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2021年9月分工作機械受注総額は1446.0億円 日工会 

 日本工作機械工業会がこのほどまとめた2021年9月分の受注実績は以下の通り。

 2021年9月分工作機械受注総額は、1446.0億円(前月比+14.8% 前年同月比+71.9%)となった。受注総額は、2,018年9月(1534.5億円)以来、36カ月ぶりの1,400億円超。期末効果等もあり、内外需共に回復傾向持続。1,000億円超は8カ月連続。
    
 内需は575.6億円(前月比+29.1% 前年同月比+90.2%)で、年度上期の受注増加に加え、補助金採択分が上乗せされ、2018年12月(571.5億円)以来、33カ月ぶりの550億円超。

 外需は870.4億円(前月比+7.0% 前年同月比+61.7%)で、欧州で回復傾向が持続しているほか、アジアでも大型の受注があり、2カ月ぶりの850億円超と高水準持続。

 9月は期末効果等もあるが、内需とも回復が継続。一方、新型コロナの感染状況、部材不足について引き続き注視。

9月分内需

 575.6億円(前月比+29.1% 前年同月比+90.2%)。

 ・2018年12月(571.5億円)以来、33カ月ぶりの550億円超。
 ・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比7カ月連続増加。
 ・年度上期末に加え、補助金採択案件により幅広い業種で増加し、前月から大幅増加。

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(出所:日本工作機械工業会)

9月分外需

 870.4億円(前月比+7.0% 前年同月比+61.7%)

 ・2カ月ぶりの850億円超。
 ・前月比2カ月ぶり増加。前年同月比11カ月連続増加。
 ・主要3極ではすべて前月比増加。欧州、北米は順調に回復。アジアも大型受注で増加。

211105日工会外需
(出所:日本工作機械工業会)


 

経産省・2021年8月度機械統計 機械工具生産動態調査 

経済産業省の2021年8月度 機械工具生産動態調査(機械統計)は以下のとおり。

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(表出所:日本機械工具工業会)
 

日本建設機械工業会 2021年8月度建設機械出荷金額統計まとまる

 日本建設機械工業会がこのほどまとめた2021年8月度の建設機械出荷金額は、内需は5.8%増加の744億円、外需は93.3%増加の1,343億円となった。その結果、内需は2カ月ぶりの増加、外需は10カ月連続の増加となった。総合計では49.3%増加の2,086億円となり、10カ月連続の増加となった。

 内需について機種別に見ると、トラクタ7.4%増加の76億円、油圧ショベル13.5%増加の230億円、ミニショベル0.3%増加の62億円、道路機械15.0%増加の26億円、基礎機械3.0%増加の31億円、油圧ブレーカ・圧砕機19.9%増加の16億円、その他建設機械38.8%増加の59億円の7機種と補給部品4.0%増加の98億円が増加し、内需全体では5.8%の増加となった。

 外需について機種別に見ると、トラクタ221.6%増加の175億円、油圧ショベル94.4%増加の491億円、ミニショベル78.0%増加の233億円、建設用クレーン35.4%増加の39億円、道路機械200.6%増加の31億円、コンクリート機械217.5%増加の1億円、基礎機械7.6%増加の4億円、油圧ブレーカ・圧砕機58.1%増加の7億円、その他建設機械99.9%増加の180億円の全9機種と補給部品52.1%増加の181億円が増加した。

 地域別に見ると、オセアニアが13カ月連続で増加、欧州が11カ月連続で増加、北米が8カ月連続で増加、アジアが6カ月連続で増加するなど全9地域で増加し、外需全体では93.3%の増加となった。
 

いよいよ開催! 「メカトロテックジャパン(MECT)2021」10月20日から名古屋

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 ニュースダイジェスト社(社長=樋口八郎氏)と愛知県機械工具商業協同組合(理事長=水谷隆彦氏)は10月20日(水)~23日(土)の4日間、工作機械見本市「メカトロテックジャパン(MECT)2021」を名古屋市港区の名古屋市国際展示場(ポートメッセなごや)で開催する。今回は、新型コロナウイルスの感染防止対策に必要なスペースや通路幅を捻出するため、募集小間数を例年よりも1割ほど削減した。出展者数は426社・団体(前回477社・団体)。そのうち50社(同58社)が初出展となる。

