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天田財団 2020年度後期国際交流・技能検定受検手数料助成先を決定
天田財団(理事長:末岡愼弘氏)は、公益事業として、金属等の塑性を利用した加工および高密度エネルギー(レーザ等)下での諸特性を利用した、①加工に必要な技術に関する国際交流に対する助成、ならびに、②加工に従事する者の技能と地位の向上を目的とした資格取得に対する助成を行っているが、このほど2020年度後期の助成先を決定したと発表した。
国際交流助成
助成先総数は2 件、助成金総額は173万円となった。2020年度後期は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により国際会議への参加および国際会議の開催の多くが延期または中止となり、申請数が激減した。
2020年度前期に採択した研究開発・国際交流助成を含めると、2020年度の助成先総数は90件、助成金総額は2億4,602万円となった。1978年の設立以来、33年間で累計助成先件数は1,919件、累計助成金は32億762万円となった。
資格取得助成(技能検定受検手数料助成)
助成対象の資格として、職業能力開発促進法施行令で指定され都道府県職業能力開発協会が実施する国家検定「工場板金」の技能検定受検手数料に助成を行った。助成先人数は366 名(115 団体:364 名、個人:2 名)、助成金総額は541万円となった。2020年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、前期技能検定が全国で中止となった。また、後期技能検定も一部の都道府県で中止となり受検者が減少した。
なお、技能検定受検手数料助成は2019年後期より開始した。累計助成者数は794名、累計助成金額は1,249万円となった。
2021年度第13回レーザー学会産業賞 貢献賞を受賞 天田財団
天田財団(理事長=末岡愼弘氏)は、このほどレーザー学会が主催する「2021年度第13 回レーザー学会産業賞」において、貢献賞を受賞した。
産業賞は、レーザーに関する製品・技術の開発、実用化、普及などにおいて、国内のレーザー関連産業の発展に貢献しうる優秀なものに授与される。なかでも、貢献賞は優れた基礎的技術を有するもの、あるいは累積的貢献に対して贈られる。
今回の受賞は、社会実装に主軸を置いたレーザープロセッシング分野への研究助成、およびレーザー加工に関する若手研究者への支援などを通じた継続的な貢献が高く評価されたもの。
天田財団は、1987年の設立以来、2020年度までに累計で1,925件、32億762万円の助成を行っており、そのうちレーザープロセッシング分野への助成については2007年より開始し、その累計は425件、8億7,905万円となった。
同社では、今後も、時代のニーズに合わせてレーザープロセッシング分野における技術の向上を支援し、広く産業界および経済の発展に寄与していくとしている。
コマツ 「KOM-MICS」をクオリカより一般販売開始
コマツは、このほど、生産現場で培った技術とノウハウを活かした生産プロセスにおける課題解決と生産性向上を実現する「KOM-MICS」を2021年4月よりクオリカを通じて販売を開始したと発表した。
コマツは、中期経営計画「DANTOTSU Value – FORWARD Together for Sustainable Growth」において気候変動に対応した環境負荷低減の取り組みや、安全に配慮した高品質・高能率な商品・サービス・ソリューション提供に取り組んでおり、日本の製造業の発展、特に中小企業の生産現場のDX化促進に寄与することを目的として、「KOM-MICS」を他企業にも販売し、クオリカを通して提供していく。
「KOM-MICS」 は、工作機械やロボットから稼働データおよび加工データなどの各種データを収集し、それを分析することで、工場の稼働状況の可視化や最適化に向けた施策立案を支援するプラットフォーム。前中期経営計画よりコマツは「つながる工場」活動を推進し、その一環として生産ラインを見える化・改善する「KOM-MICS」を自社開発した。当プラットフォームは国内外のコマツグループ生産工場および協力企業に展開され、これまでに機械加工機約1,000台、溶接ロボット約500台に接続され、サプライチェーン全体の生産性を飛躍的に向上させている。さらに、顧客が使用している様々なメーカーの既存の工作機械やロボットに対しても安価かつ容易に後付けが可能であり、ICTに関する特別なリテラシーが要求されないことから、様々な生産現場への適用が期待できる。
