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「第57回機械振興賞」経済産業大臣賞にマツダ、マツダE&T 

 機械振興協会(会長=釡 和明氏)は、このほど「第57回(令和4年度)機械振興賞」の受賞者を発表した。経済産業大臣賞はマツダ、マツダE&Tの「みんなが走る歓びを共有できる新コンセプト自操車の開発」が受賞した。今年度は33件(大企業14件/中小企業8件/小規模事業者8件、その他1件、支援活動2件)の応募の中から、経済産業大臣賞1件、中小企業庁長官賞1件機械振興協会会長賞6件、審査委員長特別賞2件、奨励賞4件、中小 企業基盤整備機構理事長賞1件が受賞した。 受賞者の選定理由は次のとおり。

【年頭所感】経済産業大臣 西村康稔

(はじめに)
 令和5年の新春を迎え、謹んでお慶び申し上げます。

 昭和60年に通商産業省に入省したときの、日本の経済、日本の将来のために働きたいという初心と、入省後約15年働いた後に政治を志し、より大きな立場で日本の将来のことのために働きたいという初心、この二つの初心をもう一度思い起こし、改めて日本が抱えている様々な課題を乗り越え、日本の発展のために全力を尽くしてきたところですが、更に取組を進めていきたいと決意を新たにしているところです。

 今、世界は時代の転換点を迎えています。気候変動、コロナ禍、ロシアによるウクライナ侵略という3つの危機に加え、特に日本においては、地域にも大きな影響を与える少子高齢化・人口減少という課題への同時対応が求められています。
 

「妥協のない品質を求めて」 ~北川鉄工所 グローバルハンドカンパニー 北川社長に聞く~

 現在、製造業界は地球規模でカーボンニュートラルへの対応が急務であり、環境負荷低減のため加工現場では工程プロセスの効率化が求められている。グローバル化により人材の多様化も進んでいるため、ものをつくるために不可欠な工作機械は国籍・性別問わず、誰もが使える自動化・複合化へとさらなる進化が進んだ。そこで見逃せないのが、品質のよいものづくりに欠かせないワークを保持するチャックなどの周辺機器だ。工作機械のポテンシャルを最大限に引き出す〝加工力〟を発揮するための重要な要素としてその存在は大きい。

 2018年に100周年を迎えた北川鉄工所の中核を担うグローバルハンド カンパニー(取締役 グローバルハンドカンパニー社長:北川和紀氏)は、高精度化・自動化に向けたシステムをタイムリーに市場投入している。同社が追求しているのは、「妥協のない品質」であり、積極的に生産・検査の自動化や省人化を推進し、事業の拡充を図っている。北川社長にお話しを伺った。
 

世界中の産業界に寄与するタンガロイを知る(後編) ~松本営業本部長に聞く~

 グローバル企業のタンガロイ(社長:木下 聡 氏、本社:福島県いわき市好間工業団地1-1)は毎年多くの新製品を開発し、その製品の全ては〝日本機械工具工業会 環境調和製品認定基準〟に基づく基準を満たしたものである。地球規模で産業界の発展に寄与するアイデアと製品力が魅力の切削工具は、ユーザーから高い評価と信頼を博している。

 同社のスローガンのひとつに『営業はタンガロイのアンテナであれ』という言葉がある。加工現場の課題や動向や変化をいち早くキャッチし、品質向上と工期短縮による経済効果を高めるためのノウハウを顧客に提供するのは専門性を持った営業部隊だ。前回掲載した木下社長に引き続き、松本憲幸営業本部長のインタビューを掲載する。
 

世界中の産業界に寄与するタンガロイを知る(前編) ~木下社長に聞く~

 グローバル企業のタンガロイ(社長:木下 聡 氏、本社:福島県いわき市好間工業団地1-1)は、1934年の創業以来、超硬合金の先駆者として切削工具を主体に世界の金属加工現場に貢献してきた。近年では、目まぐるしく変化する製造現場のニーズに対し、研究開発を加速させ、マーケティングや販売に至るまできめ細やかなサービスの充実を図っている。同社の高い技術力に裏付けられた品質はタンガロイブランドの安心感を際立たせ、最近では環境調和型商品の開発や商品リサククルなど環境保全活動にも注力している。

