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DMG森精機 業績予想再度増額修正・増配予定!

210817DMG森精機
オンライン決算会見の様子

 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は、8月5日、オンデマンド配信で2021年上半期(1月~6月)の連結決算を発表し、会見を開いた。

 同社グループの当上半期の業績は、売上収益1,782億円(前年同期比16%増)、営業利益102億円(同4.2倍増)、営業利益率5.7%(前年同期1.6%)と大幅に改善した。また、連結受注額は2,184億円(前年同期比61%増)となった。これは同社が強みとする5軸加工機、複合加工機などの工程集約機に加え、周辺装置、ソフトウエアを組み込んだ自動化、フルターンキー需要の増加によるものだ。なお、機械本体の受注残高は、2020年12月末の960億円から2021年6月末には1,420億円と460億円増加した。

 受注動向で注目すべきは、当第2四半期(3カ月間)の連結受注高が1,170億円と前年同期比2倍増になったことだ。これを地域別でみると、国内が前年同期比66%増、欧州が同3.2倍増、米州が同67%増、中国が同71%増、アジアが同74%増となった。ちなみに、海外の地域別受注比率は、欧州が53%(同45%)、米州が18%(同24%)、中国が12%(同10%)、アジアが6%(同7%)と欧州の回復が顕著となった。

 産業別では、半導体製造装置・通信関連、EV関連部品、宇宙、医療機器、金型、脱炭素に絡む超精密部品など工作機械の需要増は広範囲にわたっている。民間航空機向け需要についてもようやく引合いが出はじめ、ほぼ下げ止まった。

 今年度の見通しについては、受注は世界市場でエネルギー、内燃系自動車関連を除くほぼ全産業に広がっていること、中小企業向け需要も拡大していることなどから、当面、好調に推移するものと期待し、受注見通しを4,000億円から4,200億円、売上収益を3,450億円から3,650億円、営業利益を140億円から200億円、税引前当期利益を95億円から165億円、親会社の所有者に帰属する当期利益60億円から110億円、普通株主に帰属する当期利益39億円から89億円に再度上方修正した。また、年度配当金も増額予定であるという。
 

アストロスケール 経済産業省より宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術開発を受託

 アストロスケールホールディングスの子会社で人工衛星の製造・開発を担うアストロスケールはこのほど、経済産業省より、令和2年度補正宇宙開発利用推進研究開発(宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術開発)を受託した。

 人工衛星の寿命延長や燃料補給を含む「軌道上サービス」は、衛星運用コストの削減やデブリ発生抑止などの観点より、世界的に需要の拡大が見込まれている。同サービスの提供には、複雑な作業が多数必要であり、遂行のための宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンドの技術は、軌道上サービスの中核をなす要素技術でもある。米国政府が主導する月面探査・拠点建設活動(アルテミス計画)における要素技術としての波及も期待されている。

 受託契約は令和2年度配分額として最大2.7億円を予算に、軌道上や月面の船外環境で複雑な作業を自律的に遂行できる、宇宙船外汎用作業ロボットアーム・ハンド技術の開発を支援するもの。アストロスケールを含む二社が採択され、具体的には、①汎用作業ロボットアーム・ハンド技術、②高度かつ低負荷な自律制御技術、③ロボット手先の転換を可能とするインターフェイス技術を含むロボットシステムの研究開発を3カ年度以内に行い、④軌道上サービスの市場動向や標準化動向等を継続的に把握・分析し、開発計画に反映させるとともに、開発成果を標準化活動機関へインプットすることを主な内容としている。

2021年4~6月期 ロボット統計受注・生産・出荷実績まとまる 日本ロボット工業会

 日本ロボット工業会がこのほどまとめた2021年4~6月期のロボット統計受注・生産・出荷実績は次のとおり。

■業況
 2021年4~6月期は、受注額が対前年同期比56.5%の増加、生産額が32.7%の増加と、それぞれ前年同期を大きく上回り、四半期として過去最高となった。