日立建機日本 建設機械の本格生産開始から70周年記念企画でギネス世界記録™を達成
日立建機の連結子会社で、国内の建設機械の販売や部品・サービス事業などを担う日立建機日本は、2020年度に建設機械の本格生産から70周年を迎えたことを記念して、折り紙の油圧ショベルによるモザイクアートを制作した。このモザイクアートは、「折り紙で作ったショベルカーの最多展示数/Largest Display of Origami Excavators」(5,204個)として、3月10日にギネス世界記録™の認定を受けた。
今回のギネス世界記録™への挑戦にあたり、日立建機日本の全従業員(246拠点、約3,000人)に呼びかけを行い、コーポレートカラーのタキシーイエローをイメージしたオレンジ色のほか白、黒、青、緑など10色の折り紙で約5,800個の油圧ショベルを制作した。それらを日立建機日本の本社(埼玉県草加市)にて1つ1つ丁寧に特製パネル(縦2,940mm×横8,260mm)に貼り付け、1枚のモザイクアートを完成させた。
3月10日にギネス世界記録™の公式認定員による厳格な審査を経て、5,204個が認定された。完成したパネルは、日立建機日本の本社のエントランスに、2022年3月まで展示する予定。
2021年3月分工作機械受注総額は1278.8億円 日工会
日本工作機械工業会がこのほどまとめた2021年3月分の受注実績は以下の通り。
2021年3月分工作機械受注総額は、1278.8億円(前月比+21.1% 前年同月比+65.1%)となった。受注総額は、2019年3月(1306.6億円)以来、24カ月ぶりの1,200億円超。年度末効果もあり、内外需とも前月から2カ月連続増加し、回復が継続。
内需は404.9億円(前月比+32.9% 前年同月比+18.2%)で、18カ月ぶりの400億円超。前年同月比は28カ月ぶりの増加で、幅広い業種で動きが見られ、全11業種中9業種で前月比増。
外需は873.9億円(前月比+16.3% 前年同月比+102.3%)で、29カ月ぶりの800億円超。主要3極全てで前月比、前年同月比とも増加し、好調な中国以外でもコロナ禍以前の水準に戻りつつある。
全地域的に回復が進みつつあり、今後のさらなる回復に期待する一方、感染拡大状況について引き続き注視。
3月分内需
404.9億円(前月比+32.9% 前年同月比+18.2%)。
・2019年9月(460.7億円)以来、18カ月ぶりの400億円超。
・前月比2カ月ぶり増加、前年同月比28カ月ぶり増加。
・年度末効果もあり、幅広い業種で動きが見られ、2019年半ば頃の水準に回復。
(出所:日本工作機械工業会)
3月分外需
873.9億円(前月比+16.3% 前年同月比+102.3%)
・2018年10月(819.3億円)以来、29カ月ぶりの800億円超。
・前月比2カ月連続増加、前年同月比5カ月連続増加。
・アジアがさらに伸長、欧米も2019年央の水準まで増加し、前年同月比は2倍の増加。
(出所:日本工作機械工業会)
三井精機工業 ユーザー向けの工場見学会を開催
三井精機工業(社長=加藤欣一氏)が、3月17日(水)~19日(金)までの3日間、工作機械ユーザー向けの工場見学会を本社工場内精機棟Eラインで開催した。今回は、来場者会場内・出入り口付近に消毒液を設置したうえ、来場者全員に体温検査を実施するなど万全なコロナウイルス感染対策を実施した中での開催となった。加藤社長にお話を伺うとともに、工場見学会をレポートする。
カーボン・ニュートラルの普及による新技術開発に期待
コロナ禍の影響で、約1年ぶりにリアル展示会となった今回の工場見学会は、従来のプライベート展示会とは違い、開会式、セミナー、コンプレッサ工場の見学、協賛メーカーの展示、軽食の提供などの実施はなく、来場者も密を避けるために人数を制限したうえでの開催となったが、その分、じっくりとマシンを見学することができた。
今回展示されていたのは、プレシジョン・プロファイル・センタ『PJ812』、ジグ研削盤『J350G』、横形マシニングセンタ『HU80EX』、5軸立形マシニングセンタ『Vertex55XⅢ』、『Vertex100X』、5軸横形マシニングセンタ『HU80A-5X』、『HU100-TS』、ねじ研削盤『GSH200A』など。そして注目の新製品は、プレシジョンセンタ『PJ303X』と大型ジグ研削盤『J750G』の2機種。
