年別アーカイブ 2012年

無造作淑女

白鳳堂の化粧筆

とうとう7年以上使っていた化粧ブラシがお役目ゴメンとなりました。
今まで顔面加工に貢献してくれてありがとう。

というわけで、新しい化粧筆をゲットしました。

ジャ―――――ン! 白鳳堂の化粧筆です

白鳳堂といえば、伝統的な筆の製造工程が有名です。
各工程を分業化し、熟練の職人たちがつくりあげているシロモノです。
大量生産の安価な中国製に押されて大変だった時期もあるようですが、同社のこだわりが高く評価され、2005年には「第一回日本ものづくり大賞総理大臣賞」を受賞しています。

このこだわりは海を越えてメイクにこだわるハリウッド女優はもちろん一流化粧ブランドメーカーからも支持を受け、世界に白鳳堂の名を知らしめたのは有名な話ですね。海外女優さんやメイクアップアーティストさん達は、来日した際に白鳳堂に足を運ぶと聞いたこともあります。

実は私、第一回日本ものづくり大賞に受賞されたときのパーティでリップ筆を頂きました。
この筆が非常に良く、いまだに健在で痛んでおりません。なので、次に化粧筆を購入するときは、ぜひ白鳳堂のものを購入しようとずっと心に秘めていたのです。

あれから7年以上が経過しましたが、ようやく念願が叶いました。

よい加工はツールが大事。
顔面荒加工から超仕上げ加工までこれからお世話になる化粧筆ですが、きっと優れた面品位を実現してくれることでしょう。

あらっ? 購入した覚えのない奇妙な筆が!

マキノさんの箸

マキノさんの箸。
何気ないシーンにインパクトが大!
マキノさんの細かい心配りが感じられます。

スマホで撮っちゃったから画像がよくありません。許して下さいね。

破壊の科学

できたてホヤホヤの書籍をご紹介します。
非破壊検査技術の専門家である谷村康行氏が執筆した~おもしろサイエンス~「破壊の科学」(日刊工業新聞社)。

今までも谷村氏は日刊工業新聞社から「非破壊検査 基礎のきそ」など含め4冊の本を出しています。
想定する読者はおませな中学生から高校生、社会に出て間もない新人だったそうです。

今回はさらに主婦層でも読める内容となっております。ここが高いポイントです。

谷村氏は、「破壊はどうしても事故とつながり暗いイメージがありますが、科学技術としてみた場合には興味深くおもしろいことがたくさんあります。このことを伝えたくて執筆しました」とのこと。難しい内容をかみ砕いて分かりやすく説明しており、まさに専門家として実績を積んだ谷村氏だからこそ書けるのであろう充実した内容になっております。

ものが壊れるのはなぜか? どうすれば壊れなくなるのか? というテーマのもと、「ほほぅ、なるほどね!」と思わず膝を打ってしまうことがふんだんに盛り込まれています。写真や図解がたくさんあるので非常に分かりやすく、科学好きは思わず身悶えしてしまうことでしょう。

読むと、「またひとつお利口さんになってしまった」って感じでしょうか。
楽しめるうえ、とても勉強になりますよ。今まで知り得なかった謎の扉が開いたようです。

産業界で社会人を長くやってると、「今さら人に聞けないよぅ~」ってことが、ちょくちょく・・・いや、私の場合はしょっちゅうありますが、そういう方にもお勧めです。特に業界紙(誌)の記者さん、広告営業マンさんは必読の価値アリですよ。

あらっ?
今日はなぜだか本の宣伝に力が入ってしまう私ですね。
当然、理由がありますわ。おほほ。
P106~P107に不肖ながらこのわたくしめも、ちょこっとお邪魔しているワケですもの。
このようなステキな本に微力ですが貢献できて非常に嬉しく思っております。

さて、この本の大まかな筋書きは以下のとおりになっています。

●第一章 力と破壊 ―ものを壊す力とは?―
●第二章 ガラスの壊れ方 ―強化ガラスはなぜ割れにくい―
●第三章 金属は柔らかいから割れない!? ―その強さとタフさの秘密―
●第四章 さまざまな破壊とそれを防止する取り組み

この本の中のはじめに谷村氏の印象的な言葉がありました。

破壊の裏面はものづくりであり、破壊の先にあるのは創造です。破壊から悲劇の影が消える日を筆者は夢見ています―――

なんて素敵な言葉でしょうか。
この言葉にノックアウトされました。

三井さんの巨大な「HU-100-5X」を見た!

