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ナガセインテグレックス 精密工学会「2021年度(第41回)精密工学会技術賞」受賞

 ナガセインテグレックス(社長:長瀬幸泰氏 住所=岐阜県関市武芸川町跡部)が、このほど、精密工学会「2021年度(第41回)精密工学会技術賞」を受賞した。テーマは、「トポロジー最適化や形状最適化を駆使し、理想的な構造を実現した超精密研削盤の開発」。

 精密工学会技術賞は精密工学の領域で創造的業績をあげた企業等の研究者・技術者に対して、その精進と努力に報い,かつ将来の発展を期待して贈賞するもので、精密機器の開発、生産加工技術に関する研究または開発、その他に贈賞される。

 

タンガロイ 「ModuMiniTurn(モジュ・ミニ・ターン)」にY軸加工用ヘッドを追加

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 タンガロイは、このほど、自動盤向けヘッド交換式工具「ModuMiniTurn(モジュ・ミニ・ターン)」に切りくずトラブルを劇的に解消するY軸加工用ヘッドを新たに設定し、販売を開始した。

 この製品は、独自のカップリングによって高い繰り返し精度を実現している自動盤用ヘッド交換式工具シリーズ。ヘッド脱着時の繰り返し刃先位置の精度は5μm以下を誇り、インサート交換や段取り替えによるダウンタイムを大幅に削減できる。

 縦型くし刃刃物台の自動盤加工では、基本的にワークの上方に切れ刃があり、加工時に切りくずはワークの外周に沿って落下するため、流れ型の切りくずではワークに巻き付いたり、工具とワークの間に滞留して加工面を傷つける等のトラブルが発生する。

 新しいY軸加工用ヘッドでは、切れ刃がワークの側面に位置し、すくい面が下を向いているので切りくずはワークに絡むことなく、下方へ落下する。これによって切りくずトラブルが減り、生産性が大幅に向上した。

 また、切削抵抗の主分力方向が工具の長手方向と一致していることから、工具剛性が高くなるためびびりに強く、負荷の大きな加工でも高い安定性を示す。さらに、「ModuMiniTurn」のY軸加工用ヘッドは、他社のY軸加工用工具に比べてヘッド周りがコンパクトで、刃物台の隣接した位置にY軸加工用工具同士をセットすることも可能である。(注意:隣接させる場合には、一定の条件がある)。

 今回のシリーズでは、外径加工用の他、「TetraMiniCut(テトラ・ミニ・カット)」用インサートを用いた溝入れ・ねじ切り用ヘッドもラインナップ。さらに、切れ刃に直接切削油を供給できる内部給油仕様も設定しているので、様々な加工形態で利用できる。

特長

(1)高い繰り返し精度を実現
 独自に開発したカップリングにより、ヘッドを脱着した際の刃先位置は5μm以下の精度を実現。高い繰り返し精度で、工具交換時間を大幅に削減できつ。

(2)内部給油タイプも選択可能
 切れ刃に直接切削油を供給できる内部給油仕様も設定。切りくずトラブルが起きやすい難削材加工においても、安定的な加工を実現できる。

■主な形番と標準価格
 ・QC12-JSDJ2CR11-Y:    20,200円
 ・QC12-STCR18-Y-CHP:  30,600円
 計12アイテム(いずれも税抜価格)

DMG森精機 自律走行ロボットシステム「WH-AGV 5」をリリース

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WH-AGV 5外観

 

 DMG森精機がこのほど、加工ワークの搬送や着脱など工場内の物流搬送を自動化し、工場全体のデジタル化を実現する次世代搬送システム「WH-AGV 5」の販売を開始した。

 AGVとは“Automated Guided Vehicle”の略で無人搬送車を意味し、人が操作する従来のハンドリフタやフォークリフトに代わる新しい自動搬送手段として、自動化のニーズの高まりとともに活用が進んでいる。特に走行レールの敷設が不要な無軌道型AGVは、変種変量生産にも対応できるため、生産現場や物流現場でも需要が高まっている。

 一方で、無軌道型AGVが目的地に到着する停車位置決め精度は数十ミリ程度であり、高精度な位置決め精度が求められる工作機械へのワーク着脱には、導入が難しいという課題があった。