加藤社長は、「昨年は行動が制限されましたが、機械を実際に見て頂きたかった。」と話す。1人の営業担当者がこの見学会で対応するのは1日に2組ほどとのこと。本気で同社のマシンに惚れ込んでいる来場者が見学している様子を感じた。
航空機産業にも貢献している同社では、コロナ禍による影響は大きかったようだが、加藤社長は、「今後はワクチンが行き届いてくれるので、人の往来が出てくるはずです。米国では新型コロナワクチン接種を加速させると発表し、5月末までに成人分のワクチンを確保するとしています。欧州もワクチンの生産を拡大する方針なので、ヨーロッパとアメリカが自由に行き来できれば、航空機産業の需要は出てくるでしょう。現在、航空機産業の回復の遅れが懸念されていますが、実際にはもう少し回復が早いだろうという印象です。」と率直な感想を述べてくれた。さらに明るい材料としては、「現在、カーボン・ニュートラルの普及に向け、様々な取り組みがなされています。航空機はエンジン開発が加速すると思うので試作に動きが出ると見ています。なぜならエアラインは損益の中で燃料費の存在が大きいこともあり、省エネの飛行機は今後の需要が期待されます。企業の根本的な利益創出の面にも貢献できると見込んでいます。」との認識を示した。
注目機種は2機種! プレシジョンセンタ『PJ303X』と大型ジグ研削盤『J750G』
目玉のひとつであるプレシジョンセンター『PJ303X』の主な特長は最新の主軸熱変位補正機能を標準装備していること。特殊熱変位キャンセル機構による主軸・ヘッドの熱変位の大幅な抑制もでき、左右対称門型コラム構造で熱変形対策をしている。回転式2段扉で正面操作扉の開口幅が広くなり、操作性もさらに良くなっている。
一方の大型ジグ研削盤『J750G』を見学。『J750G』の特長は、なんといってもX軸1530mm、Y軸1020mmで、同社調べによると、カタログにある世界の主要なジグ研削盤の中でも最大のストロークをもっていることだろう。U軸ストロークは-3~+50mm。さらにATCで砥石を交換することで、1本の砥石で異なる穴径の連続自動加工が可能なのだ。また、(オプション)主軸自動計測装置、研削プログラム作成支援画面(G-MAPS)、15インチタッチパネル式の操作盤により、作業性、操作性が向上しジグ研削加工の自動化を実現している。
また、同社では〝きさげ〟による徹底的な作り込みでも有名だが、同社のジグ研削盤は、同社でも〝きさげ〟が一番細かいという。その細かな〝きさげ〟により、X軸はV-Flatきさげ修道面に精密ニードルローラを入れ、微細送りに正確に追従している。また、自動化も実現しており、自動加工で穴径誤差は1μm以内を達成しているというから驚きだ。
さて、工場見学会だけあって、工場内には普段は見ることのできないマシンも展示されているが、X軸ストローク2.5mの大型機にもかかわらず、ミクロン台の加工精度を実現した次世代大型ジグボーラー『J1625』が展示されていた。大きなマシンなのに、扉の開け閉めは至ってスムーズ。力が弱い方でも安心して作業ができる嬉しい点を発見した。
人気の5軸制御立形マシニングセンタ『Vertex100X』も展示されていた。このマシンは、最小の設置スペースで最大の加工エリアを実現しており、温度センサーの増設・補正アルゴリズムの改善により、Z軸方向の熱変位が従来機の1/3に減少している。
さらに、ここでは自動的に切削工具の先端にクーラントノズルが追随する画期的な仕組みを拝見(オプション)。切削工具が長ければ切削油も当然、掛ける位置が変わらなければならないが、プログラムによってノズルの向きを自動で調整することを実現し、吐出方向を手動で調整する手間を省ける。しかも、クーラントのみならずエアの吐出にも利用可能であるというから嬉しい。
↓ノズルが動く様子はコチラの動画へ↓
ジグボーラーの高精度位置決め加工とマシニングセンタの高精度輪郭形状加工の2つを兼ね備えたPrecision Profile Center『PJ812』が展示されていた。同社が〝究極のマザーマシン〟と自負しているだけあって、加工サンプルからもマシンの魅力が伝わってくる。
ボーリングの仕上げは通常、径がバラついてしまうので最後はオペレータが寸法を測って、ボーリングをセットし直して加工をするという手間がかかるイメージがあるのだが、 このマシンは、高いコンタリング精度がエンドミルでの真円切削による高精度穴加工の自動化を実現している。これにより、エンドミル加工で代替が可能になったのだ。工具長自動測定装置や主軸タッチプローブとの組み合わせで穴径寸法の管理が可能になり、高精度な穴加工の自動化を実現している。また大型プレートの穴ピッチ精度は±2.5ミクロン以内というから頼もしい。
