人体に悪影響があることを懸念して、2012年、労働安全衛生法施行令等一部改正により特定化学物質の第2類物質として「コバルト及びその無機化合物」が新たに追加指定された。
切削(超硬)工具に必要な超硬合金はタングステンにコバルトが結合材として使用される。コバルトを含有した高速度鋼(コバルト・ハイス)、も、加工中の熱に強く硬さが維持できるとして加工現場で重宝されている。つまり、コバルトは切削工具に欠かせない材料なのだ。このような時流を背景に工具業界は健康障害防止装置を講じているが、宇都宮製作所(社長=宇都宮周太郎氏)が業界で初めて循環式濃度低減装置を開発した。
宇都宮社長は自社の強みについて、「創業から90年という永い歴史の中でドリルを始めとする各種切削工具と、これらの製造ノウハウを活かして開発したCNC工具研削盤を始めとする各種切削機械技術の融合がなせる製品群です」と話す。