 出荷実績をみると、国内向けは自動車製造業向け中心に依然勢いは弱いものの、一部業種、用途で下げ止まり傾向を示し、需要回復が遅れる国内向けに一定の期待を持たせる結果となった。輸出は、引き続き中国向け中心にアジア向けで好調、欧米向けも回復基調となった。出荷額における輸出比率は8割を超えた。実装用は昨年からの大幅な需要増が主要国向け全体で継続しており、溶接用も地域差あるものの、大幅に増加した。

 一部過熱感が懸念され、世界的な新型コロナウイルス感染症の影響や地政学的リスクなど、先行きに依然不透明さが漂うものの、中国向けが需要を強く牽引する構図が継続している。受注・生産・出荷の各状況は以下の通り。

1.受注
 ・受注台数:71,650(台)(前年同期比+59.9%)    【3四半期連続の増加】
 ・受注額 :2,502(億円)(同+56.5%)        【4四半期連続の増加】

2.生産
 ・生産台数:59,457(台)(前年同期比+37.4%)    【3四半期連続の増加】
 ・生産額 :2,098(億円)(同+32.7%)        【3四半期連続の増加】

3.出荷
 ・総出荷台数:59,693(台)(前年同期比+34.8%)【3四半期連続の増加】
 ・総出荷額 :2,089(億円)(同+31.6%)          【3四半期連続の増加】
  -国内出荷台数: 9,021(台)(同+21.8%)      【9四半期ぶりの増加】
  -国内出荷額 :  389(億円)(同+12.4%)    【7四半期ぶりの増加】
  -輸出台数     : 50,672(台)(同+37.4%)     【3四半期連続の増加】
  -輸  出  額  :    1,700(億円)(同+36.9%) 【3四半期連続の増加】

3.1 国内出荷内訳

電気機械製造業向け
 ・国内出荷台数:2,975(台)(前年同期比+57.5%)【2四半期連続の増加】
 ・国内出荷額 :123(億円)(同+39.6%)    【7四半期ぶりの増加】
自動車製造業向け
 ・国内出荷台数:2,477(台)(前年同期比▲1.8%)【7四半期連続の減少】
 ・国内出荷額 :111(億円)(同+0.0%)      【7四半期ぶりの増加】

3.2 輸出内訳

電子部品実装用

 ・輸出台数:    5,363(台)(前年同期比+40.0%【6四半期連続の増加】
 ・輸出額 :    776(億円)同+35.3%)       【6四半期連続の増加】
溶接用
 ・輸出台数:    10,076(台)(前年同期比+59.3%)【3四半期連続の増加】
 ・輸出額 :    190(億円)(同+34.5%)        【3四半期連続の増加】

日本建設機械工業会 2021年6月度建設機械出荷金額統計まとまる

 日本建設機械工業会がこのほどまとめた2021年6月度建設機械出荷金額は次のとおり。

 6月の建設機械出荷金額は、内需は1.6%増加の818億円、外需は67.4%増加の1,624億円となった。その結果、内需は2カ月連続の増加、外需は8カ月連続の増加となった。総合計では37.6%増加の2,442億円となり、8カ月連続の増加となった。

 内需について機種別にみると、トラクタ8.5%増加の81億円、ミニショベル9.7%増加の87億円、コンクリート機械58.2%増加の28億円、油圧ブレーカ・圧砕機22.1%増加の20億円、その他建設機械3.5%増加の62億円の5機種と補給部品0.4%増加の113億円が増加し、内需全体では1.6%の増加となった。

 外需について機種別にみると、トラクタ61.2%増加の174億円、油圧ショベル96.1%増加の676億円、ミニショベル63.2%増加の283億円、道路機械180.9%増加の38億円、コンクリート機械29.3%増加の1億円、基礎機械35.0%増加の3億円、油圧ブレーカ・圧砕機81.1%増加の9億円、その他建設機械58.0%増加の191億円の8機種と補給部品36.8%増加の189億円が増加した。