 展示規模は1,796小間(同1,941小間)で、国内で今年開催される工作機械見本市としては、最大規模となる。会場内に展示される工作機械は大小含めて197台、鍛圧・板金機械は17台。また、982点の新製品(1年以内に発表されたもの)が展示される予定。世界24カ国・地域から製品が一堂に会する。(いずれも9月21日現在)。

 毎回、世界最先端の技術の実演展示に挑戦するコンセプトゾーン(主催者企画展示)では、「未来を変える新時代の自動化」をテーマに、生産現場に最適な産業用ロボットの活用法や高度化したシステムなどを会場内で紹介する。人手不足の深刻化や生産性向上に加えて、生産現場での新型コロナウイルスの感染拡大を予防する観点からも関心の高まるロボットの新たな可能性に迫る。また主催者企画のセミナーでは、トヨタ自動車や日産自動車、ボーイング、安川電機などから講師を招き、それぞれの分野からものづくりの今後について講演する。

 今回展では出展者および来場者を含めた関係者の安全を最優先に考え、新型コロナウイルスの感染状況を注視し、状況に合わせた感染防止対策を講じながら、開催に向けて準備を進めている。開催期間中も各種対策を講じて会場運営にあたります。詳細につきましては公式サイトの特設ページ(https://mect-japan.com/2021/about/antivirus.html)で案内している。

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ニュースダイジェスト社 樋口社長

 開催にあたり、9月22日に行われた記者会見場の席で、主催者であるニュースダイジェスト社の樋口社長は、「昨年の秋より出展募集を活動をはじめ、なんとか胸を張って開催できる運びになった。昨年の春から始まった緊急事態宣言の発出以降、多くの産業活動が停止状態になり、工作機械関連業界においても、展示会等はほぼ中止に追い込まれてしまった。この夏までは各産業展や機械展が中止に追い込まれた中で、なんとか製造業を軸とした機械関連産業のイベントショーとしても、ほぼ2年ぶりの開催となる。最新の機械情報を提供するんだ、という、私どもにとっては大きな使命をもっている。産業界における設備投資活動も低迷していたが、この春以降、順調に回復の波が近づいており、日本工作機械工業会発表の8月の受注をみても対前年比9割近いアップの受注を確保している。わたしどものメカトロテックジャパンがさらに起爆剤となって産業界の生産性向上、あるいは自動化の促進等々に寄与していく。感染症対策もしっかり施しながら、この展示会を成功させたい。」と、メカトロテックジャパンへの思いを滲ませている。

コンセプトゾーン概要

●テーマ: 「 未来を変える 新時代 の 自動化 」
●開催場所:ポートメッセなごや1号館内特設会場

A:遠隔操作 で 広がる 可能性 (協力:川崎重工業)

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製造現場のいたるところに存在する「物流作業」。川崎重工業は、自走ロボットと遠隔操縦技術を組み合わせるこ とで、従来は困難だった多種多様な物流作業の自動化を実現。「人間とロボットが共存共栄する社会」を目指す同社が開発した、国内初披露の最新自動化ソリューションを通じて、「新しい協働のあり方」と共に、遠隔操作の優位性や今後の可能性に迫る。

B:柔らかい物をロボットで貼る(協力:豊臣機工、トライエンジニアリング、進和)
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 これまで人の熟練技術に頼っていた、自動車部品や家電などに使用される柔らかい「シールスポンジ材」の貼り付け作業をロボット化。自動車部品メーカーの豊臣機工が中心となって開発したロボットシステムを使い、曲線や曲面など複雑な形状へのシール貼りの作業や自動切断などを実演。ロボットとの競争を通じて、シール貼りの速さや正確性などを体験 できるコーナーも用意する。

