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直目

ダイバーシティの時代に逆行した記事が量産されている

某検索サイトのニュース記事の中に「ドン引き・・・おばさんに見られる人の共通点8つ」――――の見出とともに、「周囲からおばさん扱いされる女性には、いくつかの共通点があります。」「いつまでも魅力的な女性であり続けるためのヒントとして、おばさん化を回避するコツも紹介します!」とあった。

「おばさんに見えないコツを紹介します!」ってあーた、おばさんはおばさんなのよ。おばさんに見えたっていいじゃない。おばさんに見えてなにが悪いのさ。(なお、この記事は、姪っ子・甥っ子から〝叔母さん〟と呼ばれることについては含みません)。

まず、おじさん、おばさんの定義ってなんだ? って考えたことがあるのかしらん? 一般的にはアラフォーあたりからそう言われる年齢にさしかかると思われるわよね。ということは、おばさんは、年齢を重ねた女性を指す言葉にあたるわけで、年齢を重ねた女性に対し、〝ドン引き〟のタイトルはいかがなものか。

記事の内容では、「『おばさん』認定されてしまう人の共通点を『外見』と『言動』の両面からチェックしていきましょう・・・・」と偉そうに記述していたけれど、それには、「毎日同じような服を着ている人。」――――と示されていた。なんでも、〝ファッションへの興味を失った人に認定されてしまいがちだから、お気に入りのアイテムがあればイロチ(注:色違いの略)で着回すのもおしゃれ感が演出できる〟――――らしい。

なにを言ってるのよ。おばさんにさしかかった年代の人はさ、お気に入りのアイテムを色違いでも買える経済力のある方や仕事でお洒落をしなければならない女性はともかく、時間や子育てに追われてお洒落をしている時間の確保が難しい方も多いと思うのよ。どんな服を着ようが、他人様の生活に介入してくるような言動こそ、電車の中で人々が座っている座席にむりやりお尻をネジ入れて座り込むことができるほど図太い神経の持ち主のようで、如何なものかと思うわよ。

同じような服を着ている人は老若男女問わず、一定数いると思うし、おばさんだけがそうするとは限らない。同じような服を着ていてもお洒落に見える人もいるわよね。特定の制服を毎日のように着用した妙齢の方でもステキな人はステキなのよ。

ダイバーシティの時代にセンスのない見出し

他にも「時代遅れのヘアメイク」の指摘があり、ハッキリと「古くさい」と書かれてたけどさ、これもねえ、別にいいじゃないの。わたしなんてずーっと変わってないわよ。いや、もっというなら、成人して2度ほどショートにしたけれど、ここ15年以上は今のまま。時々アレンジを楽しんでるくらい。もっというなら、わたしが世間に古くさい印象を与えても、他人はまったく困らないわけよ。問題がないのに「へー、ずっと同じなんですね。ヘアスタイルが変わってないなんて、古くさいおばさんね。」なんて言われたら、気分が悪いわ! それにだな、ご丁寧にも「まずはどんなに忙しくても、美容院へ通う時間は死守しましょう。」とあったけれど、多忙で仕事に邁進している中年女性がたまたま美容院に行けなかったとき、それが原因で、見出しにもあったような〝ドン引き〟される世の中だったら、日本も終わってるわい。

他にも、「他人の悪口や噂話は、『下世話』『人の不幸が大好き』『自分のことを棚に上げている』点がおばさん認定の要因になります。」とあったけれど、これは人間性の問題で、おばさんに限らずだ。この記事こそ、下世話な話満載で自分のことを棚に上げてはいないかと疑わしいわよ。カフェで独り、静かに休憩をとってると、それこそ中年でも若くても悪口に花が咲いてやかましいのは嫌というほど遭遇しているし、問題は人物の性質であって、年齢から来るものではないわい。年齢を重ねた女性に対して〝下世話〟〝人の不幸が大好き〟、〝自分のことを棚に上げている〟とディスっているこの記事自体、悪口じゃないのか。性格の悪いやっちゃ。

「もしもおばさん認定されている不安があるのなら、ファッションや肌の手入れ・TPOをわきまえた振る舞い方など、日常生活の中で意識することから始めましょう。」――――と富士山のてっぺんよりも上から目線で記されていたけれど、年齢を重ねた女性は、社会通念上、おばさんなのよ。不安でもなんでもないの。それよりも、中年女性という画一化した枠をつくり、その中で蔑んで、不安を煽っているのは誰なんだよ。書いていて恥ずかしくないのか。

今の世の中、ダイバーシティ(多様性)の時代だぞ。日本は現在、少子高齢化、労働人口の減少に加え、グローバル化が加速しているので、企業も成長戦略の一環としてダイバーシティの取り組みを進めているというのに、こうした年齢による差別意識は昭和の産物そのもの。それこそ「古くさい」と指摘してやろう。どんな年代でも経験の違うお互いが刺激し合いば、より良い社会を構築できるチャンスが広がるってのに、わざわざ未熟な思い込みでぶち壊すこともなかろう。

そもそも他人は自分が一番見て欲しいところを見てはいない

どんな人になりたいのかってのは、人それぞれだし、ファッションセンスもそれぞれ。そもそも他人は自分が思っている以上に自分に注目してはいないものよ。もし、自分のことをみんなが注目しているし・・・と他人の目ばかり気にしているとしたら、それは自信過剰というもの。髪型も服装も自分の好きにしたらいいと思うのよ。仕事で自由に出来ない方なら休日に出来る範囲で思いっきり楽しめばいい。人の目や年齢を理由に自分が望む生活を楽しめないとしたならもったいないわ!

中年女性を画一化し、見た目と振る舞いを悪とする、その理由が本当に中年女性特有のものなのかどうか、しっかり考えてから記事にして欲しいわよね。薄っぺらく中年女性をディスる記事を書いているライターがお肌もピカピカで髪の毛もツヤツヤで、美しくて、ご本人が示したように、まったく〝自分のことを棚に上げていない〟素晴らしい人物かどうかがめちゃくちゃ気になる今日この頃よ(笑)

最近、ネット上では、書き手が熟考を重ねて配信している良記事より、教養に欠ける人々の主張のほうが目立つため人々の常識やモラルの低下が気になるところ。まぁ、こういうのも今後、AIが駆逐していくと考えられるので、命脈も長くはあるまい。あっ、わたしも気をつけなきゃ!


 

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