 同社が開発した「WH-AGV 5」は、自社開発の無軌道型AGVと人協働ロボットを組み合わせた自律走行が可能な次世代搬送システム。走行ルート用の磁気テープやマーカーがなくても工場内を自由に走行し、最大高さ35mmのケーブルダクトなど工場内の段差に対する走破性を有している。また、加工ワークの搬送だけでなく着脱までを自動化する。ロボットアームの先端に搭載したビジョンセンサによる位置/姿勢の補正技術により、±1mm以下の位置決め精度を実現しており、工作機械へのワークダイレクト着脱が可能である。

 レーザスキャナにより人や障害物を検知し回避して走行できるため、安全フェンスは不要で、工場内で人との協働環境を実現する。さらに、自社開発のAGVコントローラでは、工作機械だけでなく、洗浄装置や計測装置などの周辺機器への搬送も一括制御する。

 「WH-AGV 5」を用いた自動化システムは、これまでのロボットシステムとは異なり、工場内全体の生産設備を接続して有効活用できるため、生産数の変動予測が難しい場合でも、状況に応じて柔軟に工程変更が可能。「WH-AGV 5」単体でも購入可能で、既存機への後付けもできるため、変種変量生産が多い中小企業の顧客にも導入しやすい自動化システムとなっている。さらに、工作機械の自動化だけでなく、FA業界全体で活用できる。

  なお、「WH-AGV 5」は10月20日(水)~23日(土)の4日間、ポートメッセなごやにて開催される「メカトロテックジャパン2021」にて展示される。同社Webサイトにも動画を公開している。

■動画
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=5926(CGのご紹介映像)
https://www.dmgmori.co.jp/movie_library/movie/id=5927(工場内の実機映像)

主な特長

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素材ストッカからのワークの搬出

 

 ・無軌道型AGVと人協働ロボットにより、ワークの搬送や着脱など、工場内の物流搬送を自動化
 ・作業台車と同等サイズのコンパクト設計
  + 全幅700 mm×全長1,030 mm×全高1,750 mm
 ・AGVの最大搬送質量200 kg、ロボットハンドの最大可搬質量 5 kg
 ・レーザ測域センサによるガイドレス走行により、レイアウト変更や生産工程の変更にも柔軟に対応
 ・レーザスキャナにより、人や障害物を検知して衝突を回避し、工場内を安全に自動運転
  + 安全フェンスは不要
 ・ロボットアームの先端に搭載したビジョンセンサによる6軸補正により位置決め精度±1 mm以下
  + 工作機械へのワークダイレクト着脱を実現
 ・四つの従動輪にはオムニホイールを採用し、車軸を天秤構造にすることで、従動輪が常に接地する構造を実現
  + 不整地での高い接地安定性
  + 最大高さ35 mmのケーブルダクトを乗り越える高い走破性
 ・非接触給電装置を搭載し24時間の連続稼働を実現
  + ロボットアームの作業中でも充電可能*3
 ・既存工場への導入や既存設備への後付けが可能
 ・物流現場など工作機械を使用しない工場でも使用可能
 ・自社開発のAGVコントローラにより、WH-AGV5と工作機械、周辺機器を一括制御

 

アマダマシナリー 業界初! デジタルプロジェクターを搭載したデジタルプロファイル研削盤「DPG-150」を市場投入

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 アマダマシナリーが10月20日よりデジタルプロファイル研削盤「DPG-150」の販売を開始する。この製品は、熟練の技術を要するプロファイル研削加工をデジタル化により誰でも使いやす く進化させた画期的なマシン。

 プロファイル研削盤は、研削加工の中でも特に高い精度を要求される際に用いられるマシンで、精度計測や補正加工をすべて作業者の目による判断で行っている。同マシンは、特許出願済の独自の撮像技術を活用したデジタルプロジェクターを業界で初めて搭載した。

 業界初の汎用デジタル計測機能や自動計測・補正加工機能により、経験の浅い作業者でも高精度加工が可能となり、技能育成期間の大幅な短縮を見込める。また、ATC/AWC(自動工具交換・被加工物交換)ロボットを装着すれば作業者が不在の時でも連続自動 運転が可能となり、生産性が大幅に向上する。

