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三菱日立ツール 販売店を対象に「商品説明会」を開く

 三菱日立ツール(社長=菊池 仁氏)が、2月3日、都内の第一ホテル東京で販売店を対象とした「商品説明会」を開いた。

 あいさつに立った菊池社長は、日頃の感謝の意を表したあと、MOLDINOブランドについて、「MOLDINOは金型産業を中心に得意分野で圧倒的なナンバーワン、これを追求すべく新商品の開発と製造をしている。既に発売して好評をいただいている高精度材用“TH3”をさらに展開していくほか、刃先交換式工具においては、荒加工から中仕上げあるいは仕上げまでカバーする金型加工のトータルの提案を可能とする商品の品揃えをしていく。お客様の期待に応えて、さらにその期待を超える圧倒的ナンバーワン工具の開発と製造を約束する。」と力強く述べたあと、「圧倒的ナンバーワンの商品を開発・製造する一方で、お客様が欲しいのは工具そのものではなくてニーズに合った加工や加工方法だと考えている。工具の世界でも競争は激しくなるばかりだが、競争する上では、工具の性能はもちろんのこと、工具の使い方によって生産現場のコストダウンや生産性の向上、品質の向上について、お客様に実感していただく必要がある。」との考え方を示した。

あいさつをする菊池社長
あいさつをする菊池社長
 また、工具の性能を最大限に引き出すためのアプリケーションについて、「抱き合わせで提案できるよう周辺機器メーカー、あるいは工作機械メーカーなどとも積極的にコラボレーションを行って、お客様に納得していただける加工提案を行っていく。ニーズには高能率な加工、高精度な加工、高品位な加工、微細な加工、難易度の高い加工、あるいは自動化や省人化などのニーズが高まっていると考えている。工具メーカーとしてできることについて、愚直かつ誠実に取り組んでいく」と意気込みを述べた。

「PRODUCTION50」と「MOLDINOが目指す金型戦略」

説明をする坂本技術本部長
説明をする坂本技術本部長
 同社では、ここ数年「PRODUCTION50」をスローガンに掲げて展開している。これは、最適な工具の選定や加工方法の最適化、工程の短縮、工程集約、あるいはコスト改善を含めた生産性向上に貢献する工具や加工方法を提案するもので、菊池社長は、「われわれが提供するMOLDINO精神が切削加工において差別化されて、抜きん出た存在になりたい。製造原価に占める工具費の割合は、一般的に2%~3%。工具費以外の製造原価には、例えば人件費や機械の償却費、電力代、研削費用、検査費用など製造に直接関わるもののほかに、加工の待ち時間も時間のコストに含まれる。工具単体の費用だけを着目して、2%~3%しかない工具費をより安価なものに替え、あるいは値引きなどに釣られるよりも、切削時間の短縮ができたり、工程短縮に寄与できる工具を使用することのほうが、トータルの加工費が削減し、経済的に貢献できると考えている。」と、同社製品を使用することで得られるメリットをアピールした。

 今回の商品説明会では、MOLDINOが目指す金型戦略について、同社の開発技術を一手にまとめている坂本 靖 開発技術本部本部長(以下坂本本部長)が説明をした。

その中で、坂本本部長は、「金型加工は加工プログラムを都度変更するので、工具や条件変更の自由度が高い。また工具だけでなく、加工方法の提案により能率や品質改善にもつなげることができるので、加工提案でさらなる付加価値の創出ができる。まさにわが社のコンセプトに合った加工分野ではないかと考えている。MOLDINOではこの性能工具と共にかけがえのないパートナーとなるべく、金型ユーザーさまと共に成長していきたい。」と意気込みを見せた。

 次に、金型市場についてご説明をした。世界の金型市場については、「ドイツの研究機関がまとめたものだが、技術面と市場の規模、どちらもリードしているのが日本・ドイツ・アメリカ・韓国といった4カ国となっているが、最近は停滞気味。2015年度以降大変大きな変貌を遂げている国は中国。中国は市場規模として非常に大きなものだが、製造技術の点で先進国に対して劣るところがあったものの、最近は技術力の向上が非常に目覚ましく、賃金上昇による問題等も乗り越えて、非常に成長している。」と中国の成長力について述べ、
メキシコについては、「従来、金型は海外からの輸入に頼っていたが、最近は国内生産を強化しており、市場規模として大変大きくなっている。」とした。