C:ロボット× A Iで難作業を自動化(協力:デンソーウェーブ)
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 デンソーウェーブが提供する最新の人工知能(AI)技術を活用することで、これまで自動化が困難だった作業のロボット化を実現。国内初披露となるAI物体認識によるピッキングをはじめ、AI模倣学習を使ったハーネスの組み付けなど、具体的な活用例を複数紹介する。この他、軽くて小さい人協働ロボット「COBOTT A」に触れながら、 性能を体験できるコーナーも設置する。

D:手軽で使いやすいロボットの魅力(協力:安川電機)

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 ものづくりの多様化が進む中、フレキシブルな生産体制の構築は今後ますます重要になる。安川電機製の人協働ロボットと手押し台車の組み合わせは、簡単に教示でき、いつでもどこへでも自在に動かせるため、生産ラインのレイアウト変更に柔軟に対応できる。会場では、より使いやすくて場所を選ばない、ハンドリング用途に適した最新の「人協働ロボットパッケージ」を紹介する

セミナー概要

●開催場所:交流センター3階会議ホール
●開催時間:10月20日(水)~22日(金)①13:00~14:00 ②14:30~15:30
●聴講料金:無料※MECT 会場への入場料1,000 円は別途必要です
●申し込み方法:公式ウェブサイト(https://mect-japan.com/2021)セミナーページから受け付け
●定員:各セミナーとも250 人(先着順)

■10月20日(水)テーマ「自動車」クルマづくりの概念が変わる
 講演①:13:00~14:00
 「カーボンニュートラルを見据えたモノづくりの進化」
 トヨタ自動車生産本部衣浦工場工場長野村英司氏

 講演②:14:30~15:30
 「日産自動車電動化に向けたパワートレインのモノづくりの進化」
 日産自動車常務執行役員パワートレイン生産技術開発本部本部長村田和彦氏

■10月21日(木)テーマ「航空機」これからの航空機産業
 講演①:13:00~14:00
 「航空宇宙業界が直面する課題とチャンス」
 ボーイングボーイング民間航空機部門アジア地区
 グローバルフィールドオペレーションズシニアマネジャーフィリップ・チャン氏

 講演②:14:30~15:30
 「日本一の航空宇宙産業クラスターの形成に向けて」
 航空宇宙生産技術開発センターセンター長小牧博一氏

■10月22日(金)テーマ「ロボット」自動化の最新トレンド
 講演①:13:00~14:00
 「ロボットによる変種・変量生産の実現
 ~i3-Mechatronics具現化に向けたソリューションのご紹介~」
 安川電機取締役常務執行役員ロボット事業部長小川昌寛氏

 講演②:14:30~15:30
 「最新ロボティクスによる『ものづくり』のトレンド」
 三菱電機FAシステム事業本部機器事業部主管技師長武原純二氏

会場速報について

 MECT21公式サイト内に、MECTの見どころなどをいち早く発信する特設ページ「会場速報」を設ける。各社の新製品の紹介と、自動化やモノのインターネット(IoT)、人工知能 (AI)など最新技術に関する展示の内容だけではなく、来場者の関心を集める実演の様子や出展者の意気込みなど展示会の雰囲気、会場内の混雑状況などの情報を随時配信する。


 

不二越 「アクアREVOシリーズ」のラインナップ拡充と「ZTフォーミングタップ」を新発売

 不二越 工具事業は、自動車・産業機械分野を中心に、ラウンドツール(ドリルやタップ、エンドミルなど)と精密工具(ブローチやホブなど)の両輪で、最適な商品を開発・提案し、ユーザーの生産性向上とコストダウンに貢献している。

 今後、ユーザーの生産現場では、多品種少量生産や部品の小型化などにより、多種多様なラウンドツールの需要拡大が見込まれることから、今般、新たなラウンドツールとして、「アクアREVOシリーズ」の新商品(10月1日発売)と、圧倒的な長寿命と低トルクを実現する「ZTフォーミングタップ」を市場投入すると発表した。なお、いずれの製品も2021年10月20(水)~23日(土)にポートメッセなごや(名古屋市国際展示場)で開催される「メカトロテックジャパン2021」にて展示される。