先日、行ってきた三井精機さんのプライベートショーで工場見学をいたしました。
精度が狂わぬよう、徹底的に温度管理をしている工場内です。
この工場内は測定器が多いです。目の前には真直度測定器がありました。とにかく寸法にウルサイ同社の取り組みが歩くと分かります。

同社では「最後良ければすべて良し」――――の考え方は全くありません。
少しの寸法の狂いでも、いずれマシンにストレスがかかります。それを徹底排除するためには、ひとつひとつの寸法をしっかり測定し、あらゆる部位に積み上げるようにひとつの工作機械を造り上げて行かなくてはならないとのこと。

さて、この巨大なマシンをご覧ください。
大型・高精度トラニオン・タイプの横型5軸機械です。写真は「HU-100-5X」
ストローク(㎜)X1300 Y1200 Z1200、パレットサイズ(㎜)1000×1000、最大積載ワーク(㎜)φ1500×H1500のものです。

前から拝見したらこんな感じ。
真円テストの途中のようです。

このマシンの特長は、精度や剛性で有利な傾斜テーブル。精度の割り出し誤差の影響が少ない造りになっているんですよ。
かっこいいマシンですね。

さて、カッコイイといえば、東京で行われたプライベートショーでは、パリダカの日野レンジャーが展示されていました。

三井精機の名前を発見!

絞り加工に挑戦!

1月にウィルス性胃腸炎にかかって酷い目にあったと思ったら、今度は風邪をひいてしまいました。
日頃から風邪には気をつけていたんですが、働き過ぎて体力が落ちてしまったのね・・・(←決してダイエットで体力が落ちたとは言わない)。熱が出てしまったわ。

今日は病院に行って薬を処方してもらってしばらく布団の中でゴロゴロしていました。今週は出張があります。なんとしても万全な体調に戻さねばならぬ・・・・。

熱が一気に上がり(←ここが苦しい時)汗をかくと、急に回復するから不思議です。

さて、この前のブログでも記載しましたが、先月、相和シボリ工業さんに取材にお伺いしました。
工業デザイナーの平川氏と漫画家のたなかじゅん氏と一緒です。お2人のお陰で取材がいつもよりラクだったのは言うまでもありませんが、3人とも仕事が仕事なのもあってか好奇心がいっぱい! 喋るときは同時に喋っちゃうので、それはそれは賑やかな取材になりました。

この日、NC絞り加工に挑戦しました!

これがねぇ・・・なかなか難しい。レバーをXYに動かすと、ぎゅ―――――んって感じ。少々ビビリ腰な私。

このNC絞り機は通常のNC工作機械とちょっと違います。最初に人間の動きを機械に覚えさせ、その動きと同じ動きを機械がするんですね。これを「ティーチング」というんだと、たなか氏はおっしゃっていました。あらやだティーチングなんて言葉、知らなかったわ!

一家の大黒柱って感じです。密かにお気に入りの写真です

次回の注目記事をご覧くださいね!

記事の書き方について

お陰さまでこのサイトも観覧してくださる方がこの一年間でかなり増加しました。励ましのお声をいただいたりと、嬉しい限りです。

さて、製造現場ドットコムファンの皆様ならお気付きだとは存じますが、①ニュース、②コラム、③ブログの3通りに記事を分けております。当然、書き方も違います。

ニュースは起きたことや取材をしたことが主体です。他のライターが書く場合もあります。
コラムは日頃感じていることを私の主観で書いております。
ブログは一般的に「日記形式」と言われていますが、私も例外にもれず日記のようなものです。健忘録でもあるので己の日々の記録といっていいでしょう。したがってブログに関しては自己満足の部分が多く占め、書ききれなかった取材のこぼれ話や、自分がいいな! と感じたことを自分の言葉で掲載しています。

人様のブログを拝読しても私と同じように自己満足の部分が多くを占めており、私は他人のこの部分に魅力を感じるわけです。なので好きなブログは日々チェックをして愛読しています。

最近、ブログ「無造作淑女」に対し、身元不明の方から、他社のライターがしっかりがっつり書いた企画特集記事とゆるーいこのブログを比較して、「このくらいの記事を書けないのか。面白くないんだよ」とのメッセージをいただきました。

ブログはあくまでブログなので、特別な場合(←号外や、写真が多くニュースで書けなかった場合など)を除き、記事のような書き方はしません。―――との思いから、その旨を返信しましたところ、腑に落ちないようでしたので、少し説明をしたいと思います。