 ベトナムについては、「先ほどの中国の賃金上昇の、脱・中国の受け先になっていることもあり、市場規模が非常に拡大している。また同時に海外メーカーも多く進出し、その技術力の向上には目を見張るものがある。」と述べた。

 こうした時流を背景に日本の金型メーカーが国内生産で勝ち抜くためには、「既に定評がある製造技術、加工精度、高品質に加え、短納期が重要要素になるだろう。そのため製造技術の確立というのが非常に重要になる。」との考えを示した。
 
 金型市場に大きな影響を与えるのは、自動車産業だが、内燃機関中心の自動車から電気自動車への移り変わりが進んでいる。この件について、坂本本部長は、「自動車業界は大きな転機を迎えている。この電動化の技術を支える一つが軽量化技術であり、多くの部品が、従来と異なる軽量化素材が使われるようになっている。チタン、マグネシウム、アルミニウム、樹脂など、今後もますます新素材が増えていくだろう。こうした中で金型市場が直面している課題は、自動車産業では、開発期間の短縮、量産へのスムーズな展開に向けた試作品製作、新商品投入による金型の短納期化の要求が非常に高まっている。また、高強度部材の成形により金型の難削化、高精度化、こうしたニーズも高まっている。」と説明をした。

 金型業界に貢献するために開発された工具における優位性が説明され、第2部の懇親会では、和やかな雰囲気の中、参会者は交流を楽しんだ。

 

岡本工作機械製作所「2019年度 PSG会東部支部連絡会」を開く

 岡本工作機械製作所(社長=石井常路氏)が、2月7日、横浜市内の新横浜国際ホテルマナーハウス南館で「2019年度 PSG会東部支部連絡会」を開いた。同社の現況報告のほか、『研削革命 ~ラインナップと超精密への取組み~』、『研削革命 ~高能率への取組み~』、『研削革命 ~丸物・自動化への取組み~』がそれぞれ説明されか第二部は、毎度人気を博している伊藤 暁取締役技術開発本部長の特別講演もあり、盛り上がりをみせた。

SHINKA(深化・進化)へ向けて

説明をする石井社長
説明をする石井社長
 中期経営計画について石井社長から説明があった。その中で石井社長は、「弊社は研削盤のリーディングカンパニーとして創意工夫した機械を市場投入しているが、今後はそれに加え、AI、IoTの技術を加えた新しい研削盤を投入していく。2019年に3月に全中期経営計画『Mission GX2019』を終了した。目標売上高は320億、営業利益8%、25.5億に対し、売上は361億、営業利益10.9%の39.3億円と大幅に目標を超過できた。さらなる飛躍を目指して、2022年3月期を最終年度とした新しい中計、3カ年の『SHINKA2022』を昨年6月に発表した。売上の目標はほぼ横ばいの380億円、営業利益は46億円を目標とし、景気の変動に左右されず安定的に利益ができる企業を目指したい。」と意気込みを見せた。

 具体的には、国内工作機械、海外工作機械、半導体関連装置、歯車・鋳物(いもの)事業の4つの事業セグメントを有効にしながら安定した収益を確保できる企業になる――とし、その実現のための3大戦略は、①顧客ライフバリュー強化、②グローバル戦線の拡充、③ものづくり改革とした。

 石井社長は「どのような環境でもしっかりした収益を確保できる企業に進化を図るべきだろうということで、新中期計画の名前も『SHINKA』と名付けた。お客様に工作機械をただ提供するB to Bの関係からB with Bの関係に強化していきたいと。」と思いを滲ませた。

 また、同社では、サービス体制の拡充に努め、顧客の要望に合う教育支援の展開、保守・メンテナンスサービスの開発に注力するため、カスタマーサービス担当部署を本部制に格上げをした。サービス人員の増強、アフターパーツのリードタイムの短縮、そして保守・メンテナンスサービスの強化に努めていくとしている。

 グローバル戦線の拡充については、世界のポテンシャル市場を見極め、製品別、エリア別の販売戦略を再構築し、それぞれのエリアの市場性やニーズ、タイミングを見極め、適切な機種を投入していくためのリサーチ機能の強化、高付加価値の高い機種の拡販のための、アプリケーションエンジニアの拡充を図っていく考え。また、生産性が期待できるインドにも今年は進出するとした。