「アクアREVOシリーズ」のラインナップ拡充

 2018年に、材料・形状・コーティングの全てを一新した超硬ドリル「アクアREVOドリル」を、2019年には超硬エンドミル「アクアREVOミル」を市場投入。長寿命・高能率・多用途の特長が、幅広いユーザーから評価されマーケットシェアを拡大している。

 今回、小径ドリルに求められる“折れにくく長寿命”と“バラつきの少ない安定加工”を実現した「アクアREVOドリルマイクロ」、および、側面加工の立ち壁や深いポケット加工に最適な「アクアREVOミル4D」を新たなラインナップに追加。さらなる技術革新により、切削加工に新しい価値を提供していく。

〈アクアREVOドリルマイクロ〉

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 電機・電子や自動車部品の小径穴加工を狙いに、これまでの寸法範囲Ø2.0~Ø16.0 のスタブ・レギュラ・セミロングに加え、長寿命・高能率・多用途の特長はそのままに、新たな材料・形状を開発・採用したマイクロをラインナップに追加。

■特長
 折れにくさを追求し、超微粒子超硬合金とオリジナルの成分設計により、硬さと靭性を両立したマイクロドリル専用の超硬材料を新開発した。さらに、剛性と切りくず排出性を重視した溝形状を採用し、他社従来品に対して、ねじり破壊トルク11.2 倍(Ø0.5 にて)を実現。また、求心性と剛性の最適化設計により、穴位置精度を、他社品比で25%アップし、安定加工が可能。
■寸法範囲
 ・5D 寸法範囲: Ø0.5~Ø1.99 全150寸法
 ・参考寸法: 代表寸法 Ø0.5 全長38mm 価格3,350円/本
 ・10D 寸法範囲: Ø0.5~Ø1.99 全150寸法
 ・参考寸法: 代表寸法 Ø0.5 全長38mm 価格3,690円/本 
 (いずれも税抜き価格)

動画はコチラ↓
https://www.nachi-technologypark.jp/tool/product05/

〈アクアREVOミル4D〉

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 自動車・産業機械の幅広い分野に向けて、これまでのアクアREVOミル1.5D・2.5Dに加え、ロング刃長に最適な新形状を採用した4Dをラインナップに追加した。

■特長
 工具の心厚を大きくし、剛性を高めたことで、切削時の工具のたわみを抑制。加えて、シャープな切れ刃形状で切削負荷を低減し、他社従来品に対して被削材の加工面倒れが1/3 以下となり、安定加工を実現。

■寸法範囲
 ・4枚刃 4D Gタイプ(ギャッシュランド)寸法範囲:Ø1~Ø20 全20寸法
 ・参考寸法:代表寸法 Ø6.0 全長60mm    価格6,590円/本 (税抜価格)

動画はコチラ↓
https://www.nachi-technologypark.jp/tool/product03/

「ZTフォーミングタップ」新発売

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 2016 年に新ジャンルの革新タップ「Hyper Zタップシリーズ」を商品化し、安定した加工精度と切りくず排出性を両立する刃先・溝形状と、不二越独自の表面処理を施した切削タップで、ユーザーの生産性向上とコストダウンに貢献してきた一方で、自動車部品などの量産ラインでは、生産性向上のため、更なる長寿命化や安定した加工が求められており、切りくずトラブルが発生しない盛上げタップの需要が拡大している。

 同社ではこうしたニーズに応え、新開発の材料・形状・コーティングで、圧倒的な長寿命と低トルクを実現する、頂点を極めた(Zenith)強靭な(Toughness)盛上げタップ、「ZTフォーミングタップ」を市場投入した。