 地域別にみると、オセアニアが11カ月連続の増加、欧州が9カ月連続で増加、北米が6カ月連続で増加するなど8地域で増加し、外需全体では67.4%の増加となった。 
 

新生MOLDINOの展望を報告 「MOLDINO Vision2021」を開催 

210726MOLDINO 去る6月22日、MOLDINO(社長=鶴巻二三男氏)が、オンラインで業績報告会「MOLDINO Vision2021」を開催した。同社は昨年4月、三菱日立ツールからMOLDINOに社名を変更し、コロナウイルス感染拡大の影響により業績報告会を実施することができなかったが、今年は新生MOLDINOの展望を報告する運びとなった。

 鶴巻社長から、社長就任のあいさつと経営方針の報告があった。この中で鶴巻社長は、「一変した世の中、コミュニケーションに対して試行錯誤の中、以前から人を大切に、人間関係を基軸に考えている当社の姿勢は変わらず、より皆様と深く結びついていきたいと考えている。昨年4月に新社名でスタートしたが、皆様方からこの社名とブランドに一刻も早くなじんで頂きたいという気持がある。」と思いを述べた。

 業績についての説明では、「昨年度は前半に新型コロナウイルスの波をかぶったが、後半の回復で前年比、大幅な減販減益であるものの、売上高163億円、経常利益10億円を確保した。」とした。また、魚津工場の再稼働、復活について触れ、「主力の成田、野洲の両工場に加え、最近の設備投資や自動化設備などで両工場がかなり手狭になっており、将来の事業展開や、メイド・イン・ジャパンへのこだわりを考え、魚津工場の再稼働に至った。最新の空調システムや加工高精度安定化に向けた新しい工場となっている。」と説明した。

 次に、三菱マテリアルグループが全員の価値基準、行動判断の優先順位として全社員に浸透を図っている「SCQDE」について説明があった。これは、〝安全と健康は全てに優先する〟を基軸にコンプライアンスや品質管理等を徹底して、意識付けを優先していくもので、「グループ全体、会社全体にて優先順位の意識付けを徹底している。」と強調した。

 また、開発商品力や商品の性能を高め、コスト競争力や製造業としての体力強化を徹底するとしたうえで、「納期遵守と供給責任を果たしていく。」との姿勢を示した。

 「顧客価値創造を徹底的に追求していく」

210726MOLDINO3 後藤 治 営業本部長から営業本部の方針について報告があった。これによると、足元の4月、5月の受注において、2019年のコロナ禍前とほぼ同等の受注を確保する見込みとした。国内外の比率については、現状では国内45%、海外55%の受注比率となった。また、「超硬ドリル、インサート、超硬エンドミルは順調に推移している。」と述べ、海外受注については、「ヨーロッパと中国の2つのエリアが海外受注の大きな柱となっている。」とした。

 21年度営業本部方針では、先述のSCQDEの徹底を挙げ、「安全、法令、質にこだわった営業を積極展開し、ウェビナー、ウィズコロナの〝顧客接点ミックス〟を徹底追求する。皆様と寄り添い、課題を共有し、課題解決に展開する。顧客価値創造をわれわれは徹底的に追求したいと考えている。」と強調した。

 また、日本のものづくり力強化についても触れ、「切削工具を学ぶ機会を若者にも分かりやすく提供し日本力強化に傾注していきたい。」と述べた。

210726MOLDINO3 続いて、国内営業部の活動や取り組みについて、小桜一孝 国内営業部長から説明があった。これによると、国内営業部は、これまで国内、東部、中部、西部3つのグループに区分けをしていたが、東日本ブロック、西日本ブロック2つへ改編した。決済や判断の迅速化を図るのが狙い。また、緊急事態宣言などの際でも、商品の供給、顧客との関わりを途絶えないようにするため、業務サポートグループを新設した。

 

