注目記事 2023年分

安田工業 5年ぶりにプライベートショーを開催

 今年で創業94年を迎える安田工業(社長=安田拓人氏)が、4月19日(水)~20日の2日間、「ヤスダでカイケツだ!!」をテーマに本社工場でプライベートショーを開催した。前回の開催は2018年で、5年ぶりの開催となった。最新機種をはじめ、普段は見学することが難しい大型のマシニングセンタも製造工場で直接見学できる貴重なチャンスとなった。また、高精度な自動化の実現には欠かせない協賛メーカーによる「高精度なモノづくりの自動化」をテーマにしたセミナーも併催し、ショールームには7社の協賛メーカーの独自企画展示やYASDAのマシニングセンタによるデモも実施した。

 安田社長は、「コロナ禍も落ち着き、実際に工場に来て頂いて高精度なマシニングセンタをつくる製作の工程もリアルに見学していただき、われわれの製品をより深く理解していただければと思っている。」と意気込みを見せた。

牧野フライス精機「GTJ2023」で来場者を魅了 ~最新技術の要を探る~

 「歴史的価値のある工作機械〝ロングライフ・ベストセラー〟」にも選ばれた万能工具研削盤「C-40」を作り続けている牧野フライス精機(社長=清水大介氏)。1982年には世界初10軸制御CNC工具研削盤を開発するなど、常に最先端の技術開発に取り組んでおり、その成果の賜を昨年の「JIMTOF2022」に続き、本年3月に開催された「Grinding Technology Japan 2023(以下:GTJ2023)」でも披露し、話題を集めた。

 自動化と効率化の両輪で製造現場に変革をもたらす同社の技術について、清水社長にお話しを伺った。
 

ナガセインテグレックス 長瀬社長に聞く 「開発スピードが加速」

 1950年創業のナガセインテグレックス(以下NAGASE、社長=長瀬幸泰氏)の強みは、長年蓄積された超精密要素技術にある。顧客が有している加工技術にNAGASEの超精密要素技術がつまったマシンを融合させ、応用することが、顧客の〝差別化〟につながるとして、顧客が持つ専門的な技術や知識に基づき、加工システムの開発や提案を行っている。

 昨年11月に開催された「JIMTOF2022」では、7機種を出展し、本年3月に開催された「Grainding Technology Japan2023(以下GTJ2023)」でも未来を見据えたAI研削盤の一部を披露し来場者を大いに沸かせた。同社のモットーは、〝マシン開発を通してお客様の製造・工程革新を支援〟することだ。現在、開発スピードが加速している同社の長瀬社長にお話しを伺った。
 

マキノ&オーエスジー 注目のコラボセミナー 裏側に潜入!  

 近年、急速に広まりをみせたインターネットを活用したオンライン会議やビジネスチャットの活用。企業も従来は対面で開催していたセミナーなどもコロナ禍によりWeb開催に切り替えた。オンラインセミナーのメリットは、地域を問わず参加でき、会場までの移動における時間の制約が少ないうえ、交通費がかからない点だ。チャット機能を利用すればコミュニケーションもとれるため、非常に合理的だといえる。

 こうした背景もあって最近はオンラインセミナーも各社、趣向を凝らしており、よりきめ細やかな技術的話題を提供するようになった。今回、加工業界では名高い工作機械メーカーの牧野フライス製作所(以下マキノ)と切削工具メーカーのオーエスジーが『上手な工具の使い方ドリル編』をテーマにコラボレーションするということを聞きつけ、その裏側を取材した。
 

アマダ 多彩な機能を有した「Amada Global Innovation Center(AGIC)」オープン

 アマダ(社長=磯部 任 氏)が2月3日、多彩な環境と機能を有した「Amada Global Innovation Center(略称:AGIC)」をオープンし、開会セレモニーが開かれた。AGICのコンセプトは、「お客さまとともに金属加工の『未来(あす)』を共創する空間」で、隣接する「アマダフォーラム」(12階建宿泊機能を完備する多目的研修施設)との連携による「総合提案機能施設」となる。