〈特長〉

(1) ZTフォーミングタップの革新性
 ①材料
 盛上げタップ専用に、組織を微細化したコバルトハイスを開発。ハイス母材の靭性を維持したまま、高硬度化を実現。
 ②形状
 ねじ山盛上げ部にマージンレスを採用。接触面積を小さくすることで摩擦抵抗を低減し、加工トルクと摩耗進行を抑制。新開発の油溝形状で切削油剤の流量を向上させ、先端まで油剤が届きにくい横形マシニングセンターでも、高い潤滑性能を発揮。
 ③コーディング
 新開発のZTコーティングは、靭性を向上させたAlTi 系膜と超平滑化処理の組み合わせにより、膜性能を最大限にし、低摩擦で優れた耐摩耗性・耐熱性を発揮。
 ④長寿命
 ZTコーティングによる優れた耐摩耗性・耐熱性と低摩擦の両立で、加工機械を問わず、他社従来品に対して3倍以上の長寿命化を実現。
 ⑤高精度
新形状の採用により、低トルク仕様で加工抵抗を抑え、バリの少ない安定しためねじ加工が可能。
 ⑥多用途
 延性の強いアルミニウム合金から、高硬度の調質鋼に至るまで、幅広い被削材に対応。

■シリーズと寸法範囲
 ・食付きが2ピッチのB形と、4 ピッチのP形の2 タイプをラインナップ
 ・参考寸法:M3~M16 並目・細目 全34寸法
 ・参考寸法:代表寸法 M6×1    全長62mm 価格3,400円/本 (税抜き価格)

発売日は2021年10月21日。

動画はコチラ↓
https://www.nachi-technologypark.jp/tool/product06/

 

ナガセインテグレックス 精密工学会「2021年度(第41回)精密工学会技術賞」受賞

 ナガセインテグレックス(社長:長瀬幸泰氏 住所=岐阜県関市武芸川町跡部)が、このほど、精密工学会「2021年度(第41回)精密工学会技術賞」を受賞した。テーマは、「トポロジー最適化や形状最適化を駆使し、理想的な構造を実現した超精密研削盤の開発」。

 精密工学会技術賞は精密工学の領域で創造的業績をあげた企業等の研究者・技術者に対して、その精進と努力に報い,かつ将来の発展を期待して贈賞するもので、精密機器の開発、生産加工技術に関する研究または開発、その他に贈賞される。

 

タンガロイ 「ModuMiniTurn(モジュ・ミニ・ターン)」にY軸加工用ヘッドを追加

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 タンガロイは、このほど、自動盤向けヘッド交換式工具「ModuMiniTurn(モジュ・ミニ・ターン)」に切りくずトラブルを劇的に解消するY軸加工用ヘッドを新たに設定し、販売を開始した。

 この製品は、独自のカップリングによって高い繰り返し精度を実現している自動盤用ヘッド交換式工具シリーズ。ヘッド脱着時の繰り返し刃先位置の精度は5μm以下を誇り、インサート交換や段取り替えによるダウンタイムを大幅に削減できる。

 縦型くし刃刃物台の自動盤加工では、基本的にワークの上方に切れ刃があり、加工時に切りくずはワークの外周に沿って落下するため、流れ型の切りくずではワークに巻き付いたり、工具とワークの間に滞留して加工面を傷つける等のトラブルが発生する。

 新しいY軸加工用ヘッドでは、切れ刃がワークの側面に位置し、すくい面が下を向いているので切りくずはワークに絡むことなく、下方へ落下する。これによって切りくずトラブルが減り、生産性が大幅に向上した。

 また、切削抵抗の主分力方向が工具の長手方向と一致していることから、工具剛性が高くなるためびびりに強く、負荷の大きな加工でも高い安定性を示す。さらに、「ModuMiniTurn」のY軸加工用ヘッドは、他社のY軸加工用工具に比べてヘッド周りがコンパクトで、刃物台の隣接した位置にY軸加工用工具同士をセットすることも可能である。(注意:隣接させる場合には、一定の条件がある)。

 今回のシリーズでは、外径加工用の他、「TetraMiniCut(テトラ・ミニ・カット)」用インサートを用いた溝入れ・ねじ切り用ヘッドもラインナップ。さらに、切れ刃に直接切削油を供給できる内部給油仕様も設定しているので、様々な加工形態で利用できる。