 研削加工市場全体で高精度要求が高まる中で、 多くの顧客が作業者のスキル不足や技能継承に課題を抱えているが、これら課題の解決を、同マシンの工数削減・作業簡易化・自動化機能が支援する。また、現在活況である電気自動車 用車載電子部品・機構部品関連の顧客に対しては、生産性向上が見込める自動化仕様を提案していく。

 対象地域は日本・アジア・欧州・北米となる。現在プロファイル研削盤市場は日本・中国・韓国を中心に展開されているが、同マシンは欧州・北米・ASEANにも拡販する方針。少子高齢化と製造 業従事者の減少が加速する日本・欧州・北米に対しては自動化仕様を、技術者育成に力を注ぐ 中国・ASEANには、誰でも簡単に操作できるデジタル加工支援機能をアピールすることで、新たな市場を開拓する。

主な特長

(1)業界初 デジタルプロジェクターを搭載(特許出願済)
 従来光学式プロファイル研削盤は光学式投影機を搭載しており、被加工物に光を当ててその影をスクリーンに大きく投影することと、その投影像をルーペでさらに拡大することで、0.1㎛(マイクロメートル)単位の精密な研削加工を行ってきた。精度計測や補正加工はすべて作業者の目による判断で行わなければならず、熟練の技能を要していた。同マシンは業界初のデジタルプロジェクターと高倍ルーペを搭載。32インチ4Kモニターにより、被加工物とといしをよりはっきりと見ることができ、かつ視野範囲も大きく広がった。また、操作性も向上しスマートフォンのように操作できる。

(2)デジタル化で工数削減・品質向上・作業者の育成期間短縮
 ・自動計測・補正加工機能:独自の画像処理ソフトにより、自動で被加工物の形状を常時計測し完成形との誤差を表示する。また、誤差分の補正加工も自動で行う。一つの製品の加工において、作業者は初期段取りさえ行えば、あとの作業をマシンがすべて自動で行う。これにより、高精度加工の要であり作業時間の10~20%を占めていた計測作業に人手を要さなくなるうえ、作業者による品質ばらつきの抑制につながる。また、作業者育成に要する期間を大幅に短縮することができる。

 ・計測結果自動出力:従来は作業者の目で確認していた最終仕上げ精度を、同マシンは自動計測し結果の出力・フィードバックを行う。製品品質の信頼性とトレーサビリティの向上につながる。
 

 ・チャート紙不要:従来のプロファイル研削盤は、被加工物の完成形状を描いたチャート紙(専用シート)を投影スクリーン上に貼り付けて形状を確認していたが、同マシンでは自動計測機能によってチャート紙が不要となり、トータル作業時間が10%短縮、チャート紙の保管やチャート紙作成用設備の削減につながる。

(3)ATC/AWC(自動工具交換・被加工物交換)ロボットで生産性が大幅に向上
 ATC/AWCロボットを搭載した自動化仕様は、作業者不在時の連続自動運転が可能。ATCロボットにより、1つの製品に対して粗加工から仕上げ加工まで全自動運転が可能となり、AWCロボットにより複数製品の連続加工が実現する。夜間などオペレーター不在時の長時間自動運転が可能となり、生産性が向上する。

マシン仕様 

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日新ダイヤモンドが2点の新製品をリリース!

 オーエスジーのグループ会社である日新ダイヤモンドが、このほど「スーパーヘール用バイト」と、「単結晶標準インサート」を同時リリースした。いずれも10月20日8水)から23日(土)までポートメッセなごやで開催されるメカトロテックジャパンのオーエスジーブースにて展示の予定だ。

スーパーヘール用バイト

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 同社は、牧野フライス製作所が開発した次世代加工ソリューション「SMART TOOL」のスーパーヘール加工で使用する「スーパーヘール用バイト」の供給事業を本格化する。

 この製品は、加工機の性能を最大限に生かし、様々な加工において品質向上やコスト削減に寄与するエンジニアリングツール・機能の総称として牧野フライス製作所が策定した名称。

 両社は昨年より技術開発を重ね、本年2月に正式に業務提携契約書を交わし、スーパーヘール加工に特化したヘールバイトの製造販売を「SMART TOOL」ブランドにて日新ダイヤモンドが行うことになった。

 従来の真空装置などのシール面加工は、エンドミルなど回転工具で切削加工した後、その切削痕を職人が手磨きで直線方向のスジにし、気体の流出入を押さえる事で高真空、超高真空の状態を作り出しており、職人による手磨きは加工時間と技術の熟練度が必要なため真空装置の受注拡大に対して出荷数で対応できないネック工程でもあった。