 ものづくり改革については、本社安中工場、タイ、シンガポール、新たに開設した中国の4つの生産拠点を使い、それぞれの工場の適性化を図りながら機能の検証を高め、高い技術を保持し、生産地の直送体制を強化していく考え。

EV化により研削盤の需要は増

あいさつをする渡邊常務
あいさつをする渡邊常務
 第二部の懇親会であいさつに立った渡邊哲行常務は、「今後研削盤の工程について2つの流れがある。1つは自動車。今までガソリン車の場合は、ガソリンエンジンの自動車部品とか直接研削盤で加工する部品は非常に限定されていた。特に平面研削盤で自動車部品を削ることはほとんどなく、限られた部品である。それが電動化になってくると、モーターがある。モーターにはステーターとローターがあり、これらは全てプレス部品で作られている。日本各地でモーター関係をやられているところがどんどん設備をしている。日本だけではなく、欧米やアジア圏にもかなり大型の研削盤が入っている。また、自動運転が増えてくると車の中にセンサーやカメラモジュールも増加する。かなり高性能な金型が増えているので、EV化により研削盤の需要が増えるだろう。」との見方を示した。

 またトレンドである5Gについても触れ、「5Gが増えると半導体製造装置は間違いなく増えてくる。半導体製造装置協会は2021年、22年が一番ピークになると見通しを立てている。」と述べ、「新しい技術がこれからどんどん出てくる。私どもとPSG会各社様の情報を共有化して、情報をいろいろ取り交わしていただければ幸いである。」とあいさつをした。

 上大迫 顕基 山善 機械事業部 副事業部長の乾杯の発声で開宴し、宴もたけなわのころ散会した。

三井精機工業 名古屋で「MTF2020」を開催

セミナーの様子(名古屋会場)
セミナーの様子(名古屋会場)
 三井精機工業(社長=加藤欣一氏)が、2月5日(水)~6日(木)の2日間、名古屋国際展示場(ポートメッセなごや)第3展示館で「MTF(MITSUI TECHNICAL FAIR)2020」を開催した。

 今回のテーマは「技術、技能の継承~100周年に向けて」。59社の協賛メーカーも出展し、華やかな展示会となった。2月6日は、世界的企業として名高いトヨタ自動車のエンジン生技部長 泉 俊宏氏による「TNGAエンジンラインでの取り組みと目指すべき方向性」をテーマにした特別講演が開かれ、会場は大いに盛り上がった。

 今回の名古屋会場では、

コンプレッサ『Zgaiard SKYシリーズ』から新型屋外設置型モデルが誕生!
コンプレッサ『Zgaiard SKYシリーズ』から新型屋外設置型モデルが誕生!
コンプレッサ『Zgaiard SKYシリーズ』から新型屋外設置型モデルが誕生しており、設置面積も自社比38%削減(ZV37)、56%削減(ZV75)とコンパクトになっているうえ、パッケージの防水評価試験を実施し、保護等級IP23を実現している。

 注目したい点は、吸気口、排気口、のルーバーを見直し、浸水時に対し外部排出構造を採用したこと。雨風にも強く、洗練されたモデルとなっていた。

 また、コンプレッサの監視システムなども展示しており、これは、保守点検を積極的に進めることによって、異常をなくす、あるいは万が一異常があったとしても、サービス会社がどういう状況で異常が出たのかが分かるので、的確なサービス対応ができるというもの。ダウンタイムを短縮するニーズに応えたシステムだった。

『PJ812』はジグボーラーと同等以上の精度を実現!
『PJ812』はジグボーラーと同等以上の精度を実現!
 一方、工作機械の注目商品は、Precision Profile Center『PJ812』。ジグボーラーと同等以上の精度を実現している。門型構造だが、一般的な門型はZストロークが長ければ長くなるほど精度が安定しないので、乗せるワークも限定されてしまうという課題があった。