 磯部社長は「お客様はさらなる生産性向上やコストダウン、グローバル化もしなければならない。従来以上にお客様からの信頼を得て、アマダが提供する価値を認めて頂くための施設のあり方を考えてきた。弊社は機械メーカーなので、技術志向に立ち返り、この技術志向を一層強めていこうと結論づけ、経営理念である〝お客様とともに発展する〟のキーワードを再認識するため新たな施設をつくった。」としている。多彩な環境と機能を完備した業界最大規模の施設をレポートする。

トレンドを踏まえた製品開発と事業戦略でユーザーに貢献する岡本工作機械製作所 ~渡邊取締役営業本部長に聞く~

 近年、コロナウイルス感染拡大予防の観点から非接触技術は進化し、企業ではリモート・オンライン化も進んだ。IoT時代の到来には半導体需要拡大にもつながっている。こうした時流を背景に多忙を極めているのは岡本工作機械製作所だ。本年3月期から2025年3月期における新中期経営計画『〝創〟lution 2025』では、〝研削で価値を創造するソリューションカンパニーへ〟のビジョンを掲げ、最終年度には売上高500億円、営業利益60億円、営業利益率12%を目指している。同社は工作機械・半導体製造装置・歯車・鋳物の4つの事業構成となっており、各分野の共通点は研削加工技術が基盤となっていることだ。

 今回は、加工時間の削減等によりCo2排出量削減に貢献しつつ顧客の生産性向上に寄与するマシンを提供している同社の営業責任者、取締役営業本部長の渡邊哲行氏に、現在の環境や市場についてお聞きした。
 

工作機械の「精度」「信頼性」「高効率」を実現するブルーム-ノボテスト 山田社長に聞く

 ドイツに本社を構え、工作機械の「精度」、「信頼性」、「高効率」を実現するブルーム-ノボテストが提供する製品の数々は、製造現場の自動化による高能率化と安定品質の確保に大きく貢献している。昨年11月に東京ビッグサイトで開催された「JIMTOF2022」では基盤となる技術を活用するための画期的なアプリケーションを提案し、好評を博していた。

 同社日本法人の山田 亨社長は、グローバルな視点で製造現場のトレンドを掴んでおり、国際性豊かな視点を持っている。今回、日本と海外の展示会の違いや、アフターコロナの捉え方、マザーマシンに貢献するための取り組みについてお話しを伺った。

「第57回機械振興賞」経済産業大臣賞にマツダ、マツダE&T 

 機械振興協会(会長=釡 和明氏)は、このほど「第57回(令和4年度)機械振興賞」の受賞者を発表した。経済産業大臣賞はマツダ、マツダE&Tの「みんなが走る歓びを共有できる新コンセプト自操車の開発」が受賞した。今年度は33件(大企業14件/中小企業8件/小規模事業者8件、その他1件、支援活動2件)の応募の中から、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件機械振興協会会長賞6件、審査委員長特別賞2件、奨励賞4件、中小 企業基盤整備機構理事長賞1件が受賞した。 受賞者の選定理由は次のとおり。

【年頭所感】経済産業大臣 西村康稔

(はじめに)
 令和5年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 昭和60年に通商産業省に入省したときの、日本の経済、日本の将来のために働きたいという初心と、入省後約15年働いた後に政治を志し、より大きな立場で日本の将来のことのために働きたいという初心、この二つの初心をもう一度思い起こし、改めて日本が抱えている様々な課題を乗り越え、日本の発展のために全力を尽くしてきたところですが、更に取組を進めていきたいと決意を新たにしているところです。

 今、世界は時代の転換点を迎えています。気候変動、コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵略という3つの危機に加え、特に日本においては、地域にも大きな影響を与える少子高齢化・人口減少という課題への同時対応が求められています。