注目記事 2012年分

「ものをつくる力は国力そのもの!」 上智大学 清水伸二教授に聞く

近年、ますますグローバル化は加速し、自動車産業はもちろんのこと、航空機産業、エネルギー産業、医療機器産業分野に対して革新的な進展が求められている。

本年5月に発表された「工作機械産業ビジョン2020」の策定にあたり、座長を務めた上智大学理工学部 清水伸二教授は、「優秀な工作機械がなければ産業の発展は不可能であり、直接的に製造を担う基幹生産財である工作機械の果たす役割は極めて重要」と話す。
工作機械の第一人者である清水教授に「JIMTOF2012」を見学した感想や、「工作機械産業ビジョン2020」から見た工作機械の重要性と方向性についてお話を伺った。

新機械振興賞受賞者が決定! 経済産業大臣賞は「ステレオカメラによる運転支援システム」富士重工業、日立オートモティブシステムズ

機械振興協会(会長=庄山悦彦氏)は、このほど平成24年度の新機械振興賞の受賞者を決定した。今年度は32件(うち中小企業15件)の応募の中から、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件、機械振興協会会長賞6件が表彰される。表彰対象は、独創性、革新性及び経済性に優れた機械工業技術に関わる研究開発及びその成果の実用化により新製品の製造、製品の品質・性能の改善または生産の合理化に顕著な業績をあげたと認められる企業等および研究開発担当者である。

日本が誇る最先端開発技術の詳細を一挙紹介する。

第6回環境大賞はオーエスジーが受賞

日本工具工業会(理事長=増田照彦氏)が11月22日、東京・高輪和彊館で「第6回環境賞表彰式」を開催した。

この賞は自主行動計画に基づいて、温暖化対策エネルギー起源二酸化炭素を2004年度に基準年として、絶対量及び生産高原単位を削減する改善活動と、廃棄物の総量削減及びリサイクル率向上活動の両面から2011年度の環境調査結果を厳正に評価したもので、第6回の環境大賞はオーエスジーが受賞した。

「JIMTOF2012」をレポートする! 航空機・エネルギー・医療分野に期待

JIMTOF2012が11月1日から6日までの6日間、東京ビッグサイトで開催され、前回を上回る世界22の国と地域から合計816社が出品した。来場者の生産技術に関するニーズに応える各メーカーの製品の数々に先端技術を見ることができた。
各社のブースが今まで以上に洗練されたデザインなっており、海外展開を視野に入れた動きも見てとれた。また、将来性の点から、航空機・医療・エネルギー産業分野を狙った製品が目立ち、加工工程短縮にみる経済効果はもちろんのこと、製造現場の課題解決に向けたソリューションを提案していた。記者が見た「JIMTOF2012」をレポートする。

製造現場ドットコムが選んだ「JIMTOF2012」各社の一押し商品はコレだ!

日本工作機械工業会と東京ビッグサイト主催する「第26回日本工作機械見本市(JIMTOF2012)」が11月1日(木)から6日(火)までの6日間、東京ビッグサイト(東京国際展示場)で開催される。工作機械と関連製品はあらゆる工業の基盤となることから、日本の技術水準を映す鏡として国内外から高い感心を集め、今では充実した併催企画に加えて、高度な情報交換の場として世界中から注目されている。
製造現場ドットコムが選んだ各社選りすぐりの製品を紹介しよう。(アイウエオ順)

(イワタツール、宇都宮製作所、オーエスジー、大阪機工、ダイジェット工業、大昭和精機、日進工具、日立ツール、不二越、ブルームLMT、牧野フライス製作所、三井精機工業、森精機製作所、安田工業、碌々産業)

シェアアップは正鵠を得た証! ハイスドリル世界一を誇る不二越

1928年12月、富山市で工具メーカーとして創業した不二越は、材料から商品までの一貫生産のもと、高品質な材料をベースに、工具、ベアリング分野へと業容を拡大してきた。今では機械加工、ロボット、機能部品、材料事業をあわせ持つ多様なソリューションを提供できる総合機械メーカーである。工具に始まって工作機械・ロボット・ベアリング・油圧機器、材料までを手がけている企業は世界にはない。
近年、「材料革命」とも呼ばれるほど使用部品の材質も変化し、生産工程では厳しい品質管理が要求されている。特殊な治具や工具が必要なものも多く、加工現場のコスト意識が高まっているのが現状だ。このような時流を受け、ハイスドリル世界一を誇る同社の取り組みに等ついて、工具事業を率いる堀 功 執行役員工具事業部長にお話を伺った。

大澤科学技術振興財団が「平成24年度助成費贈呈式」を開く 助成課題①(研究開発助成) 

大澤科学技術振興財団(理事長=大澤輝秀オーエスジー会長)が、9月28日オーエスジー グローバルテクノロジーセンター(愛知県豊川市一宮町)で、「平成24年度助成費贈呈式」を開いた。大澤科学技術振興財団は、平成3年7月18日に設立され、日本のものづくりを支える科学技術の振興に寄与したいという趣旨のもと、国内の大学や研究所等、非営利の研究機関に所属する研究者にその研究に対する助成を行うとして設立されたものである。
本年度は、13件の研究開発助成および11件の国際交流助成を行い、助成金の合計は2,131万円となった。なお、設立以来22年間の助成金の累計は4億8237万9千円。
2012年(平成24)年度、助成課題の詳細を一挙紹介する。

歯科医VS超硬指輪! ~タングステン指輪の危険性と歯科用工具~

現在、流行っている装飾品の中にタングステンでできたアクセサリーがある。
製造現場ドットコムの読者ならすでにご承知のとおりだと思うが、タングステン――すなわち超硬材である。

最近、若者を中心として金やプラチナよりも価格が安く、丈夫で錆びない超硬指輪が流行っているようだが、超硬指輪について、その危険性にほとんど触れられていない。
今回、製造現場ドットコムでは、タングステン指輪の危険性とトラブルの対処法について、歯科医師・博士(歯学)である渋谷英介先生(渋谷歯科医院 東京都板橋区氷川町11-8)のご協力のもと、記載することにした。おそらく日本で初めての加工実験であろう。

ニーズに応える万全なシステムが強み! ダイショープレイン

設計から製造生産まで一貫した作業システムが強みのダイショープレイン(社長=曽根精一氏 本社:静岡市葵区慈悲尾11-1)が製作する成形用金型や成形プラスチック品は、われわれの生活を豊かにするコンピュータ、精密電子、光ファイバー、光ディスク、エレクトロニクス、カメラ、ホビー、自動車分野などに幅広く貢献している。

現在のメインは自動車部品関連だというが、生産性の効率化を図り、受注から出荷まで納期の短縮を実現している同社には“自動化システムへの挑戦”があった。

あらゆる産業の生産工程で必要不可欠な工業用金網の広がる可能性 関西金網

「ふるい分け」、「ろ過」、「輸送」――――。
これらは決して目立つことはないが、様々な“モノ”がつくられる生産現場のプロセスで重要な役目を果たしている。
1935(昭和10)年の創業以来、工業用金網の専門メーカーとして、常に時代のニーズに応える製品を生産している関西金網(社長=松木義夫氏 本社:大阪市浪速区稲荷2-7-8)。
同社は最近、われわれの生活をより快適にする新しい網戸の概念、“防犯網戸”を展開し、窓を開けたまま安心エコ生活を実現する画期的な製品を世に送り出し注目されているが、日本でステンレス線が作られて間もない1938(昭和13)年に、その優れた耐蝕性に注目して金網の試作を始めたという、いわば金網業界の先駆者でもあるのだ。