コラムもニュース(企画モノも含む)も、ブログと一緒になってしまったらカテゴリーを分ける意味もありません。

今後もブログをニュースや企画特集記事のように扱うつもりはありません。ましてやこれをしたところで、経済効果があがるとも思いません。

ついでに私の日常は刺激に満ち溢れている一方、他人からみたら案外つまんないものかもしれませんが、取材のこぼれ話を含め、写真や日常等々を掲載しているのは、世の中にブログという自己満足を正当化できる楽しいツールがあるからです。さらに補足しますと、幸いなことにブログの更新を楽しみにしているとの声を多く聞くようになりましたので、出来る限り更新頻度を高めるようにしております。面白いか面白くないかは個々の主観の問題なので、面白くないと感じた方はスルーしてしまっても構いません。私は優しいのでいちいち怒りません。

さて、この製造業界の現実をマクロでみると、円高や国内空洞化で面白くないことのほうが多いですね。ド派手なスケールでドカーンと注目・・・なーんてのは例外を除いてほとんど胡散臭いことばかりです。今のところ目新しいことだってそんなにない。ただ、この業界の混沌とした泥臭さの中に、キラリと光る真実があると思っています。

他人様の意見に耳を傾けるよう注意を払っておりますが、自分のポリシーは滅多に曲げません。人の意見に流されてばかりいると、いつかは自分がなくなります。そうすると、失敗を他人のせいにしたくなるわけです。重大な問題が勃発したとき、例外を除いて「おれ(わたし)の責任ではない」と言いわけをして困っている人のほとんどが日頃から他人に振り回されていることを知っています。われわれのような職業の場合、特に主体性がないと後で後悔することのほうが多い。(←経験から学んだ)

人はそれぞれ生き方や立場が違います。いろんな人がいるわけです。サラリーマン、OL、経営者、学者、官僚、とび職、医者、ライター、弁護士、漫画家、政治家、学校の先生等々、皆さん職業も違えば家庭環境も違う。考え方が違うのも当然のこと。職業が違うからといって人間の優劣が決まるわけでもありません。違った考えの相手を受け入れる器の大きさというのも時には必要ではないでしょうか。

ところで、ライター(記者・ジャーナリスト含む)も様々なタイプがあり、会社の看板でメシを食ってるのか、その人の感性でメシ食ってるのかで違ってきますが、メシを食うために重たい身体を引きずって働いているのは皆一緒です。

カネを稼いでメシを食う。
ビジネスの基本は「なにに貢献して利益を得るか」だと思っています。

あらあら、話がかなーり逸れちゃったわね。ごめんあそべ。
ブログはあくまでもブログであるということをご理解くださいね、ということでした。

工業デザインの重要性

友人の平川貴啓氏は工業デザイナーだ。
世の中で「おっ」と言ってもらえるようなシロモノを制作している。

この曲線が美しいビアグラスをご覧ください

このグラスは平川氏がデザインし、神奈川県にある相和シボリ工業さんが製造販売をしているのですが、この町工場を経営している大波 忠社長はなんと川崎市からマイスターの称号を頂いているんですよ。そう、このビアグラスはマイスターの絞り加工でできているのです! 

ちょうど本日2月8日~10日まで東京ビッグサイトで開催されている「ギフトショウ」で相和シボリさんが展示してらっしゃるので、お時間のある方はぜひご覧ください。

実は相和シボリさんに注目して、すでにびっちり取材済みです。次号の製造現場ドットコムの注目記事をお楽しみに!

話は変わりますが、工業デザインというのは産業において重要なものであります。
“売れるモノ”を考えるとき、絶対にハズせないのはデザインです。あのコカコーラが爆発的に世界中でヒットしたのも女性のクビレを意識した瓶のデザインにあったというのは有名な話。

案外、工業デザインについて見落としがちになりますが、ここ数年の流れとして爆発ヒットを飛ばしているApple製品を参考にすると、時代の流れと逆行して筐体プレス成形から切削に加工に変化しています。たくさんつくれるプレス加工が一品精密加工に近い切削でモノをつくっている。

これはなぜか――――?
Apple製品といえば、ピカピカのアルマイト仕上げ面。ここにヒットの秘密が隠されているようです。

この件に詳しいのは中川威雄東京大学名誉教授。中川先生はiPhoneを分解したようですが、釘づけになったのは、SUSのフレームでした。そのフレームの中にある複雑構造をした内部には小物プレス成形品をレーザーを使ってスポット溶接しているのも確認し、本体の形状の複雑さからみて、SUSをマシニングセンタで切削していると判断したのです。

その後に発売されたiPhone4も随分と凝った造りになっていますが、SUSフレームの内部はマシニングセンタによる切削加工の特長を十分に活かした構造設計がなされているようです。

中川先生が驚いていたのは、それだけじゃありません。
この場合、要する技術は金型製造技術です。「金型のように一品生産の精密加工技術を大量生産に結びつけた生産方式」だとしています。

見逃せない事実は、この爆発ヒットをしたApple製品を支えていたのは、精密加工技術に欠かせない“日本の工作機械”なのです。
Apple社の生産ラインでは日本の工作機械がたくさん貢献しているんですね。

Apple社のデザインへのこだわりは他社との差別化に見事成功したといえるでしょう。

大人のガチンコ勝負!