 同社の『PJ812』は、Zストロークが500㎜まで確保しているので、ヘッドライトの金型など、高さがあるようなワークも加工できる。

加藤社長
加藤社長
 仕上げ加工においては、主軸回転数も3万回転で40番が標準だが、1万2,000回転で50番も用意していた。荒、中、仕上げまでの全てを使いたい! という欲張りユーザーのために使用できる有難いモデルとなっていた。
 
 さらに気になる熱変形対策においても、主軸、ボールねじの軸心冷却に加え、さらに摺動による発熱が鋳物部分に伝わり変形するのを防ぐためにX、Y軸摺動面の冷却機構を標準搭載していた。

 加藤社長は、「1月29日から2日間にわたり本社工場で開催したMTF2020も1300名以上の来客があった。景気の見通しはシビアだが、ものづくりに関わる皆様は非常に勉強家でいつもなにかを探している。今回、ご協賛してくださった59社の皆様との情報交換も充実している。今年はJIMTOFの開催年なので、コンプレッサや工作機械の次のご提案の足掛かりをつくっている状況。コロナウィルスがいつ終息するか分からないが、半導体がけん引する見通しであり、今年は急速に良くなる可能性がある。」と期待を滲ませた。

本社工場で開催されたMTF2020の様子
(写真提供:三井精機工業)

日進工具 「NS TOOLプライベートショー2020 精密・微細加工技術展」を開催

 去る1月29日(水)~30日(木)の2日間、 日進工具(社長=後藤弘治氏)がパシフィコ横浜展示ホールCで「NS TOOLプライベートショー2020 精密・微細加工技術展」を開催し、多くの来場者で賑わった。

 12年ぶりの開催となった今回のテーマは「日進工具は、SOFT・HARD・HEARTを融合させた精密・微細加工の新しい方向性を提案します」。機械メーカー8社、周辺機器メーカー21社、大学・研究機関8校が出展し、加工メーカーも自慢のワークサンプルを展示した。
このほか、松岡技術研究所の松岡社長の基調講演のほか、出展者によるセミナーなど多数開かれ、どれもが満席だった。

あいさつする後藤社長
あいさつする後藤社長
 後藤社長は開会式で、「2020年はいよいよ5Gが本格化する。その5Gネットワークで重要になるのは、本日お集りの皆様の精密・微細加工技術。この展示会では、最新の加工機、技術を見て頂けるものと確信しており、この展示会が日本の製造業を明るくするきっかけにしたい。」と意気込みを示した。

 会場内では、同社の特長でもある最新の微細工具が展示され、これまでのワークショップを紹介したパネルや、加工の悩みを抱えるユーザーへの技術相談に応じるコーナーも設置され、いずれも好評だった。また、同社仙台工場の画期的な免震構造や自社開発のR輪郭度測定装置、社会貢献活動などを紹介した。

(写真:金型新聞社提供)

OKK 大好評の「VB53」がさらなる高精度を追求し「VB53α」へ進化!

 OKKのマシニングセンタ「VB53」は、コストパフォーマンスに優れ、アジア新興国を中心に高い評価を得ていたが、近年、加工部品の要求精度の高まりにより、同機においてもさらなる精度向上の要望があり、同社では、「機械コンセプトを変えず、より高精度を追求する。」をモットーに新しく立形マシニングセンタ「VB53α」を開発した。

 このマシンは、機械的な改良と機械に実装したセンサから得られる温度変化情報を基に、リアルタイムで加工点の変位を補正する機能の環境熱変位補正「ソフトスケールCube」を標準搭載することにより、さらに精度を向上させている。

 また、クラス最高レベルの接近性を実現することで、作業性の向上を図り、オペレータへの負担を軽減。テーブル前後にコイルコンベヤ2基を標準装備し、Y軸シャッターの山折角度を大幅に改善し、切屑排除の作業性を向上している。

 さらに、加工中に発生する切屑やクーラントの熱が直接ベッドに伝わらないよう防御用プロテクターを標準装備していることも嬉しい。

 高速主軸、リニアスケール、高分解能ボールねじ、大容量データサーバ、高精度輪郭制御Ⅱ+高速プロセッシング等、金型仕上げ加工をサポートする機能を標準装備。

 なお、進化した「VB53α」は、本年4月15日(水)~18日(土)まで、インテックス大阪で開催される「INTERMOLD2020/金型展2020/金属プレス加工技術展2020」に出展する。