 次世代加工ソリューション「SMART TOOL」のスーパーヘール加工を使用すれば、コーナー部でも送り速度6,000mm/minの高速のまま、減速せずに加工ができるうえ、面粗度も高いレベル(Ra 0.8μm)をキープし、シール面の磨きレスなど、工程短縮により、総加工時間が最大80%短縮できた事例もあり、今後の真空装置生産現場に於いて効率的な生産方法を提供できることになる。

 今後も同社では牧野フライス製作所における「SMART TOOL」事業の研究開発を支援し、被削材別に超硬・コーテッド超硬、PCD・CBN・単結晶ダイヤ等のソリューションを提案し世界市場へ提供する方針。

単結晶標準インサート

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 従来の単結晶ダイヤモンド工具は高価格なうえ、取り扱いが難しく、安易に使用するにはハードルが高いという問題があった。ダイヤモンドは地上で一番固い物質であり、刃物にすると切削摩耗が小さく、高速切削で鏡面が得られる工具であることは知られており、同社の樹脂~非鉄金属加工ユーザーより重宝されている。

 一方で、PCD工具と比較すると高価であり納期を約30日程度要することから顧客のニーズに間に合わず鏡面切削加工を売りに出来るチャンスを逃すことが多くあったため、今回、同社では単結晶ダイヤモンドをインサートチップ上に特殊接着を行い、標準品として在庫を持ち、国内だけではなくアジア、ヨーロッパ、北米への市場投入を開始した。試験販売を8月よりスタートし、10月1日より正式に販売開始となった。

 第一弾として旋盤加工用で最小の4品番のRサイズ違い8品目を標準在庫化ラインナップ。外径・端面から内径、倣い加工に対応でき、磨きレスや大幅時間短縮が可能となった。

DMG MORI SAILING TEAMスキッパー白石康次郎氏が「第14回海洋立国推進功労者内閣総理大臣表彰」受賞

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受賞した白石氏

 過酷なヨットレース「ヴァンデ・グローブ」のアジア人史上初の完走者で海洋教育プログラムなど貢献しているDMG MORI SAILING TEAMのスキッパー白石康次郎氏が、このほど、海洋立国日本の推進に関する特別な功績が認められ、国土交通省、文部科学省、農林水産省、経済産業省及び環境省が内閣府総合海洋政策推進事務局の協力を得て実施している「海洋立国推進功労者表彰」を受賞した。

■海洋立国推進功労者表彰(内閣総理大臣賞)の概要
 海洋政策を強力に推進し新たな海洋立国日本の実現を図るためには、海洋に関する国民の理解の増進を図ることが不可欠であり、海洋基本法においても、国がそのための普及啓発活動等に取り組むべきことが規定されている。このため、平成20年より「海洋立国推進功労者表彰」を設け、科学技術、水産、海事、環境など海洋に関する幅広い分野における普及啓発、学術・研究、産業振興等において顕著な功績を挙げた個人・団体を表彰し、その功績をたたえ広く紹介することにより、国民の海洋に関する理解・関心を醸成する契機とする。

日立建機 日本とUNIDO 、ザンビア による人財育成プロジェクトに参画

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ザンビア共和国での調印式の様子
(左からムシュマ・ムレンガMCTI次官、カユラ・シアメMoTS次官、水内龍太在ザンビア日本国特命全権大使、フィーリックス・C・ムタティMoTS大臣、ハレド・エル・メクワド南アフリカ地域事務所UNIDO代表、クンバ・マー・ガディオザンビア国連常駐調整官、服部英紀日立建機ザンビア取締役社長)
 

 日立建機は、このほど日本政府が資金提供し、UNIDO United Nations Industrial Development Organization 国際連合工業開発機構/以下、UNIDOがザンビア共和国(以下ザンビア)で実施する「建設機械の技能訓練を通じた若者雇用促進計画」の官民連携プロジェクトに参画すると発表した。

 同社は、ザンビアで鉱山機械および建設機械の販売・サービス、部品再生事業を展開する連結子会社の日立建機ザンビアを通じて、同プロジェクトの教育カリキュラムの構築や教材作成における技術的支援、教育機器の提供、教員育成のサポートなどを行う。