 210726MOLDINO4木野晴喜 ソリューション営業部長が、MOLDINOカスタマーサポートについて説明をした。この中で業界を取り巻く状況に触れ、「グローバル市場の対応に向け、さらなるコストダウンを進める必要がある。人材不足、働き方改革、それぞれによる制約がのしかかっている状況の中、お客様は生産性効率の向上、無駄の排除、アウトプットの向上などを実現していくためにも加工の全体最適化を進めなければならない。」と述べた。

 同社では、加工全体での改善取り組みを推進しているが、設計、CAM、加工、磨き、組み付け、出荷、メンテナンス、修繕に至るまで、切削加工だけでなく、全体を視野に入れた『PRODUCTION50』の考えに基づいて、トータルの加工改善に取り組んでいる。これは、同社の最新かつ最適な工具と加工方法によってトータルの製造費削減を目指すことを目的としている。また、このコンセプトの中に『Hi-Pre2』のメソッドがあるが、これは後工程の工数削減を考慮した全体最適の加工方法を検討していくというもの。

 磨きや調整の時間を短縮するためには、高精度な仕上げ、高品位な加工面を実現し、高精度な荒加工、中仕上げを行う。これらをトータルコーディネートすることによって、全体の工数を削減していくことを狙いとしている。

 
 

牧野フライス製作所 KDDI5GとAWS Wavelengthを使い5G ネットワークを構築

 牧野フライス製作所はこのほど、被切削物、工具、電極などの積載・搬送、作業の自動化により工場の自動化を推進する同社で開発した製造支援モバイルロボット「iAssist」を安定的、効率的に運用するため、事業所内5Gネットワークを構築すると発表した。

 これにより、通信キャリアKDDIが提供する5Gサービス(以下「KDDI5G」)とAmazon Web Services(AWS)が提供するAWS Wavelengthを利用することにより、iAssistに求められる先進的な超低遅延アプリケーションを実現するだけでなく、5Gに必要な設備を自社で用意する「ローカル5G」と比較して大幅に高いコストパフォーマンスを達成する。なお、AWS Wavelengthとは、KDDI5G網内に構築したAWSのインフラストラクチャで、iAssistなどのIoTデバイスがインターネットを介さずKDDI5G 網から直接AWS Wavelength 上の仮想サーバにアクセス出来るため、超低遅延が実現するものである。5G ネットワークは本年12 月に完成予定としている。

 5G ネットワークの構成は下図の通り。

 12月からiAssistの運用環境をAWS Wavelength上に構築し、①マシニングセンタの連続稼働を実現するiAssistによる「工具搬送自動化」、②ユニット自動組立ロボットへの部品入庫、完成品払出しをiAssistで自動化した「ユニット組立自動化システム」、③iAssistの稼働状況を5G対応のiPhoneでモニターする「iAssist 運用管理システム」の3つのソリューションを開発する。

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5G・MAKINOモデルSTEP1の構成

 

 通信キャリアが提供する5Gサービスとクラウドサービスを組合わせた仕組みを活用することで、開発した各ソリューションを顧客へ安価に提供できるようになる。なお、ローカル5Gでは2021年7月現在、iPhone はじめスマートフォンが接続できない。KDDI5Gでは複数の5G対応スマートフォンが利用できるのもローカル5G に対して有利な点である。

 iPhoneはiAssist運用管理だけでなく、現在工場内で使われているPHSの後継として電話で使用する。構築当初、5GはNSA(Non Stand Alone)という4G の基地局を制御用に、5Gの基地局をデータ送受に使う方式。4G基地局は5Gの制御だけでなくVoLTEによる高品質な電話に活用する。5G は2022 年にSA(Stand Alone)サービスが始まるとされているが、SAになっても4G基地局は電話で継続利用する。また5G基地局はSAでも同じ設備を使う。

 同社では自社内で5GネットワークによるiAssistの運用実績を積んだ後、顧客のiAssist運用に適用する計画。安価で先進的なサービスを顧客に提供できるよう、さらなるソリューションの充実と運用効率化を図る方針。

■補足説明はブログにて↓

https://seizougenba.com/node/12774

ダイジェット工業 「サマーキャンペーン2021~夏のドリル祭り」スタート!

