注目記事

ファナック 稲葉会長兼CEOに聞く「製造業の現在・過去・未来」 ~高度な自動化による生産工場の凄みを見た~

 今や生産性革命への取組みは、世界各国において喫緊の課題として認識されている。ドイツが数年前に打ち出した“インダストリー4.0”の概念に触発された日本や米国、中国も次々と国家プロジェクトを打ち出したことは記憶に新しい。現在、IoTやAI技術を活用したスマート・マニュファクチャリングの実現を図る取組みは各国で競われており、デジタル時代を勝ち抜こうとしている世界中の企業は熾烈な覇権争いの中にいる。

 この時代において、現在、“地上で最も重要な製造業”と言わしめ、世界中から注目されている企業といえば、レモンイエローが印象的なファナックだ。1972年の設立以来、強力な開発力を基盤に発展を続けてきた。富士山麓に展開する標高1,000メートル、広さ53万坪にわたる雄大で四季折々に美しいファナックの森には、本社、研究所、工場、テクニカルセンタ、ファナックアカデミ、厚生施設などが設置されている。普段は滅多に足を入れることが出来ないファナックの森を訪ね、今回、稲葉会長が考える製造業の現状と課題、未来像などを伺い、同社の自動化生産ラインを見学した。

【技術】整形外科用部品の機械加工に新たな戦略 ~セコ・ツールズ~

 整形外科置換術や修復術に対する需要は、さまざまな要因により、ますます高まっている。整形外科用部品には、人工関節に加えて、事故による負傷や病変部の修復・補強に使われるプレート、ロッド、ピンなどがある。

 人々の寿命が延びてきているため、加齢に伴う関節炎や骨粗しょう症が増加し、それが整形外科用部品の需要を押し上げている。また、世界的に体重超過と肥満が増加しているため、関節部への負担も大きくなっている。さらに、ほとんど体を動かさない人から積極的に運動する人まで、それぞれのライフスタイルの幅が広がっていることも、身体の一部を置換することに対する需要増につながっている。新興国の経済成長に伴い、整形外科術を受ける資金的余裕がある層も拡大している。Global Market Insights コンサルティンググループでは、世界的な整形外科用機器市場は 2024 年までに 500 億ユーロ(530 億ドル)へと成長すると予想している。

(著者:セコ・ツールズ Jan-Willem van Iperen(医療製品エンジニア)、 Ruud Zanders(Jabro 製品マネージャー)

安田工業が約10年ぶりに内覧会を開く ~圧巻の5軸マシンがズラリと並ぶ!~

 安田工業(社長=安田拓人氏)が7月5日、本社工場(岡山県浅口郡里庄町)で工場見学やセミナーを兼ねた内覧会を開催した。今回は、同社の5軸マシンがタイミング良く一斉に組み上がったこともあり、同社では約10年ぶりの内覧会となった。

 最近は工作機械が絶好調。売れてしまえばモノがないうえ、展示会があっても会場内で大型マシンを展示するのは難しい。このような時流の中、今回は5軸マシンが一斉に並ぶ様は滅多にない機会とあって大盛況。103社233名が足を運んだ。

 10年ぶりの内覧会をレポートする。

常に新分野へチャレンジ! 大平工具製作所の底力

 「加工は見えない箇所ほど難しい」と話すのは、創立65年以上の歴史がある大平工具製作所(社長=水谷秀樹氏、本社:三重県松阪市大平尾町72)。従業員14人(2018年現在)が在籍する勢いの良い企業だ。水谷社長は、3代目にあたる。もともとは、タップのレンチをつくっていたのだが、時代も流れ、外注先の高齢化等もあり、父親の代で機械加工を始めたといういきさつがある。いつの時代も新分野へ挑戦した同社は、現在、主要設備も豊富で縦形マシニングセンタ、5軸マシニングセンタ、ワイヤーカット放電加工機、平面研削盤、細穴放電加工機等がズラリと並ぶ。アルミ深穴加工や難削材加工にも定評があり、信頼も厚い。

 優れた加工がどんなものなのか――といっても、守秘義務も多く、見せられないことが多い町工場だが、同社が手掛けるクオリティの高い難加工や、経営者の本音を取材した。

DMG森精機が東京デジタルイノベーションセンタを開設 ~最先端技術を有する組織が同じ屋根の下で研究開発によるシナジー効果も発揮~

 DMG森精機(社長=森 雅彦氏)は6月1日(金)、『東京デジタルイノベーションセンタ』を開設した。東京デジタルイノベーションセンタは、DMG森精機グループ会社のマグネスケール、サキコーポレーション、ビー・ユー・ジーDMG 森精機、デジタルマーケットを開拓する新会社『テクニウム』、そして先端技術研究センターの本拠地として機能する。