 近年、ザンビアをはじめ新興国における経済発展にともない、社会インフラの整備・開発が急速に進められている。鉱山事業や建設業における安全性と生産性の向上、建設機械の安定稼働には、高い運転技能が必要不可欠であり、ザンビアでは、特に若年層の雇用拡大に向けた高い技能を有する人財の育成が急務となっている。

コマツ初! 大型ダンプトラックHD785-7ベース 無人散水車を開発

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 コマツは、このほど鉱山向け無人ダンプトラック運行システム(Autonomous Haulage System以下、AHS)上で、自動走行と自動散水が可能な大型オフロードダンプトラックHD785-7(積載量91トン)をベースとした無人散水車を開発した。HD785-7に無人散水を可能とするコンポーネントと、AHS上に新たに散水制御プログラムを組み込むことで、運搬用無人ダンプトラックと無人散水車の同時制御が可能となる。鉱山現場の課題である安全性と生産性を向上させるための新たなソリューションとして、2022年の市場導入を目指していく。

2021年7月分 機械工具生産額まとまる 日本機械工具工業会 

 日本機械工具工業会がこのほどまとめた2021年7月分の機械工具生産額は次のとおり。〈( )内は対前年比〉。

■生産額
 切削工具 320億円(148%)、耐摩耗工具 30億円(130%)、総合計 356億円(145%)。

■ドリル生産額
 特殊鋼工具 13億円(141%)、超硬工具 32億円(143%)、ダイヤ・CBN  1億円(124%)、総合計 46億円(142%)。

■エンドミル生産額
 特殊鋼工具 4億円(103%)、超硬工具 33億円(155%)、ダイヤ・CBN 1.1億円(110%)、総合計 37億円(146%)。

■カッタ生産額
 特殊鋼工具 0.7%(95%)、超硬工具 5億円(161%)、ダイヤ・CBN 0.4億円(126%)、総合計 6億円(146%)。

■ギヤカッタ生産額
 総合計 7億円(160%)。

■ブローチ生産額
 総合計 8億円(131%)。

■ねじ加工工具生産額
 特殊鋼工具 26億円(159%)、超硬工具 3億円(183%)、総合計 29億円(161%)。

■バイト生産額
 特殊鋼工具 0.2億円(136%)、超硬工具9.2億円(169%)、総合計 9.5億円(168%)。

■リーマ生産額
 特殊鋼工具 1.3億円(152億円)、超硬工具 3億円(160%)、総合計 4億円(157%)。

■鋸刃カッタ生産額
 特殊鋼工具 1億円(156億円)、超硬工具 06.億円(163%)、総合計 1.7億円(158億円)。

■インサート生産額
 超硬工具 127億円(146億円)、ダイヤ・CBN 19億円(202%)、総合計 146億円(151%)。

■ボディ関係生産額 
 総合計 14億円(123%)。

■超硬合金生産額
 切削用 135億円(142%)、耐摩耐食用 15億円(159%)、総合計 152億円(143%)。
 

黒田精工 最高顧問 黒田彰一氏 「偲ぶ会」開く

210924黒田彰一様

 黒田精工の最高顧問 元代表取締役会長を務め、令和2年9月30日に96歳で亡くなった黒田彰一氏の偲ぶ会が、9月6日、東京都千代田区の帝国ホテルで開かれた。親交のあった多くの業界関係者などが参列し、遺影に献花をして故人との別れを惜しんだ。偲ぶ会は、新型コロナウイルス対策で参列者が集中しないよう配慮がなされ、あいさつの言葉や弔辞の読み上げは行わず、参列者への礼状につづられた。

 黒田氏は、大正13年に東京で生まれ。昭和18年に黒田挾範製作所(現黒田精工)創業者の急逝に伴い学生で社長に就任した。また、日本金型工業会会長、アジア金型工業会連合会(FADMA)会長、名誉会長、国際金型協会(現ISTMA/旧ISTA)会長など、約80年もの間、仕事一筋、業界の発展に尽力してきた。これらの功績がたたえられ、昭和62年に藍綬褒章、平成7年には勲四等瑞宝章を受章した。

 会場内には黒田氏の映像とともに学生時代や仕事に邁進する姿に加え、家族とプライベートを過ごす様子などが写されたパネルが展示され、参列者は懐かしみながら故人をしのんだ。