特長

(1)高い繰り返し精度を実現
 独自に開発したカップリングにより、ヘッドを脱着した際の刃先位置は5μm以下の精度を実現。高い繰り返し精度で、工具交換時間を大幅に削減できつ。

(2)内部給油タイプも選択可能
 切れ刃に直接切削油を供給できる内部給油仕様も設定。切りくずトラブルが起きやすい難削材加工においても、安定的な加工を実現できる。

■主な形番と標準価格
 ・QC12-JSDJ2CR11-Y:    20,200円
 ・QC12-STCR18-Y-CHP:  30,600円
 計12アイテム(いずれも税抜価格)

DMG森精機 自律走行ロボットシステム「WH-AGV 5」をリリース

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WH-AGV 5外観

 

 DMG森精機がこのほど、加工ワークの搬送や着脱など工場内の物流搬送を自動化し、工場全体のデジタル化を実現する次世代搬送システム「WH-AGV 5」の販売を開始した。

 AGVとは“Automated Guided Vehicle”の略で無人搬送車を意味し、人が操作する従来のハンドリフタやフォークリフトに代わる新しい自動搬送手段として、自動化のニーズの高まりとともに活用が進んでいる。特に走行レールの敷設が不要な無軌道型AGVは、変種変量生産にも対応できるため、生産現場や物流現場でも需要が高まっている。

 一方で、無軌道型AGVが目的地に到着する停車位置決め精度は数十ミリ程度であり、高精度な位置決め精度が求められる工作機械へのワーク着脱には、導入が難しいという課題があった。

 同社が開発した「WH-AGV 5」は、自社開発の無軌道型AGVと人協働ロボットを組み合わせた自律走行が可能な次世代搬送システム。走行ルート用の磁気テープやマーカーがなくても工場内を自由に走行し、最大高さ35mmのケーブルダクトなど工場内の段差に対する走破性を有している。また、加工ワークの搬送だけでなく着脱までを自動化する。ロボットアームの先端に搭載したビジョンセンサによる位置/姿勢の補正技術により、±1mm以下の位置決め精度を実現しており、工作機械へのワークダイレクト着脱が可能である。

 レーザスキャナにより人や障害物を検知し回避して走行できるため、安全フェンスは不要で、工場内で人との協働環境を実現する。さらに、自社開発のAGVコントローラでは、工作機械だけでなく、洗浄装置や計測装置などの周辺機器への搬送も一括制御する。

 「WH-AGV 5」を用いた自動化システムは、これまでのロボットシステムとは異なり、工場内全体の生産設備を接続して有効活用できるため、生産数の変動予測が難しい場合でも、状況に応じて柔軟に工程変更が可能。「WH-AGV 5」単体でも購入可能で、既存機への後付けもできるため、変種変量生産が多い中小企業の顧客にも導入しやすい自動化システムとなっている。さらに、工作機械の自動化だけでなく、FA業界全体で活用できる。

  なお、「WH-AGV 5」は10月20日(水)~23日(土)の4日間、ポートメッセなごやにて開催される「メカトロテックジャパン2021」にて展示される。同社Webサイトにも動画を公開している。

■動画
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=5926(CGのご紹介映像)
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=5927(工場内の実機映像)

主な特長

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素材ストッカからのワークの搬出

 

 ・無軌道型AGVと人協働ロボットにより、ワークの搬送や着脱など、工場内の物流搬送を自動化
 ・作業台車と同等サイズのコンパクト設計
  + 全幅700 mm×全長1,030 mm×全高1,750 mm
 ・AGVの最大搬送質量200 kg、ロボットハンドの最大可搬質量 5 kg
 ・レーザ測域センサによるガイドレス走行により、レイアウト変更や生産工程の変更にも柔軟に対応
 ・レーザスキャナにより、人や障害物を検知して衝突を回避し、工場内を安全に自動運転
  + 安全フェンスは不要
 ・ロボットアームの先端に搭載したビジョンセンサによる6軸補正により位置決め精度±1 mm以下
  + 工作機械へのワークダイレクト着脱を実現
 ・四つの従動輪にはオムニホイールを採用し、車軸を天秤構造にすることで、従動輪が常に接地する構造を実現
  + 不整地での高い接地安定性
  + 最大高さ35 mmのケーブルダクトを乗り越える高い走破性
 ・非接触給電装置を搭載し24時間の連続稼働を実現
  + ロボットアームの作業中でも充電可能*3
 ・既存工場への導入や既存設備への後付けが可能
 ・物流現場など工作機械を使用しない工場でも使用可能
 ・自社開発のAGVコントローラにより、WH-AGV5と工作機械、周辺機器を一括制御