なお、同社では、4月14日(水)~17日(土)の4日間、東京ビッグサイト青海展示棟にて開催される「INTERMOLD2021」に、今回見学した新機種プレシジョンセンタ『PJ303X』と、ジグ研削盤『J350G』の2台に加え、トップランナー規制対応モータを採用しインバータ制御で省エネ・高効率のオイル式コンプレッサ『ZV22AX-R』を展示する。
日本機械工具工業会 耐摩耗工具専門委員会 新規JIS規格を制定
日本機械工具工業会(会長=石川則男 オーエスジー会長兼CEO)の技術委員会では、その下部組織に製品別で専門委員会を設け標準化活動を行っているが、このほど耐摩耗工具専門委員会(委員長=齋藤 実 冨士ダイス 技術開発本部本部長付参与)が新規JIS規格を制定したと発表した。
新たに発行されたのは、「JIS B 0178 」(耐摩耗工具用語)および「JIS B 4054」(耐摩耗工具用超硬合金の材種選択基準)。齋藤委員長は、「用語を定義し、工具別の材料選択基準を設けることで耐摩耗工具を効果的に応用することが可能になる。今回のJIS制定が将来の産業分野を進歩させることを信じてやまない。」と期待を込める。齋藤委員長に規格制定の経緯や、新たなJISのポイントなど、お話を伺った。
新たなJISの注目点
あらゆるところで広く活用されている耐摩耗工具。この工具に用いられる超硬合金は、炭化タングステン(WC)を結合するためのコバルト(Co)で焼結結合した合金だが、齋藤委員長は、「これらの含有量を変化させることで、それぞれの産業分野に適した超硬合金をつくることができる。」と話す。齋藤委員長によると、耐摩耗工具の適応範囲が1990年から急速に拡大したのは、「有用な特性を有した超硬合金をつくり分けられることが分かったからであり、コスト削減の観点からも耐摩耗工具は重要視されている。」という。
また、近年は新素材開発も進み、単に工具の寿命を延ばすだけではなく、高精度であることも求められている。金型の材料も今回の規格化で応用しやすくなった。齋藤委員長も「ぜひ、注目してください。」と広く呼びかけている。
「耐摩耗工具が多岐にわたる分野で応用されるようになった結果、様々な超硬合金があるが、それを正しく選択していく指標は必要。したがって、業界規格に止めないで日本産業規格まで上げたのです。さらに高みを目指すためには、広がった用途(用語)を知り、用途に合わせて設計した合金を提案できる基準が重要と考えます。」(齋藤委員長)
今回の新たなJISの注目点は以下の通り。
(1)JIS B 0178 耐摩耗工具用語
①耐摩耗工具に関する一般用語、②用途によって耐摩耗工具を区別する用語(表2の用語及び図1~図8)③耐摩耗工具ごとに用いる用語に分けて定義した。定義だけではわかりにくいと思われる用語には模式図を示し、可能なものは加工の様子も示し、さらに用語の参考文献も示すことで利便性を高めている。また、解説には、なぜ超硬合金が耐摩耗工具に応用され、幅広い産業分野で用いられるようになったかを詳しく記している。
(2)JIS B 4054 耐摩耗工具用超硬合金の材種選択基準
新しい用語として他炭化物、結合相、バインダーレス、疑バインダーレス、WC粒度および硬さを定義した。さらに、結合相3種類、WC粒度4種類、硬さ8種類で組み合わされる 38種類の材種分類記号を規定し、表面摩耗する工具、衝撃の作用する工具、熱間で使用される工具、非磁性および/または耐食性を必要とする工具の別に、主な工具例に対する材種分類記号を充てる表として、材種選択基準を示した。また、解説には、超硬合金製耐摩耗工具の歴史 および CIS019D以前の規格制定の経緯も詳述し、先哲の偉業を記すとともに、材種分類記号の理由も記した。
齋藤委員長は耐摩耗工具の将来性について、「環境対応を考慮するとリサイクル性も含め増加するだろう。」との見解を示している。理由を尋ねると、「コロナ下においても、半導体関係に用いる工具素材およびカメラなどに用いるレンズ金型も堅調です。」とのこと。「これらの耐摩耗工具に用いる超硬合金はリサイクル性が高い。」とも。「今回のJIS制定で、さらに新しい用途に対しても効果的に応用することができ将来の産業分野を進歩させることを信じています。」と結ばれた。
なお、冊子(JIS規格)は日本規格協会で販売されている。
↓下記サイトから購入できる↓
https://webdesk.jsa.or.jp/
「INTERMOLD2021」 注目各社の見どころはココ!