あいさつ 黒田精工 代表取締役社長 黒田浩史

 故人は、弊社創業者黒田三郎の急性に伴い学生の立場で社長に就任して以来、80年近くにわたって仕事一筋の人生を送ってきました。第二次世界大戦で存亡の危機に陥った会社を再建し、祖業であるゲージの技術を活かした新規事業を次々と開拓し、上場企業として成長させ、オイルショック等の荒波を乗り越え、晩年は更新の育成に情熱を燃やしておりました。社外においても、各種ゲージの規格作りや、工業会、技術振興財団等の活動や団体の設立等を通じて日本のみならず世界の産業界の発展のために尽力してまいりました。訃報に接して国内外の知人の方々からお寄せ頂いた温かいメッセージを拝見して、故人の足跡の大きさとその国際的広がりを改めて実感した次第です。

 仕事が趣味のような人生でしたが、読書や絵画鑑賞を好み、その知的関心の広がりと博覧強記ぶりには驚かされました。ゴルフや俳句、以後、謡、旅行、そして美味しいものとお酒も大好きでした。

 想い出は尽きませんが、故人が残してくれた精密なものづくりに対する真摯で誠実な姿勢とクロダブランドの信用をしっかりと受け継ぎ、社員一同世界の産業の発展のために邁進していくという決意を新たにしております。

 ここに故人が生前に皆様から賜りました数々のご厚情に対しまして、心から御礼申し上げます。長年にわたり本当にありがとうございました。

追悼の言葉 ファナック 代表取締役会長 稲葉善治

 黒田最高顧問と小生の父、稲葉清右衛門とのお付き合いは、二人が東京帝国大学第二工学部造兵学科の学生であった頃から始まり、二人が亡くなるまで公私にわたる親しいお付き合いが続きました。そのご縁で小生も黒田最高顧問には子どもの頃から可愛がっていただき、何時もにこやかで聡明な最高顧問はあこがれの存在でした。

 黒田最高顧問は都会的センスに溢れた知的な美青年、一方、稲葉は田舎出身の泥臭い頑固者。この二人がどうして意気投合したのか、運命の妙とは正に計り知れないものであるとつくづくと感じます。

 二人はお互いに生き残った方が弔辞を読もうという約束を交わしていましたが、奇しくも殆ど同時期に入院し、2020年9月30日にご逝去された黒田最高顧問の後を追うように3日後の10月2日に稲葉もこの世を去りました。余人には理解出来ぬ強い絆がそうさせたのでしょうか。今頃、二人は天国で再会し、技術者としての見果てぬ夢を語り合っている事だろうと思います。合唱。

 仕事では、稲葉は富士通で日本初のNC制御装置のサーボ装置として油圧パルスモータを発明しましたが、そこで使われる四方案内弁で使用されるバルブは当時の加工技術では製作が難しく、ブロックゲージを製造していた黒田挾範の社長をされていた黒田最高顧問にお願いをして作っていただき、ファナックがNCの分野で大躍進をする原動力となりました。

追悼の言葉 東京大学 名誉教授 中川威雄

 黒田彰一氏は東京大学の同窓の大先輩であり、私の金型研究のきっかけを与えてくださった師でもあった。また、大学同窓のファナックの創業者の故稲葉名誉会長をご紹介していただいたのも黒田さんであった。紳士然とした風貌と達者な弁からは、金型産業界とはちぐはぐなように感じたのは最初だけで、業界を独自の視点で正しく冷静に見て応援されている姿にいつも感銘を受けていた。

 私が「型技術協会」を設立し、「型技術」誌を発刊するときも、陰ながら工業会を説得して下さったのは有難かった。金型産業界というライバル企業同士の工業界、一匹オオカミや独自技術に誇りを持つ経営者集団を、世界でも稀なほど旨くまとめて来られたのは、まさに黒田彰一氏の人徳とグローバルの産業感覚のなせる業ではなかったかと思う。とにかく、世界的な視野で日本の製造業の強さと問題点を見ておられ、その卓見にはいつも感銘させられることが多かった。後年、世界の金型産業界のトップリーダとなられたのも当然で、今ではもう二度とこのような〝モノづくりのわかる賢人〟は現れないのではと想う日々である。