 

アマダマシナリー 業界初! デジタルプロジェクターを搭載したデジタルプロファイル研削盤「DPG-150」を市場投入

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 アマダマシナリーが10月20日よりデジタルプロファイル研削盤「DPG-150」の販売を開始する。この製品は、熟練の技術を要するプロファイル研削加工をデジタル化により誰でも使いやす く進化させた画期的なマシン。

 プロファイル研削盤は、研削加工の中でも特に高い精度を要求される際に用いられるマシンで、精度計測や補正加工をすべて作業者の目による判断で行っている。同マシンは、特許出願済の独自の撮像技術を活用したデジタルプロジェクターを業界で初めて搭載した。

 業界初の汎用デジタル計測機能や自動計測・補正加工機能により、経験の浅い作業者でも高精度加工が可能となり、技能育成期間の大幅な短縮を見込める。また、ATC/AWC(自動工具交換・被加工物交換)ロボットを装着すれば作業者が不在の時でも連続自動 運転が可能となり、生産性が大幅に向上する。

 研削加工市場全体で高精度要求が高まる中で、 多くの顧客が作業者のスキル不足や技能継承に課題を抱えているが、これら課題の解決を、同マシンの工数削減・作業簡易化・自動化機能が支援する。また、現在活況である電気自動車 用車載電子部品・機構部品関連の顧客に対しては、生産性向上が見込める自動化仕様を提案していく。

 対象地域は日本・アジア・欧州・北米となる。現在プロファイル研削盤市場は日本・中国・韓国を中心に展開されているが、同マシンは欧州・北米・ASEANにも拡販する方針。少子高齢化と製造 業従事者の減少が加速する日本・欧州・北米に対しては自動化仕様を、技術者育成に力を注ぐ 中国・ASEANには、誰でも簡単に操作できるデジタル加工支援機能をアピールすることで、新たな市場を開拓する。

主な特長

(1)業界初 デジタルプロジェクターを搭載(特許出願済)
 従来光学式プロファイル研削盤は光学式投影機を搭載しており、被加工物に光を当ててその影をスクリーンに大きく投影することと、その投影像をルーペでさらに拡大することで、0.1㎛(マイクロメートル)単位の精密な研削加工を行ってきた。精度計測や補正加工はすべて作業者の目による判断で行わなければならず、熟練の技能を要していた。同マシンは業界初のデジタルプロジェクターと高倍ルーペを搭載。32インチ4Kモニターにより、被加工物とといしをよりはっきりと見ることができ、かつ視野範囲も大きく広がった。また、操作性も向上しスマートフォンのように操作できる。

(2)デジタル化で工数削減・品質向上・作業者の育成期間短縮
 ・自動計測・補正加工機能:独自の画像処理ソフトにより、自動で被加工物の形状を常時計測し完成形との誤差を表示する。また、誤差分の補正加工も自動で行う。一つの製品の加工において、作業者は初期段取りさえ行えば、あとの作業をマシンがすべて自動で行う。これにより、高精度加工の要であり作業時間の10~20%を占めていた計測作業に人手を要さなくなるうえ、作業者による品質ばらつきの抑制につながる。また、作業者育成に要する期間を大幅に短縮することができる。

 ・計測結果自動出力:従来は作業者の目で確認していた最終仕上げ精度を、同マシンは自動計測し結果の出力・フィードバックを行う。製品品質の信頼性とトレーサビリティの向上につながる。
 