日本金型工業会、日本金属プレス工業協会が2021年4月14日(水)~17日(土)の4日間、東京ビッグサイト・青海展示棟にて金型・金属プレス加工の専門見本市「INTERMOLD2021/金型展2021/金属プレス加工技術展2021」(運営=インターモールド振興会)を開催する。注目各社の見どころを掲載する。
(あいうえお順:イワタツール、キタムラ機械、芝浦機械、大昭和精機、ダイジェット工業、日進工具、牧野フライス製作所、三井精機工業、MOLDINO、安田工業、碌々産業)
人気のトグロンシリーズを展開
●イワタツール
ユーザーに加工ノウハウを提案し、得意分野に特化して存在価値を高めている同社。驚異的な寿命を持つドグロン®ハードシリーズをはじめ、精密・高速面取りの「トグロン®マルチチャンファー」などを出展。トグロン®マルチチャンファーは、面取り速度を2~3倍にできるスグレモノ。トグロン形状の5~9刃使用。糸面取りならば、バリを押さえて超高速に加工ができる。
Machining Challenges-Simplified
●キタムラ機械
今回の目玉となるマシンは、高速高精度横形マシニングセンタ「Mycenter-HX250iG」。省スペース・省エネルギー・省人化を徹底追求した横形マシニングセンタであり、従来の主軸#30のイメージを大きく変えた高剛性主軸による重切削性能は生産性の向上を実現している。標準仕様である40本工具マガジンと2パレット交換装置は、納入後に102本や10パレットへと最小のスペースで拡張可能。2008年に世界初アイコン制御のタッチパネル操作やインダストリー4.0に対応した独自のCNC装置「Arumatik-Mi」の搭載でラクラク簡単操作の豊富な機能を満載。スマートフォンでマシニングセンタの監視、操作、メンテナンスを可能にする画期的な最新機能「Anywhere-Remote」も搭載している。
妥協を許さぬものづくりを!
●芝浦機械
同社が今回展示するのは、超精密マシニングセンタ「UVMシリーズ」。長時間の高精度加工に対応する〝構造体恒温化〟システムに注目したい。これは±0.1℃に温度制御された媒体液を加工機構造体に充満・循環させることにより積極的な加工機の温度制御を行うもの。これにより外部環境の温度変化に対応するマシンの姿勢変化を最小限に抑えることができるので、長時間加工でも安定した高精度が保てる仕組みになっている。作業性を大幅に向上させた大型タッチパネルにも要注目!
注目はツールプリセッタ「STPマジス」
●大昭和精機
同社の一押し製品は、正確・確実に各種工具の測定に最適な非接触ツールプリセッタ「STPマジス」。フロントライトの採用で、刃先の摩耗やチッピング状態などが実写で明確に確認できる。プリセット画面に写っている影の最大値を画像処理により自動的に測定。ネジレ刃の工具の回転軌跡を確認できる輪郭抽出機能を備え、各刃先のX,Zの測定値をグラフ表示することで刃先の振れ状態も確認できる。スケールの移動はX軸、Z軸の単独移動および2軸同時の移動も簡単・スムーズに行えるため、カメラ位置へのセッティングもスピーディー。また測定結果をラベルプリンタで印刷し、T-SCAN2次元コードリーダーで工具補正値をCNC装置に登録も可能。
最新MC加工用工具を中心に展示
●ダイジェット工業
今回は、多様化・難削化する被削材に適応し、高能率・高精度・長寿命に貢献する最新MC加工用工具(金型加工用工具・ドリル)を中心に出展。耐摩耗用工具ではレアメタルレス複合新材料「サーメタル」製品を展示する。注目の製品は、「ハード1シリーズ」第2弾となる新製品「ハード1ラジアスSFSR 形」。この製品は、荒加工から仕上げ加工まで幅広く対応し、刃長1D のスーパーショートタイプで工具剛性を向上させた4 枚刃ソリッドラジアスエンドミル。焼きばめホルダやハイドロツーリングに適応可能だ。
新製品を初披露! 人気のシリーズも追加サイズ規格を揃えて展示
●日進工具
常に加工現場のニーズを的確に捉えている日進工具。来場者にも製品の特長を理解してもらいやすいよう今回も工夫を凝らしている。微細工具のニーズに対応している同社ならではの目を引くような製品の数々が展開される。昨年の「JIMTOFオンライン2020」で注目を集めたCBNスーパーハイプレシジョンラジアスエンドミル「SHPR400」と、人気の銅電極シリーズが、それぞれ追加サイズ規格を揃えて展示。そして、最も注目すべき点は、今回のINTERMOLDに合わせて、新製品を初披露するとのこと。お見逃しなく!