 世界の産業界の発展に寄与する同社の取り組みについて、前編は木下社長に、後編を松本憲幸営業本部長のインタビューを掲載する。
 

【この人に聞く】「使い慣れたマシンを時代に合った最強マシンに」 牧野技術サービス 専務取締役 西野 正氏

 かつては大量生産・大量消費が当たり前だった時代は終焉を迎え、現在は、企業が持続可能な開発に対してどのように寄与できるか――が問われており、SDGs(持続可能な開発目標)の取り組みに関心が集まっている。製造業にとっては省エネへの改善努力やCO2削減など、循環型社会への実現に向けて関連性も多く、企業が戦略的にSDGsに取り組むことは持続的成長を促すことにつながり、新たな利益を生み出すとして、経営戦略としても欠かせない重要課題となっている。

 牧野フライス製作所の子会社である牧野技術サービス(以下、技術サービス)は、現在、大型機を中心にオーバーホールやレトロフィットを強化しており、時代に合致した体制で、設備資産の有効活用を促進している。同社の取り組みについて、西野 正 専務にお話しを伺った。
 

【対談】『つくるの先をつくる』日進工具社長 後藤弘治氏×『感性と技術で世界を虜にする』独立時計師 浅岡 肇氏

 直径6ミリ以下の小径エンドミルに特化し、成長を続けている日進工具(社長=後藤弘治氏)。完全国内生産の同社は切削工具を製造する機械も自社開発のオリジナル。精度の高い製品を自動化された生産ライン製造されるエンドミルは10,000アイテム以上もありながら安定生産を誇り、日本の強みとされている電子部品製造や精密加工分野に貢献している。 

 この小さなエンドミルを活用しているユーザーの1人が、独立時計師の浅岡 肇氏(東京時計精密社長)だ。浅岡氏が製作する希少性の高い時計は、精度の高さと美しさを兼ね備えた芸術品として高い評価を博しており、世界中のセレブや時計マニアの心を掴んで離さない。お二人に製品をクリエイトするためのこだわりや、今後の展開などをざっくばらんに語って頂いた。 
 

ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の重要パーツ〝主鏡〟を加工したのは三井精機工業の横型マシニングセンタだった! 

 2021年12月25日に打ち上げられた「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」(以下JWST)が観測を開始し、本年7月、JWSTが撮影したおびただしく光り輝く星や銀河の画像を公開し、世界中の人々を魅了した。この次世代宇宙望遠鏡は、1990年に打ち上げられたハッブル宇宙望遠鏡の後継で、25年の歳月と1兆円以上の費用をかけた大プロジェクトによるものだが、大注目は、JWSTの重要パーツである〝主鏡〟が三井精機工業の横型マシニングセンタによって加工されたということだ。計画当初は2007年の打ち上げを予定していたが、JWSTは前例のない技術の集積であり、そのため設計・製作・試験等は困難を極め、延期に次ぐ延期を繰り返し、一時は計画の打ち切りの危機もあった。

 日本企業である三井精機工業のテクノロジーがNASAの偉業を支えた経緯について、同社精機販売推進室 下村栄司氏にお話しを伺った。
 

【小物高精度加工は次の時代へ】 三菱マテリアル&シチズンマシナリー LFV(低周波振動切削)技術が切りくずトラブルをシャットアウト!

 近年、新しい加工技術として注目を集めているシチズンマシナリーによるLFV(低周波振動切削)技術。この技術は2014 年にVC03に搭載し市販化され 、さらには自動盤市場でのベストセラー機である『L20シリーズ』に本格搭載されたことにより、一気に市場が拓け、2021年度までで販売実績は世界累計4,000台を達成した。一方、三菱マテリアル・加工事業カンパニーは、従来の加工方法は基より、いち早くLFV技術を用いたマシンに対応する最適な切削工具の開発を進めてきたことで、工作機械のポテンシャルを最大限に引き出す『LFV 対応工具シリーズ』を市場に提供している。

 〝新時代の加工技術″をテーマに、両社の取り組みについてシチズンマシナリーにて取材を行った。
 

【この人に聞く】進化する金型メーカー 七宝金型工業 松岡社長

 1949年創業の七宝金型工業(社長=松岡寛高氏、本社:愛知県津島市南新開町)は、常に時代が要求するものづくりに必要な新設備を取り入れて最先端の流れを掴んできた。「価値観が多様化してきた現在、お客様のご要望を叶えるだけの製造業では生き残っていけない。」と話す松岡社長は、自社ブランド製品の研究開発にも力を注ぐだけでなく、老舗金型メーカーならではの永年培われたノウハウを軸に新たなビジネスモデルを展開している。

 同社ではこのほど、焼き嵌め工具自動交換装置『TOOL MEISTER』をサンテックと共同開発し、本年7月に開催されたINTERMOLD名古屋では1号機を出展し注目を集めた。松岡社長にお話しを伺った。