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 ダイジェット工業が2021年8月2日(月)から新製品発売を記念したキャンペーンを実施する。

 このキャンペーンは、「夏のドリル祭り」と称し、EZシリーズの新製品となる超硬コーティングドリル「ストライクドリル EZN形」、および多機能座ぐり加工用ソリッドドリル「タイラードリル TLD形」、刃先交換式ドリル「TA-EZ ドリル TEZD形」、多機能刃先交換式座ぐり加工用ドリル「TAタイラードリル TLZD形」を対象としたもの。


【対象商品】
 ① 超硬コーティングドリル「ストライクドリルEZN形」
 ② 多機能座ぐり加工用ソリッドドリル「ソリッドタイラードリルTLD形」
 ③ 刃先交換式ドリル「TA-EZドリルTEZD形」
 ④ 多機能刃先交換式座ぐり加工用ドリル「TAタイラードリルTLZD形」

【実施期間】
 2021年8月2日(月)~10月29日(金)

【セール内容】
 ■Aコース:新製品お試しコース 本購入につき、購入価格以下品を1本サービス。
 〈Aコース対象製品:ストライクドリルEZN 形〉

 ■Bコース:プラスワンコース 3購入につき、購入価格以下品を1本サービス。
 〈Bコース対象製品:ストライクドリルEZN 形 、ソリッドタイラードリルTLD 形〉
 ※ストライクドリルとソリッドタイラードリルの組み合わせ可。

 ■Cコース:本体サービスコース インサート6個購入につき、適応本体1サービス。

 ■Dコース:インサートサービスコース 本体1本購入につき、適応インサート1個サービス。
 〈C・Dコース対象製品:TA-EZドリル TEZD 形、TAタイラードリル TLZD 形〉

 なお、数量限定につき、なくなり次第終了する。

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無限の金属加工に挑戦! イスカルNEOLOGIQシリーズに注目!

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 イスカル社の「NEOLOGIQシリーズ」は、「混沌の時代からの脱却」をテーマとした最新製品シリーズ。2018年リリースしたLOGIQシリーズを、時代の変化に合わせ更に進化させたとして注目されている。

 「NEOLOGIQシリーズ」は、最新製品と最先端加工技術・ノウハウ(TECHNOLOGIQ) を組み合わせることで金属加工のハイテク化を促進するもの。

 最先端加工技術・ノウハウの発信手段として開発された便利な情報集約アプリ 「イスカルワールド」は、製品情報や現場をサポートする20種類のコンテンツを集約。「探したい答えが手のひらに」の思いから、iPhone/Androidスマートフォンにて、完全無料で利用可能としている。

 

■イスカルワールド↓
https://imc.iscar.co.jp/IscarWorld/
 

■NEOLOGIQ製品の詳しい情報は、イスカルジャパンWEBページへ↓
https://www.iscar.co.jp/campaign.aspx/countryid/10/newarticleid/10443

 同社では、「NEOLOGIQシリーズ及びイスカルワールドとともに、スマートファクトリー化への新たな一歩を踏み出しましょう!」と意気込みを示している。
 

タンガロイ 極小内径加工における切りくず問題を劇的に解消する内部給油クーラント対応の新スリーブを発売

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 タンガロイはこのほど、極小内径加工用超硬ソリッドバー「TinyMiniTurn(タイニー・ミニ・ターン)」シリーズ用内部給油クーラント対応スリーブに4つのクーラント供給口を拡充し、発売を開始した。

 「TinyMiniTurn」は、溝入れ加工、ねじ切り加工などは最小加工径0.6mmから、極小内径加工にも対応できる超硬ソリッドバーシリーズ。通常専用スリーブに装着し使用するが、今回、内部給油クーラント対応スリーブに新たなラインアップを追加した。