金型加工のDX化に貢献!
●牧野フライス製作所
今回、「金型加工のDX化 ~ Digital Manufacturing for Die & Mold~」(DM for DM)をテーマにコンセプト機「MAKINO CONCEPT3」を始め、新しい金型加工機への取り組みを紹介。様々な分野で必要とされている「DX化」に関する要素を込めたサンプルを用意し、直ぐに活用できる機能として紹介する。さらに「MAKINO CONCEPT3」は単に新しいマシニングセンタというだけでなく、金型加工に必要なDX化された機能を有し、現在おかれている金型加工の状況を一変させる機能を盛り込んだ。環境変化に左右されず、長時間の加工による姿勢変形や象限突起を気にすることがないことは当然として、CAM演算時間の短縮、複雑な操作を必要とせず熟練工の加工ノウハウをDX化し、事業継承をサポートするような取り組みを〝お客様と一緒に作り上げていく〟ような展示に期待!
レンズや精密部品金型向けの「PJ303X」を展示
●三井精機工業
同社が今回展示する注目のマシン、新機種プレシジョンセンタ「PJ303X」は、特殊熱変位キャンセル機構により、主軸・ヘッドの熱変位が大幅に抑制される。左右対称門型コラム構造により熱変位による姿勢変化に対応した。直線軸は高速駆動リニアモーターを採用し早送り速度は20m/min、回転軸にはダイレクトドライブモーターを採用した。主軸回転数50000min-1、テーブルサイズφ180mm。また回転式の2段扉により正面操作扉の開口幅を広くし、作業性を向上させている。主にレンズ、精密部品金型向け。
注目は優れた耐摩耗性が特長の「EPDREH TH3」
●MOLDINO
精密金型材には成形精度を保つ為に、50HRC以上の焼き入れ鋼が用いられており、高硬度鋼を長寿命で精度よく加工できる小径エンドミルが求められている。同社ではすでに好評を博している高硬度鋼切削で優れた耐摩耗性を発揮するTH3コーティングシリーズに要望の多かった4枚刃タイプを開発し、今回、新登場! 従来は、TH3シリーズのラジアスタイプは小径2枚刃仕様(φ0.2~1)だったが、従来工具に比べてたわみ量が少ない首形状で、高精度加工を追求した工具設計となっている。
「YBM Vi40」がバージョンアップ
●安田工業
YASDA立形5軸機のフラッグシップモデル「YBM Vi40」がバージョンアップして展示。このマシンは高硬度金型の直彫りや複雑形状部品の高精度加工において、抜群の威力を発揮する立形5軸マシニングセンタ。長時間安定した加工を実現する熱変位対策、YASDA製高精度傾斜回転テーブルとソフトウェアが相まって、高精度金型に限らず部品加工など多くのユーザーから高い評価を博している。滑りガイド構造による高い剛性能力を継承しつつ、新たに傾斜軸にもDDモータを採用、今回テーブル周辺の機械構造の見直しも行うことにより、従来以上に俊敏で高精度な5軸加工を実現。フロアスペースも見直し、従来機と比較して約20%の省スペース化にも成功。2009年の開発から11年、さらなる進化を遂げた「YBM Vi40」に注目!