タンガロイ 先端交換式ドリル「DrillMeister(ドリル・マイスター)」DMPヘッド新材種AH9130拡充

 タンガロイは、このほどヘッド交換式ドリル「DrillMeister(ドリル・マイスター)」DMPヘッドに新材種AH9130を拡充し、発売した。

 DrillMeisterは独自の自己拘束型クランプシステムの採用により、簡単で迅速なヘッド交換を可能にしている。工具交換は、ヘッドを付け替えるのみでツールホルダからのドリルボディの脱着や突出し量の調整が不要となることから、工具交換時間を大幅に短縮できる。

 既に高精度加工用ヘッドDMCで好評の新材種AH9130を汎用ヘッドDMPに拡充。AH9130はドリル用に開発された新材種で、3種類のNano積層膜を融合した「トリプルNanoテクノロジー」を盛り込んだコーティング膜種を適用した。このコーティングにより、ドリル加工に必要な「耐摩耗性」「耐欠損性」「耐酸化性」「耐溶着性」「耐被膜剥離性」を高次元で共存させることで、様々な加工状況において、長寿命を実現する。

 同社では、「今回の拡充により、DrillMeisterは工具寿命の改善に大きく効果を発揮し、お客様の加工コスト低減に大きく貢献する。」としている。

 主な特長は以下の通り。

 ●ヘッド径:φ10.0~φ19.5mmサイズを拡充。
 ●3種類のNano積層膜を融合した「トリプルNanoテクノロジー」を盛り込んだコーティング膜種を適用。
 ●「耐摩耗性」「耐欠損性」「耐酸化性」「耐溶着性」「耐被膜剥離性」を高次元で共存させることで、様々な加工状況において長寿命を実現。

■主な型番と標準価格
 ●ヘッド
 ・DMP100 AH9130:8,590円
 ・DMP150 AH9130:10,020円
 ・DMP190 AH9130:13,900円
 (税抜価格)
 全アイテム:25形番 

アマダホールディングス 欧州・板金切断加工機用自動化装置メーカーを完全子会社化 ~欧州向け自動化装置の供給を強化し、地産地消体制を確立~

LKI 社屋外観
LKI 社屋外観
 アマダホールディングス(社長=磯部 任氏)は、1月31 日付で、フィンランドの板金切断加工機用の自動化装置メーカー LKI Käldman LTD.(エルケーアイ ケルドマン、所在地:フィンランド ヤコブスタード近郊、CEO:Leif KÄLDMAN、以下LKI)への 出資比率をこれまでの40%から100%へと引き上げ、完全子会社と発表した。これに伴い4月1日よ り、LKIは、「AMADA AUTOMATION EUROPE LTD.(以下、アマダオートメーションヨーロッパ)」 に社名変更する。

 今回の背景について同社では、「近年の板金加工業界では、発振器の高出力化とレーザ技術の高度化により、ファイバーレーザマシンの需要が急速に拡大している。欧州のアマダグループでは、CO2 レーザマシンやパンチングマシンからの置き換えに加え、厚板を扱う業界からの新規引き合いが増加している。」とし、さらに欧州では、「労働時間の制約と人件費の高騰等により、板金切断工程において設備の自動化が前提となっている。」と述べている。

 同社では、2009年からLKIと資本業務提携を行い、欧州向けの板金切断加工機用自動化装置の製造において協業することで、欧州の顧客からの要望に対応していた。

LKI 工場内
LKI 工場内
 今後の展開については、① 2020年4月以降に現在 2カ所ある工場を1カ所に集約し、設備を増強することで、自動化装置の生産能力を2022 年度までに約2倍にする、 ② 新たに、パンチ・ファイバーレーザ複合マシン用の自動化装置の生産を2020年10月より開始する――としている。

 今回の完全子会社化により、欧州向けのすべての自動化装置をアマダオートメーションヨーロッパが供給することになる。すでに板金加工機械においては、フランスのシャルルビル=メジエール工場の拡張を完了し、生産能力を増強するなど、現地ニーズに対応した商品を迅速に供給できる体制を整えてきた。欧州のファイバーレーザ市場および自動化ニーズの拡大を視野に、引き続き商品の供給体制を強化することで、2021年度までに売上高4,000 億円の達成を目指す。