 ・チャート紙不要:従来のプロファイル研削盤は、被加工物の完成形状を描いたチャート紙(専用シート)を投影スクリーン上に貼り付けて形状を確認していたが、同マシンでは自動計測機能によってチャート紙が不要となり、トータル作業時間が10%短縮、チャート紙の保管やチャート紙作成用設備の削減につながる。

(3)ATC/AWC(自動工具交換・被加工物交換)ロボットで生産性が大幅に向上
 ATC/AWCロボットを搭載した自動化仕様は、作業者不在時の連続自動運転が可能。ATCロボットにより、1つの製品に対して粗加工から仕上げ加工まで全自動運転が可能となり、AWCロボットにより複数製品の連続加工が実現する。夜間などオペレーター不在時の長時間自動運転が可能となり、生産性が向上する。

マシン仕様 

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日新ダイヤモンドが2点の新製品をリリース!

 オーエスジーのグループ会社である日新ダイヤモンドが、このほど「スーパーヘール用バイト」と、「単結晶標準インサート」を同時リリースした。いずれも10月20日8水)から23日(土)までポートメッセなごやで開催されるメカトロテックジャパンのオーエスジーブースにて展示の予定だ。

スーパーヘール用バイト

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 同社は、牧野フライス製作所が開発した次世代加工ソリューション「SMART TOOL」のスーパーヘール加工で使用する「スーパーヘール用バイト」の供給事業を本格化する。

 この製品は、加工機の性能を最大限に生かし、様々な加工において品質向上やコスト削減に寄与するエンジニアリングツール・機能の総称として牧野フライス製作所が策定した名称。

 両社は昨年より技術開発を重ね、本年2月に正式に業務提携契約書を交わし、スーパーヘール加工に特化したヘールバイトの製造販売を「SMART TOOL」ブランドにて日新ダイヤモンドが行うことになった。

 従来の真空装置などのシール面加工は、エンドミルなど回転工具で切削加工した後、その切削痕を職人が手磨きで直線方向のスジにし、気体の流出入を押さえる事で高真空、超高真空の状態を作り出しており、職人による手磨きは加工時間と技術の熟練度が必要なため真空装置の受注拡大に対して出荷数で対応できないネック工程でもあった。

 次世代加工ソリューション「SMART TOOL」のスーパーヘール加工を使用すれば、コーナー部でも送り速度6,000mm/minの高速のまま、減速せずに加工ができるうえ、面粗度も高いレベル(Ra 0.8μm)をキープし、シール面の磨きレスなど、工程短縮により、総加工時間が最大80%短縮できた事例もあり、今後の真空装置生産現場に於いて効率的な生産方法を提供できることになる。

 今後も同社では牧野フライス製作所における「SMART TOOL」事業の研究開発を支援し、被削材別に超硬・コーテッド超硬、PCD・CBN・単結晶ダイヤ等のソリューションを提案し世界市場へ提供する方針。

単結晶標準インサート

211018日新ダイヤモンド2

 従来の単結晶ダイヤモンド工具は高価格なうえ、取り扱いが難しく、安易に使用するにはハードルが高いという問題があった。ダイヤモンドは地上で一番固い物質であり、刃物にすると切削摩耗が小さく、高速切削で鏡面が得られる工具であることは知られており、同社の樹脂~非鉄金属加工ユーザーより重宝されている。

 一方で、PCD工具と比較すると高価であり納期を約30日程度要することから顧客のニーズに間に合わず鏡面切削加工を売りに出来るチャンスを逃すことが多くあったため、今回、同社では単結晶ダイヤモンドをインサートチップ上に特殊接着を行い、標準品として在庫を持ち、国内だけではなくアジア、ヨーロッパ、北米への市場投入を開始した。試験販売を8月よりスタートし、10月1日より正式に販売開始となった。

 第一弾として旋盤加工用で最小の4品番のRサイズ違い8品目を標準在庫化ラインナップ。外径・端面から内径、倣い加工に対応でき、磨きレスや大幅時間短縮が可能となった。