注目の超高精度高速微細加工機「AndroidⅡ」を展示
●碌々産業
同社では、超高精度高速微細加工機「AndroidⅡ」と微細加工サンプルを展示する。このマシンは、「実加工精度±1μm以下の追及」をコンセプトに開発されたAndroidを高速加工条件下においても変位量を極限まで抑え、さらなる高精度加工を達成すべく改良を加えてブラッシュアップされた次世代機。主な特長は、全軸水平対応取り付けリニアモータ駆動と特殊超精密転がり案内面、機体の温度管理用インターフェースを装備し、機械が持つ潜在能力を最大限に引き出す「オペレータ」の介入機能を強化した〝Advanced M-Kit〟 を搭載していること。シナジー効果の徹底によりRaシングルナノの高面品位加工を実現する「type-s」モデルや、高精度微細5軸加工を可能にする傾斜円テーブルを搭載した「5AXP」モデルもラインアップ。
キタムラ機械とドコモ 5Gで遠隔から工作機械の自動運転に向け共同開発を開始
キタムラ機械とNTTドコモ北陸支社は、3月23日、キタムラ機械本社(富山県高岡市)にて、5Gを用いて遠隔から工作機械の自動運転を実現する『Auto-Part-Producer 5G』の共同開発を開始したと発表した。今後、共同での技術検証等を経て、2023年4月の商用化を目指す。
『Auto-Part-Producer 5G』は、5G通信に対応した次世代工作機械の制御機能。穴開け・削り・ねじ立てなど様々な加工を1台で行える工作機械にNTTドコモのデータ通信5Gを用いて製造する部品加工プログラムを伝送することで、遠隔から全自動での部品製造を実現する。
従来は熟練者が専門の加工プログラムを作成する必要があったが、キタムラ機械は2018年に『Auto-Part-Producer®』を開発し、3Dの設計データを読み込むだけでマシニングセンタの自動運転を可能にした。しかし、近年は部品の複雑化に伴い3Dデータも大容量化したことから、高性能なデータ処理機能を工作機械一台一台に搭載する必要があり、依然として作業者は機械側での操作が求められていた。
『Auto-Part-Producer 5G』では、データ処理をクラウド上で行いながら、そのデータを5Gでリアルタイムに工作機械に伝送する。そのため、遠隔からの操作や複数の工作機械の制御を1人で行えるようになり、工場内の人手不足の解消にもつながる。また、工作機械自体に高性能なデータ処理機能を搭載する必要がないため、従来よりも3割程度安価に同機能が導入可能となる見込み。
今回の共同開発にあたり、ドコモはキタムラ機械の高岡本社工場を5Gエリア化し、2021年3月23日に共同開発拠点『KITAMURA Innovation Factory』(以下KIF)として開設した。今後はKIFにて2022年8月にかけて5Gを用いたクラウド処理とリアルタイム加工の技術検証を行い、2023年4月に『Auto-Part-Producer 5G』を搭載した次世代工作機械をキタムラ機械より提供する予定。
誰もが簡単にものづくりができる世界へ
キタムラ機械の北村彰浩社長は会見の中で、「現在、製造業は少子高齢化に伴う労働人口の減少や技術者不足の問題を抱えている。また、昨年から世界中でコロナ禍による人の往来の制限が続き、社会全体が厳しい状態となっている。このような状態の中で企業は業種を問わず、大変な思いをしている。当社は〝Machining Challenges-Simplified〟というラクラク簡単操作のマシニングセンタを2003年からスローガンに掲げ、経験や知識を必要とせず、誰もが簡単に高精度複雑加工ができる工作機械の開発を進めており、スマホの感覚で簡単操作が行われる工作機械を目指している。」と述べた。同社では、2008年には製造業のDXにすぐに対応できる世界初のアイコン制御のCNC制御装置『「Arumatik-Mi」』を開発している。
また、同社では、2018年にDXのコンプライアンスなど法令遵守をしながら実践できる顔認証機能付き制御装置であるマシニングセンタ、またAIによる自動運転ができる『Auto-Part-Producer』を発売している、(特許取得済み)。
北村社長は、「本年2021年にはマシニングセンタでまるで写真をスキャンするように加工ができる『Arumatik-Surface-Scan』の販売を開始し、次々と新技術を開発してきた。そして今後も『Auto-Part-Producer 5G』をはじめとした新技術を開発し続けていく。工作機械にロボットや計測機器を組み合わせたシステムをいかに提案し、世界中のものづくりにお役にたてるかを、このKIFにおいて実践し、画期的な独自マシンを提供していく。今後、移動が制限されてもオンラインで生産できるシステムの構築や後継者及び人材不足で苦慮している世界中の加工業者の負担を軽減できる先端技術とさらなるイノベーションを提供し、これから先、夢のような近未来の実現のために先端技術をもって貢献しいく。」と意気込みを示した。
また、NTT NTTドコモの佐藤隆明 執行役員 北陸支社長は、「ドコモでは5Gの商用化サービス開始以来、5Gを活用した地域課題、社会課題の解決に取り組んでいる。今回の発表は、北陸を代表する製造業の集積地であるこの富山の製造の現場にて5Gの活用をいただくという案件ではあるが、5Gを利用できる場所はキタムラ機械の工場に留まらない。5Gを搭載した次世代工作機械の共同開発と製品化で、キタムラ機械のお客様の現場にて5Gで利用して頂くものになる。キタムラ機械は工作機械の分野で世界最高水準の技術とノウハウを持っており、5Gエリアを活用して遠隔支援ツールを利用した保守サポートを実現し、私たちが目指す次世代工作機械に注目していただきたい。」と話した。
MOLDINO 金型加工に貢献する2つの新製品を市場投入!