■アマダオートメーションヨーロッパ 概要

三菱マテリアル 自動盤・小型旋盤用超硬ソリッドドリル“WSTARドリルシリーズ”「DWAE」を発売

 三菱マテリアル 加工事業カンパニーは、このほど自動盤・小型旋盤用超硬ソリッドドリル“WSTARドリルシリーズ”「DWAE」の発売を開始した。

 自動盤・小型旋盤用超硬ソリッドドリル“WSTARトドリルシリーズ”「DWAE」は、低抵抗で切りくず処理に優れ、自動盤・小型旋盤において安定した穴加工を実現する超硬ソリッドドリルで、今回、外部給油式の加工径3mmから12mmまでの122アイテムを発売した。

 主な特長は以下の通り。

 ① 小型旋盤の加工スペースに合わせてフルート長さを短く適正化し、機械や被削材への干渉を防止。
 ② ワーク剛性やクランプ剛性の確保が難しい状況でも、低抵抗設計なため穴あけ加工が容易。
 ③ 独自開発のウェーブ刃形が切りくずをコンパクトに分断し、溝形状の最適化で切りくず詰まりを防止。
 ④ 独自表面平滑化処理により、切削抵抗の低減や優れた切りくず排出を実現。
 ⑤ 新開発のPVDコーテッド超硬材種「DP102A」は、潤滑性と耐熱性に優れ、特に低速から中速領域の切削条件下において優れた耐摩耗性を発揮。

・標準価格 : DWAE0300X02S030 DP102A:7,540円
(代表型番) DWAE0300X04S030 DP102A:8,900円
   DWAE0600X02S060 DP102A:10,900円
   DWAE0800X04S08 DP102A:15,200円
   DWAE1200X04S120 DP102A:21,500円
(*いずれも税き価格)

「つながる社会 5Gに期待」オーエスジー 賀詞交歓会を開く

あいさつをする石川社長
あいさつをする石川社長
 去る1月24日、オーエスジー(社長=石川則男氏)が、同社アカデミー内ゲストハウス(愛知県豊川市一宮町)で、「2020OSG全国合同賀詞交換会」を開いた。

 あいさつに立った石川社長は、日頃の感謝の意を表したあと製造業界のトレンドでもある5Gと産業革命について触れ、「20世紀の半ばにコンピュータを活用したものづくりが始まり、パソコンの普及が大きな役割を果たした。今から約30年前1990年前後に普及したインターネット抜きには第3次産業革命の発展は語れない。このインターネット革命の先にあるのが、デジタル革命といわれる第4次産業革命だ。ロボット工学、人工知能AI、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、IoT、3Dプリンター、自動運転など、さまざまにわたる分野で大きな技術革新が実用化される時代、通信速度を飛躍的に高める5Gの技術は第4次産業革命をけん引する。ありとあらゆる情報が一気にダウンロードできるようになると、一つ一つ単独した情報の価値というものは必ずしも高くなく、情報はつながることが重要になる。つながった情報を活用し、生かすことができれば、情報には大きな価値が生まれる。」との見方を示した。

 また、同社が製造する切削工具について、「工具は総合的につながった形の商品とサービスが真の価値を生むものと思われる。オーエスジーは皆さまと共に、切削工具だけではなく、周辺技術、周辺機器をつなぎ、そしてアフターサービスまでつなぎたいと考えている。」と意気込みを示した。

山善 長尾社長
山善 長尾社長
 続いて、卸売代行店・特約店代理店を代表して、長尾雄次 山善社長が、「昨年は、1年間の製造業の設備投資の代表格である工作機械業界を通して、祭りの後の静けさに包まれた1年であったと表現されているが、今年の前半は同様の状態が続くのではないかとみている。他にも地政学的リスクがあり、数え切れないほどグローバル経済にも大きな影響を受けているが、悪いことばかりではなく、半導体市場は早期に持ち直して盛り上がってくると思われる。こういう厳しいときにこそ土を耕し種をまくということが大事であり、また古今東西、成功への要諦は目標とその手段の徹底である。常に心に太陽を持って、積極的に前を向いて進んでいかなければならない。」と、活力あるあいさつをした。