①ねじ止め式新4つ穴スリーブ
 スリーブの取付け穴の内側に4つのクーラント供給口(スリット)を設けており、この供給口より切削油が刃先近傍へ的確に供給される。従来の内部給油式では、超硬ソリッドバーが持つ供給口だけだったので、極小径工具の場合に切削油の吐出量が少なく、内部給油の効果が限定されていた。今回、新たに4つの供給口を設けた新スリーブは、従来よりも遥かに大量の切削油を的確に加工箇所へ供給可能。これによって、内径部からの切りくずの排出性が向上し、工具や被削材に切りくずが巻付くといったトラブルを軽減でき、超硬ソリッドバーの長寿命化や安定加工を実現、生産性向上に大きく貢献する。

②コレットチャックタイプスリーブ
 従来のコレットチャックタイプスリーブは、シャンク径φ16mm、φ20mmのみを設定していたが、今回新たにφ12mm~φ25.4mmの間に計8種類のシャンク径をラインアップした。コレットチャックタイプスリーブは、専用スパナでキャップを操作するだけで超硬ソリッドバーの脱着が可能で、工具交換が非常に容易。また、ねじ止め式に比べ、ソリッドバーを把持している部分の面積が大きいため安定した刃先位置精度、繰返し精度が得られる。 

 発売済みの超硬ソリッドバーは内部給油にも対応しているので、刃先に直接切削油を供給でき、切りくずを効果的に排出できる。今回のシャンク径拡充によって、さまざまな機械への搭載が可能となり、幅広い顧客が活用できるようになった。

「TinyMiniTurn」の特長

(1)優れた刃立ち性
 高い研削技術と平滑コーティングの組合せにより、非常に優れた刃立ち性を実現。これによって、極小内径加工においても、高精度、高品位加工が可能となり、同時に工具寿命の安定化にも貢献する。

(2)充実した品揃えで、多種多様な極小内径加工に対応
 内径、倣い、面取り、ねじ切り、溝入れなど、146形番を用意。優れた形状設計と充実したアイテム設定で小物部品加工での高生産性を実現する。

■主な形番と標準価格
①ねじ止め式4穴スリーブタイプ

 ・JBBS16-4-L100C-4N:33,800円
 ・JBBS25-7-L100C-4N:38,900円
 計17アイテム(いずれも税抜き価格)

②コレット止め式スリーブタイプ
 ・JBBSA19-4-L120C:27,700円
 ・JBBSA254-7-L120C:31,700円
 計13アイテム(いずれも税抜き価格)
 

DMG森精機 PCR検査装置を伊賀事業所に導入

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PCR検査装置で検査を行う様子

 

 DMG森精はこのほど、同社最大の拠点である伊賀事業所(三重県)に、PCR検査装置4台を導入した。

 三重県にCOVID-19に特化した臨時衛生検査所の登録をして、PCR検査室を開設し、その中にPCR検査装置を設置した。現在、1日あたり最大48名分の検査を行い、当日中に結果を入手できる。同社はかねてより、顧客や取引先の対応業務の多い社員は外部機関に委託して定期的にPCR検査を受検していたが、事業所内にPCR検査装置を設置することにより迅速かつ適切なタイミングで受検することが可能になった。今回導入したPCR検査装置は、島津製作所製の遺伝子解析装置「AutoAmp」で、企業内診療所を持たない民間企業での導入は国内初めてとなる。

 同社では、会社の安定した事業運営と将来に向けた持続的な発展成長にとって、社員が心身ともに健康であることが必要不可欠であると考え、2021年1月に「DMG森精機 健康経営宣言」を策定している。経営理念に掲げている「よく遊び、よく学び、よく働き」を体現する社員の意欲的な働きに期待するとともに、会社を挙げて従業員の健康の維持・増進に向けて、引き続き取り組んでいく方針。