「技は心と共にあり」を合言葉に、おかしらの愛称で親しまれている緑川賢司ミナロ社長が率いる製造業に係る経営者集団の「心技隊」が、2日にパシフィコ横浜で『全日本製造業コマ大戦』を開催しました。

この報道陣の数!

プロの道具を使って設計から製造、そして対決。 製造業に携わる大人が本気で取り組む意地とプライドのガチンコ勝負に、来場者は興味津々大盛り上がりよ!

競技用のコマは優勝者の総取りとなるので返却はしない、優勝者は取材を受ける際すべてのコマを展示する。―――というルールのもと、予選を勝ち抜いた全国のツワモノ20社(団体)が熱い戦いを繰り広げてくれたわ! 今回、製造業にかかわる方が多く愛読しているあの日刊工さんも参戦したのですが、あえなく撃沈したことも加えておこう。

栄えある第一回目のこの大会、優勝したのは高度な切削加工で有名な由紀精密さんでした。

いやぁ、面白かったです!

働く女性のためのスーツが少ない!

私は働く女性のためのスーツが市場に少ないことを残念に思う。
というのもね、女性のスーツってポケットが小さいか縫われちゃって単なる飾りだったりするわけなの。

まぁ、身体のラインを美しく見せるには、ポケットにモノを入れるなど言語道断ってのは分かってるんだけど、そうも言ってられないわ。だってお仕事ですもの・・・つか、その前に己の肉体が加齢により変化しているので、むしろ隠したいくらいよね。(←といいつつ最近は痩せるために涙ぐましい努力をしている)

ドラマで出てくるような働く女性のスーツのほとんどは己にとって役立たずだったりする。
とりあえずスーツを着用していれば、己の特長でもある「実直」なイメージががさらに強化されるわけなので、こちらとしても愛用したいわけなんだけど、まず名刺が入らない! メモ帳が入らない! ボールペンも刺さらない! 

展示会の取材のように動き回る仕事の場合、ポケットがいっぱいあるカメラマンべストがとても使い勝手がいいんだけど、その足で企業訪問はしにくいのよね。

働く女性ための役立つスーツを誰かつくって欲しいわ。なんならこのわたくしが、プロデュースしてもよろしくてよ、と真剣に思う今日この頃です。

 

 

持ってる設備でどこまで加工するか

なんともいえない不思議なネジネジですが、これはカシワミルボーラの柏社長さんが加工したものです。立体って加工するのは難しいんですよね。

ちなみに柏社長のところのCAMではアンダーカットができないとのこと。
2D-CAD/CAMと色々組み合わせてのコラボ作品です。さすが~!!!!

柏社長いわく、「自分が思っているとおり加工できていない。技術的に未完成」とのこと。
現在持ってる設備で試行錯誤中です。

こうしたらこうなった⇒じゃあこうしてみよう――――と健闘しています。

柏社長のところは現在、5軸加工機およびCAMシステムがありませんが、立派な高精度マシンが揃っております。それをフルに活用しようと独自にあれこれ考察しながら切削の研究をしているんです。現場で、「これでなきゃできない!」と、いうのも簡単ですが、現在あるもので、どこまでできるか・・・って考えることも重要ですね。この研究熱心な町工場の社長の姿勢に貪欲なまでの熱意を感じることができます。

このような考えを貫いている方がつくるモノは安心できます。おそらく顧客を満足させるまで徹底的にやってくれることでしょう。

徹底的にマシンを使いきって、そこでできなかったら、また考える。
とことん考え抜く姿勢は私も見習わなければなりません。

マキノさーん、FFでアンダーカットができるようにご検討のほどを! 
さらに高能率に加工の幅が広がること間違いなし!

昨日は夜から大田区で展開している切削研究会に顔を出しました。この様子は次号のニュースに掲載いたします。

みんなで中華を食べました。すんごい美味しかったな。

言いたい放題食べ放題のわたくし。旨いものを食べるとコーフンしちゃう♪

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