 DMG MORIが世界に誇る最先端技術を有する『東京デジタルイノベーションセンタ』を取材した。

ヤマザキマザックが大型工作機械の生産工場「いなべ製作所」第一期工事完了 ~組立工場稼動開始! 国内生産能力2割アップ!~

 ヤマザキマザック(社長=山崎智久氏)は、航空機産業や建設機械、エネルギー産業などにおいて大型工作機械のニーズが増加していることを受け、三重県いなべ市に大型5面加工機および5軸加工機を生産する「いなべ製作所」の第一期建設工事を完了し、このほど稼動を開始した。

 国内6番目の生産拠点となるいなべ製作所の竣工に伴い、大型工作機械の生産は岐阜県内にある美濃加茂製作所から、いなべ製作所に移管された。また、いなべ製作所の稼動により、国内の生産能力は金額ベースで2割向上する。同社では、「昨今、工作機械市場は活況を呈しており、今後、さらなる増産をはかり国内外の旺盛な需要に対応する。」としている。いなべ製作所を取材した。

創業100周年を機に北川鉄工所がカンパニー制導入 工機事業部はグローバルハンドカンパニーへ! ~新たな飛躍とものづくりへの思いとは~

 本年3月、100周年を迎えたことを機に北川鉄工所(会長兼社長=北川祐治氏、本社:広島県府中市)は、素形材事業、産機事業、工機事業がそれぞれの優れた技術を発揮し、より強靱なKITAGAWAブランドを構築するため、4月1日付けでカンパニー制を導入した。
 素形材事業本部は、キタガワ マテリアル テクノロジー カンパニー(Kitagawa Material Technology Company、略称:KMT)に、産機事業部は、キタガワ サン テック カンパニー(Kitagawa Sun Tech Company、略称:サンテック)へ、工機事業部は、キタガワ グローバル ハンド カンパニー(Kitagawa Global hand Company、略称:グローバルハンド)と生まれ変わり、新たな取り組みを実行している。

 今回、KITAGAWAの中核を担うグローバルハンドに注目し、藤本 一 (ふじもと ひさし)執行役員・キタガワグローバル ハンド カンパニー社長にものづくりへの思いや営業方針、具体的な取り組みと未来像についてお話しを伺った。

碌々産業が満を持して微細加工市場に新機軸を投入! 微細加工機のあるべき姿を形にした『Vision』とは!?

 碌々産業(社長=海藤 満 氏、本社:東京都港区4-23-5)が、微細加工市場に新機軸のマシン『Vision』を投入した。微細加工機の革新的マシン『MEGA』を市場投入したのは1996年。以降、1号機の開発から通算で1000台を超えるMEGAを微細市場に供給し続けており、20年以上ベストセラー機の地位を確保している。2010年にはMEGAの上位機種として『Android』を市場投入、さらにその上位機種として2016年のJIMTOFでは次世代微細加工機『P12-C Genesis』を発表し、大きな注目を浴びた。同社の“高精度微細化へのシリーズ化”はここから始まっている。
 

金型業界を支える最新技術が集結! 「INTERMOLD2018/金型展2018」(大阪)~注目各社の見どころはコレだ!~

 4月18日(水)から4 月21 日(土)までの4日間、インテックス大阪で「INTERMOLD2018/金型展2018」(主催:日本金型工業会、テレビ大阪)ならびに「金属プレス加工技術展2018」(主催:日本金属プレス工業協会)を開催する。今年は堅調な金型業界の動向を反映し、出展者数378 社・団体、展示小間数881 小間での開催となる。
 また、自動車部品や航空機部品に関する特別セミナー、工作機械、切削工具、CAD/CAM、CAE、測定機器など出展企業によるテクニカル・ワークショップなども開催し、金型や金属プレス業界関係者への最新技術の提案が行われる。
製造現場ドットコムでは一足早く注目メーカー各社の新技術や目玉製品を公開する。

 (アマダマシンツール、イスカルジャパン、イワタツール、オーエスジー、オークマ、OKK、岡本工作機械製作所、キタムラ機械、ジーベックテクノロジー、大昭和精機、ダイジェット工業、DMG森精機、ナガセインテグレックス、日進工具、ブルーム-ノボテスト、牧野フライス製作所、三井精機工業、三菱日立ツール、ヤマザキマザック、碌々産業)

85周年を迎えるキタムラ機械の歴史 ~マシンづくりに込めた思い~

 キタムラ機械(社長=北村彰浩氏 博士〈工学〉、本社:富山県高岡市)は、1933(昭和8)年、北村源次(初代社長)が富山県高岡市にて創業した歴史ある企業だ。
石川県出身の源次氏は、第一次世界大戦の特需景気もあって製鉄や繊維、造船などの産業が大いに発展した時代に旧日本海軍舞鶴工廠(こうしょう)に勤務していた。日本最高レベルの機械技術を習得していた源次氏は、1923(大正12)年、さらなる最新技術を得るためにイギリスに派遣された。当時のイギリスは世界でも機械工業の最先端。その技術により舞鶴工廠への潜水艦部品や、小松製作所の戦車のキャタピラーの製作を請け負うようになる。

 本年85周年を迎える同社。その長い歴史と現在の働き方改革の実行について、経営企画室 室長の能多伸佳氏にお話しを伺った。