 鏡開きが行われ、乾杯の発声を三橋 誠 テヅカ社長が行い開宴した。宴もたけなわの頃、散会した。

「企業価値を高める!」 DMG森精機  2019年12月期(1~12月)連結決算

説明をする森社長(写真左)
説明をする森社長(写真左)
 DMG森精機(社長:森 雅彦氏)は、2019年12月期(1月~12月)の連結決算を発表した。

 当期における連結業績は、売上収益4,857億78百万円(前年同期5,012億48百万円)、営業利益373億39百万円(前年同期362億61百万円)、税引前当期利益314億51百万円(前年同期312億75百万円)、親会社の所有者に帰属する当期利益179億95百万円(前年同期185億17百万円)となった。なお、当期の利益配当金は、1株当たり年間60円(前期50円)を実施する。

 当期の受注額は、4,094億円で前年同期比23%減となった。一方で、5軸・複合加工機など工程集約を目的とした機械の構成比が64%まで向上し、あわせて自動化・デジタル化が進展したことから1台当たりの受注単価は前年度に比べ6%上昇した。また、機械復旧サービス、補修部品の受注額は堅調に推移し3%増となった。

 地域別では、前年度まで好調に推移した反動から、日本が前年同期比42%減、米州は同27%減、中国を含むアジアは同29%減となったが、53%を占めるEMEAは同16%減と比較的減少幅は軽微にとどまった。産業別には、航空機・医療関連・金型業界向けが比較的堅調に推移した。2018年半ば以降大きく落ち込んでいた半導体製造装置業界向けは漸く引合いが増加しており、今後の受注増へ期待がもてる。一方、自動車関連業界向けは、自動車需要が調整局面にあること、技術変化への見極めを進めていることなどから弱含みの状況が続いている。

 同社の事業戦略については、工作機械が使用される製造現場では10年ごとに飛躍的な技術革新が起こっており、同社は、新時代の技術要求に応えられる生産設備を顧客に提供すべく、5軸・複合加工機やアディティブマニュファクチュアリング(積層造形技術)機をプラットフォームとした自動化・デジタル化の促進を掲げている。5軸・複合加工機によって生産工程が集約されることで、搬送や計測の自動化の需要が高まり、その帰結として、デジタル技術を活用したセンシングやAIを用いたデータ解析が進み、そこから学習された結果が工作機械本体の更なる高性能をもたらすという好循環を生み出す。そしてアディティブマニュファクチュアリングは、従来の切削加工では不可能だった複雑形状や軽量化を実現できる点で、導入した顧客にとって新たなビジネスチャンスとなる。同社には、テクノロジーサイクルやDMQP(DMG森精機認定周辺機器)などの取組みを通じてこれまで蓄積してきた、加工技術や周辺機器に関する豊富なノウハウがあり、こうした知見を強みに上述の好循環を加速化し、工場全体の稼働率を向上させるトータルソリューションプロバイダーを目指していくという。

 一方同社では、社員が自律的に自身の時間をマネジメントし、心身ともに充実した生活を送ってスキルアップできる風土を重視しており、“よく遊び、よく学び、よく働く”をモットーに掲げている。2020年も総労働時間の上限を見直し、全社員が定められた在社制限時間内で効率的に働きつつ、全社をあげたTQM活動による業務の本質的改善や新規システムの勉強などを進めている。環境保護の取組みとしては、ドイツではCo2-Neutralをめざした活動を始めており、日本でも太陽光発電の利用や緑化政策、バイオマス発電の研究を進めている。さらに、将来の工作機械産業の発展のための優秀な人材の育成支援をとして、森記念製造技術研究財団を通じた博士課程の学生への給付型奨学金の支給を行っている。同社は、グローバルにステークホルダーを持つ企業として社会的に求められる責任を果たし、持続可能な発展によって継続的に企業価値を高めていくという。

 次期の見通しについては、受注の微増を見込んでおり、開発・製造・販売・修理復旧の各分野での活動を通じ、さらなる企業価値の向上に努めていく。その通期業績(連結)予想は、売上収益4,000億円、営業利益200億円、親会社の所有者に帰属する当期利益85億円を見込んでいる。また、次期配当金についても、1株当たり年間60円の配当を予定。なお、米ドルレートは110円、ユーロレートは120円を想定している。