MOLDINOは、このほど、①立壁/底面仕上げ用8枚刃エンドミル「ER(S)8WB-ATH」と、②エポックディープラジアスエボリューションハードTH3「EPDEH-TH3」に4枚刃を追加し発売した。
立壁/底面仕上げ用8枚刃エンドミル「ER(S)8WB-ATH」
この製品は、小~中サイズの金型の立壁仕上げ加工には汎用的なロング刃長の超硬エンドミルを使用されるのが一般的だが、立壁加工においては刃長全体を使っての大きな軸方向切込みで仕上げ加工がおこなわれるケースが多く、そのほとんどで再加工や修正が必要となり、精度・能率面の課題に加え、底面仕上げ加工でも加工面の高品位化の要望が多くあった。これを受け同社では、金型の立壁や底面の仕上げ加工に特化した、高能率かつ高精度な仕上げ加工が可能な超硬エンドミルを開発。金型全般の立壁・底仕上げ加工に貢献する。
〈特長〉
(1)立壁の仕上げ加工でゼロカットや補正などの修正工数を低減する。仕上げ加工時間の大幅な削減と加工の省人化が狙える。
(2)ラジアスタイプは独自のコーナ R刃設計で、高品位な底面加工を実現する。
(3)信頼 と実績の ATH コーティングを採用しました。幅広い鋼種に対応する。
■仕様
・ER8WB-ATH(ラジアスタイプ):φ6~φ1219アイテム
・ES8WB-ATH(スクエアタイプ):φ6~φ1219アイテム
(全38アイテム)
■価格
・ER8WB-ATH(ラジアスタイプ):\15,510~\32,360(消費税別)
・ES8WB-ATH(スクエアタイプ):\13,180~\27,510(消費税別)
エポックディープラジアスエボリューションハードTH3「EPDREH TH3」に4枚刃を追加
自動車のEV化や情報通信技術の発達を背景に、電子部品や半導体製品の製造に欠かせない精密かつ高精度な金型のニーズが今後一層高くなると予想しているMOLDINO。これら精密な金型の材料には成形精度を保つために、50HRC以上の焼き入れ鋼が用いられており、高硬度鋼を長寿命で精度よく加工できる小径エンドミルが求められている。同社では高硬度鋼切削で優れた耐摩耗性を発揮する〝TH3コーティングシリーズ〟を発売し、すでに好評を博しているが、従来、同シリーズのラジアスタイプは小径2枚刃仕様(φ0.2~1)しかなかったが、今回、要望の多かった4枚刃タイプを開発した。高硬度・精密金型の直彫り及び立壁・底面仕上げ加工に威力を発揮する。
〈特長〉
(1)工具中心基準のR精度保証。呼び径で加工しても従来よりも高精度の加工が可能。
(2)従来工具に比べてたわみ量が少ない首形状で、高精度加工を追求した工具設計。
(3)高硬度鋼加工用コーティングTH3を採用し、加工終了までのワーク寸法変位を抑制しつつ高硬度鋼の高精度加工を実現。
(4)4mmシャンク品(工具径1~3mm)はh4公差。高精度焼き嵌めホルダに対応。
■仕様
・EPDREH4-TH3(4枚刃)φ1~φ6R0.02~1.0工具径/首下長≦8(全266アイテム)
■価格
・\5,170~\15,360(消費税別)