判定をする。プレス成型された丸棒素材、インサート素材、成形されたドリル素材は、高温の真空あるいは加圧雰囲気で焼結する。

岐阜製作所の主力製品であるドリルの生産と現場力

PVDコーティング用にセットされたドリル

 

 岐阜製作所の主力製品であるドリルは、大きく分類して、①ソリッドドリル、②ろう付けドリル、③刃先交換型ドリルの3種類がある。素材製造工程より受け入れた素材は、外周研磨が行われ、シャンク部はこの工程で仕上げられる。円筒研削が終了した素材は、溝加工、刃付け加工が同じ機械で一度に行われ、ドリル形状へと仕上げられる。一部のノンコート品を除き、大半のドリルはコーティング工程へと進み、PVDやCVDダイヤといった、製品表面に硬い膜を付けることにより、ドリルの寿命を飛躍的に向上する。

 超高圧工具は、CBNインサートとPCDインサートの2種類がある。まず初めにCBNブランクが高圧プレス機でプレスされ、プレスされたCBNブランクはレーザーカット等で切断される。切断されたCBNブランクは、座ぐり加工された超硬の台座にろう付けされ、ろう付けが完了したインサートは、上下面の研磨工程を経て、外周の研磨が施される。外周研磨されたインサートは、刃先の欠けを防止するため、チャンファーホーニングと丸ホーニングが施される。ホーニングが終わったインサートは、一部のノンコート品を除いてコーティングが施されることにより、製品寿命が飛躍的に向上する。

 また、同社では、環境や品質への取り組みも徹底しており、使用済みの超硬工具のリサイクルを推進している。顧客から回収した超硬工具を、グループである日本新金属の専用プラントでリサイクル処理、リサイクル前後の品質は全く変わらないため、循環利用が可能なのだ。

緻密な超硬合金を高温で仕上げる焼結炉

焼結炉の操炉


 

焼結トレーに配置された超硬素材

 工場内で拝見したもののひとつに、作業の自動化と高性能技術を可能とする〝独自の押し出しプレス技術〟があった。具体的には原料の自動投入、ワークの自動切断、ワークの自動搬出を行う設備であるのに加え、同社の最大の強みである〝粉から作る〟ことができるので、その粉と最適化された配合組成で粘土状の原料を自前で用意できる優位性により、様々な形状のクーラントホールを付与する技術を保有している。なお、クーラントホールが付いている素材は、コンマ0.5φのものにらせん状のクーラントホールを成形することもできるのだが、0.5φはシャープペンのペン先ほど。

 クーラントホールのない丸棒素材を押す機械プレスも拝見。ワンショットで複数個の丸棒素材を同時に成形することができるので、生産性を意識したプレス機になっていた。プレス材を整列機と呼ばれる設備があり、機械が自動でピックアップし、次工程の焼結の専用トレーに自動で並べている。

 緻密な超硬合金を高圧で仕上げる焼結炉も拝見した。同社では様々な素材をつくるので豊富なバリエーションの素材を焼結炉で焼結している。超硬合金は焼き固めるには約1400℃以上の高温で焼き固めることになるが、ポイントは緻密な合金をつくるために大気圧の数倍の圧力をかけて一気に焼結することで、緻密な超硬合金の丸棒素材を効率良く生産できる。

ドリル自動化ライン

ドリル自動化ラインはロボットセル付きCNC段加工機が活躍!

 

 同社では小径ドリルは、付け刃の外径が3ミリを境目に、それより小さいものを小径、それより大きいものを通常径としている。小径ドリルのラインには、室温を25℃に1年中キープしていた。加工機がずらりとならんでいるが、この加工機で外径が0.5ミリの穴を加工することになるのでクーラントまで屋外に大型のタンクを設置し、こちらでも空調をかけ、室温とともに一定した状態で加工しているという徹底ぶりだ。

 現在アップデートをするため改修中の自動化の取り組みについて説明を受けたところ、段加工と溝刃付けの自動化を設定しているという。また、ホーニングやマーキングの取り組みなど、これら全てが自動化すれば一貫ラインとして加工できる状況になる。


お客様の困りごとを解決する目的の中部テクニカルセンター

 岐阜製作所にある中部テクニカルセンターは、顧客による加工の困りごとを解決するため、工具の評価をする部署である。例えば、加工の嫌われものである金属を削った際に発生するビヨーンと伸びた切りくずは、機械に絡まり、工具にもダメージを与えることから、どんな工具が適しているのか、切削条件、加工条件を変えて顧客のニーズに合致した条件を提案する場所でもあるのだ。

 顧客も様々な機械を持っていることから、豊富な機械を所有しており、岐阜製作所では15台の機械があった。マシニングセンターや旋盤、複雑な動きができる5軸加工機などがズラリと並んでいる。ここで顧客が保有しているものに近い機械を選んで、切削試験を実施しているのだ。小さな機械もあれば大きな機械もある。

 小さな機械は小さな部品を加工するターゲットとして導入してる機械だという。大きな機械は大きなワーク、重切削、力強い加工をするための機械である。これらの機械を使って、工具がどこまで耐えられるかという試験をする施設なのだ。また、切削試験や加工評価だけでなく、講習会も実施しており、徹底的に「顧客に寄り添う」ことをモットーに加工を追求し、今日に至っている。

 同社では、技術開発に軸足を置いた経営で、付加価値の高い商品開発に注力し。社会の発展に貢献するとしている。
 

アマダ DXの推進と次世代の人材育成の強化に向けた社員教育施設「アマダ・テクニカルエデュケーションセンター(ATEC)」を開設

 

  アマダ(社長:山梨貴昭氏 本社:神奈川県伊勢原市)の本社内に新たな社員教育施設「アマダ・テクニカルエデュケーションセンター(ATEC)」を開設し、11月21日に披露および「ビジネスモデルの進化に伴う販売・サービスのDX推進と次世代の人材育成の強化」をテーマに発表会を開いた。

ATEC設立の3つのキーワード

あいさつする山梨社長

 山梨社長は、あいさつの中で、「DXの推進と次世代の人材育成を一層強化することで時代に即したビジネスモデルの構築を図っていく。その取り組みのひとつとしてATECを開設した。ATECはお客様向上の未来を支える次世代エンジニアの教育の場をコンセプトとし、国内外のお客様の製造現場に貢献できる人材の育成を目指していく。」と開設の目的を説明した。

 同社ではアマダグローバルイノベーションセンター(AGIC)のイノベーションラボで顧客との競争による未来の加工技術の推進や、製造においてDXを活用したグローバル生産体制の構築などビジネスモデルを進化させているが、今回は販売とサービスにおける新たな取り組みについて発表の場を設けた。

 山梨社長は、「世界規模の労働者不足や技能継承の問題に対して製造業では自動化への対応が急務となっている。私たちがお客様に社会課題についてアンケートをとった結果、特に課題となっているのは人材であり、なかでも若手を中心とした中堅リーダー、工場長や現場責任者といった管理職クラスの不足感を多く感じていることが分かった。」と説明し、「中堅リーダーや管理職の生産技術、業務に対する工数の不足、スキルの不足などにより、お客さまの経営自体が強い危機感を持たれている。それによってお客さまの会社の効率の改善、QCDの改善や作業方法の見直しが行われず効率が低下をする、さらにはお客さま自身が成長、継承を考えられているなか、マシンソリューションっていうのは日進月歩で進化している。」と述べた。

 今回のATECの設立には具体的に3つのキーワードが示された。

 (1)顧客の課題の解決スピードの加速。現在の直販・直サービスの体制をデータに基づくデジタル営業に進化させ、営業とサービスの現場効率をさらに強化する。

 (2)お客さまの生産をサポートするアフターサービスの拡充。顧客の工場を熟知したアマダのフィールドエンジニアが生産技術までも支援、DXを推進し、現場効率の最大化を目指す。

 (3)上記の2つを実現するための、アマダ全社員、エンジニアリング力を強化する。ATECで、国内外のお客さまの製造現場に貢献できる人材を育成するとともにグローバル全社員のエンジニア化を推進し、顧客の課題について早期解決と、満足度のさらなる向上を目指す。

DXを活用した販売とサービス

意気込みを示す田所専務

 田所雅彦専務取締役からDXを活用した販売とサービスの説明があった。それによると、「製造側のDXとAPEX(アマダ・プロダクション・エンバイロメント・トランスフォーメーション)と合わせて直販・直サービスの要望に対応するADMS(アマダ・DXマネジメント・ソリューションズ)を構築した。」と発表があった。これによりアマダグループでは全社フローバルでデジタトランスフォーメーションによる企業の構造改革を進めて100企業を目指すとしている。また、人材不足により足りない工数を補うため、「従来型のビジネスプロセスを見直すとともに、課題の全てをデジタルテクノロジーで動かしていくとともに従来にはなかった現場を支援する新たな機能を実装することで案件獲得の自動化や商談リードタイムの短縮を実現していく。個人のスキルを強みとしていた従来のビジネスモデルをデジタルテクノロジーによって変革し、時代の変化にも柔軟に対応できる組織営業を構築していく。」と意気込みを示した。

課題を想定し先手を打ったATECによるビジネスの創造

人材育成の必要性を話す福田上席執行役員

  同社では、グローバルで100カ国33の現地法人の中に約40万台が納入されている。それらのサポートをしているサービスエンジニアは約1700名。この全員がメーカー直のサービスを行っている。なお、2018年からIoTを使い、8000台のマシンが現在つながっており、このスマートファクトリーのことを、同社では〝V-factory〟とブランド名を付け、いち早くIoTサポートを実施している。

 エンジニアリングサービス本部の福田政樹 上席執行役員は、「マシンからの問い合わせは1日平均300件、月9,000件ある。IoTサポートが対応しているが、うち80%は自動応答システムの中で、お客さまへチャットで返信されている。さらに毎月自動で生成される稼働レポートを送り、マシンの稼働を支えるシステムになっている。お客さまを支えるDXの準備は整いました。次はそれを支えるサービスエンジニアの進化です。大手企業には、現場のリーダーとなる生産技術者が存在しているが、中小企業にはいないことが多く、社長自らが行っている場合も多い。これらの課題を解決するために、アマダのサービスを、お客さまの生産技術を支援できる人材へ進化させていく。」と人材育成の必要性を述べた。

ATECで学ぶ

 

 さて、披露された新施設のATECは、1階に実習場があり、ブランクエリアがあった。自動化が最も進んでいるブランクの自動機は多機能で高度化されたシステムになっており、研修が進につれて理解が深まり、最終的にはIoTを活用したリモート操作でトラブルシュートを習得するという。

 ベンディングエリアでは、ベンディングが市場に納入台数が最も多いマシンであり、正確な保守を行うため、各年代のNC、ドライブ機構も搭載したマシンを設置していた。それだけでなく、実際に顧客から借りたノウハウの塊である〝帳票類〟もあった。この内容を理解することで。顧客とものづくりについて本質的な話ができるようになる。

 汎用マシンエリアでは、市場に多い12機種を設置していた。人手のかかる作業のため、改善箇所も多くあり、「ビジネスにつながるアイデアの宝庫」として位置付け、顧客のアイデアとともにより良い労働環境を構築していくのが狙い。